2022年10月31日月曜日

実際のところ日本は、生半可な努力では修復不可能なほどに技術力は低下しているのではなかろうか?という話

某企業の開発系お偉いさん『技術のない奴は開発したらあかんのか?』

おはようございました。

見習い変ジニア@(゚Д゚)ハァ?…何言ってんだお前…中々のパワーワードを食らった漢 です。

毎年同じミスして成果を出せてなもんだから、私が最低限度比較検討できる資料用意したので、最低限それを読んでから議論しましょうね?って言ったらこれですよ…。


開発の担当者、しかもマネージャークラスが技術力なんてなくてもいいと断言する様は、ものすごいカルチャーショックです。素人のガラガラポンが許される時代なんて1990年より少し前あたりでとっくに終わった話と思っていたのですが、この組織ではそうではなかった模様。


実はこのお方、部下に作れと命令した資料に関しては、できあがったよ?と渡しても一切見ません。

製品の開発中に起きている障害の原因と対策についての資料を提出しても一切目を通しません。

おまけに自分の言ったことですら数日後にはすべて忘れます。

やるから手を出すな!と言ってくる発注処理は6カ月以上延ばします。

そのくせ業者と身内には一生懸命マウントとってきやがるのです。

所謂プロジェクトクラッシャーなのですが、頑張っている振りは欠かせませんし、昔ながらの方々との飲み会は大好きです。

さらに口先では解った振りしてそれっぽい事並べて煙に巻いてくるもんですから、技術開発の『ぎ』もわからんような経営層な方々には大層可愛がられていまして、かなり面倒くさい状況にあります。(というか、この企業の役員クラスの方々が、これの上位互換なところを見ると、上司の真似をしてのし上がろうとしている劣化コピーなだけの気もしますが…)

この世代特有の文句ばっかり言ってる声だけデカい奴は重宝される症状かもしれませんが、当事者になることだけは避けたいですよね…。


自社技術!とか言いたいなら技術の分かる役員が居ないと駄目だっていう典型例ですよね。

せめて技術士が普通に取れるレベルになってから技術的な判断しろよ…と思うわけです。今まで見てきた潰れた企業や某自動車企業、某家電企業様方と同じ構図です。

さて、そんな日本の衰退した理由がよく見えたってことで今日の話題です。


最近色々と慌ただしいことが多く、
爺になったら時間が余ってくるもんだと思っていたのですが、ガキの時よりも全く自由な時間が取れないという、何とも情けない状況に陥りつつあります。

さて、そんな今日は失われた30年での技術衰退が実はとんでもない事になってんじゃないか?って話です。

ご存じの通り、バブル期の後半から拝金主義醸成。そして小泉&竹中による自己責任論醸成、そしてとどめの新自由主義(銭ゲバ崇拝)推進&TPPによる全ての関税自主権放棄によって、日本は海外の汚い銭ゲバどもの草刈り場になりまして、国民が普通に住む水準でいられるためにはもうそろそろ食うところが無いんじゃないか?っていうぐらい一気に衰退しております。

まぁ、そっち系の輩はそれでも金を絞りたい連中ですから、食・水といった生活基盤にガッツリ牙を立てながら我々を食い尽くそうと躍起になっています。
某国様はドイツを玩具にする気でイエローモンキーは軽くる叩く程度だと思っていたのに、イエローモンキーに噛みつかれたのがよっぽど嫌だったんだろうなぁ~なんて思うところです。
尤も、今は完全に下僕の奴隷化しておりますが

さて、こんな自己責任論を掲げた世の中において、我々エンジニアの世界においても非常に厄介な風習が根付いてしまった事に気づかれているでしょうか?
そう、『OJTという言い訳を模した放置プレイ』です。
成果主義と言えば聞こえはいいのですがその実ひどいものでして、ちょっとでも自分で勉強しない奴は速攻で切り捨てるという恐ろしい言い訳です。

ここ数年技術的な相談をされる方の大半は『自社で教えてもらえる環境にない』という、ずいぶんとふざけた状況にあるようで、それ、『社員の育成放棄だよね?』『教育コスト分の給料を上乗せしろよ』と突っ込まずにはいられません。
かくいう私も成人して就いた職からは基本的に毎月の手取りの給与のうちの数万円は機材や書籍に行かざるを得ない環境にありますし、今の職に当たっては開発環境だけでなく、測定器すら私の持ち物を使わされるという中々酷い有様であります。
えぇ、『必要なものあったら買うかもしれなから申請して』などと甘い事言われ、『必要な測定器類をすべて挙げていっているにも関わらず、いまだ1台も買ってもらった試しがない』という有様です。1年半前からこの問題を指摘していますが、一向に改善されません。
電気屋さんではない方のための例えばの話ですが、
測量屋さん的に言えば、『TS(トータルステーション)は会社で用意していないけど、測量はしなさい』っていう状況です。
機械屋さんで言えば『工具一切補填しないけど、この切削加工をしなさい』って感じです。
ソフト屋さんなら『開発PC?、ネットでつながっていないXPの古い奴使え』(いや、それ今どきのソフト動かないし、個人向けのライセンスフリーの物を違法で事業用に使う前提?オンラインじゃないとうごかないんですが?無理やり動かすためにUNIXOS入れたらお前キレるでしょ?)…これは現実に今起きてることですがという勢い。

ね?なかなか酷いでしょ?
これで開発部とか名乗ってんだぜ?
早く現場に戻りたい(現場のほうがある程度自由に資材が調達できたので…)…できれば米子近辺

自虐ネタはさておき、本日の本題の本筋へ
さて、先ほど挙げた会社が投資しない問題にあっては、大小あれどどこの会社も似たような風潮にあります。理由はいたって簡単でして、一般企業の投資のうちで金をかける順はコストの低い順なので、
人材投資 >> 設備投資 >> 技術開発投資
そして資金回収の早い順は基本的に、
人材投資 >>設備投資 >>技術開発投資
という感じで、設備や技術開発は人よりは優先度が低くなります。おまけに人に属する技術も投資コストがかかるので、頭数で何とかするという舵の取り方にならざるを得ないのです。

そんな訳で拝金主義は人身売買となるのは自然の摂理になります。
ちなみに当たった時の資金回収の割合で言うと、
技術開発投資 >>> 設備投資 >>> 人材投資
なのは言うまでもありません。ポッキーや青色LEDヨロシク一発当てたらかなりの長期にわたって市場を独占に近い形で牛耳れます。
しかも技術開発投資や、設備投資というものは最低限度しなければならない限度額があり、それを下回ると会社はそもそも存続できなくなります。

さて、
人材投資 << 設備投資<< 技術開発投資
という順位で必要な資金と時間が要求されますが、下手に銭ゲバの短期的思考な輩が上を占める組織になると、必ずと言っていいほど短期利益主義に走ります。
そう、普通は最低2年、場合によっては1年の間で損さえしなけりゃいい!という経営者としては腐った考え方に走ります。
日産のゴーンがgoneした件でも私は昔から述べてましたが、アレはコストカットするだけして私腹を肥やして投資を全部切り捨て、小さな親会社(ルノー)が大企業(日産と三菱)を買い取る典型的な企業買収手法でありまして、招いてはいけない屑野郎な訳です。

実際フランスのスパイだってことが今頃になって分かったし、フランスの資本が入っている関西国際空港から逃げたし、実質フランスの植民地のレバノンへ逃げたという経緯もあり、国家ぐるみだったことが露骨に明確化したでしょ?

それでも見る目のないうっかり経営者や日経系の中共様信奉誌に毒された残念経営者様はゴーンの汚い銭ゲバによる見た目の金銭創出という魔法の様なやり方に心を奪われてしまった訳で、『どうせ数年で昇進するんだから、それまで耐えれればそれでよい』と、どこかで見た『今だけ、金だけ、自分だけ』(by 鈴木宣弘 氏)の生き字引的な行動に手を染めたわけです。

酷いとホリエモンすら神格化し始めます。彼の起業当初はともかく、アレ、道徳的に見たら合法な詐欺でしかないですからね?


それでも最初はまだよかったんです。単純に高い測定器のグレード下げるとか、先行の研究開発凍結とか(これはこれで相当拙いけども…)程度だったんです。
でもそこからためておくべき設備更新費用を切り崩して設備更新を遅らせる行為が始まりました。
そして次は人材の教育関連費用を一切合切削除。おまけに消費税の節税対策で派遣化するとか今ならアウトな手法にも手を染める始末
そして実力主義という名を借りた賃金の上昇抑制も相まって、実力が無いならば相手を叩きのめせば相対的に給与が伸びるという訳の分からない風潮が会社に蔓延しはじめました。
おかげで本来 OJT(On the Job Training) は、Off Job Training(=机上や練習場での学習)の実践訓練という位置付けであるので、先輩や指導者が一緒に作業することが前提であるにもかかわらず、堂々と放置して OJT をしているとか言い出す構図になり始めました。
これ、現在の我々技術者業界において非常に拙い事でして、できる人とできない人の格差が広がるしかないという現実を生み出します。
黙っていたら誰も助けませんし、誰も直そうともしません、あまつさえ仕事ができない人は自分の立ち位置と給与を守る(=保身)のため、伸びそうな人を懸命に潰しにかかります。
と、ここまでが新自由主義と銭ゲバ、『今だけ、金だけ、自分だけ』が一体何を生み出したかが理解できる流れです。

さて、厄介なことにこの流れが既に30年間発生しています。
つまり、会社の中で正しい投資を知らない連中が新卒入社で既に中堅か役員クラスなのです。ということは、投資の仕方を知らない人しか残っていない可能性が高い。また、少し前はバブルで浮かれていて何も考えずに土地や不動産、ゴルフ会員権まで手を出していたわけですから、投資を知っていてもそれが正しい投資のありかたかどうかなんてわからない連中が会社を動かしているという事実が見えてきます。
私みたいに個人で自分に教育や機材にガンガン突っ込んで、測定器買ったのでボーナスが出る前に赤字確定!なんていう投資経験豊富な人は極稀な変人ですし、隣人を叩かないで上に上がれる組織なんて極稀になっていますから、人としての道徳性というべきか?それとも民度というべきか?も期待できません。

おまけに投資していない裏返しで何も残っていないという現実が目の前に立ちふさがっています。
つまり、今残っている会社であっても、そのほとんどにあっては投資を真面目にできていないし、中では孤立化と叩き合いで凌ぎを削っているわけですから、結果衰退する以外の選択肢を採ることは非常に困難と言う窮地に立っていることが容易に想像できます。

これ、非常に拙くないですか?

私も今の職場が余りにも酷くて考えようかとも思っている矢先なのですが、地雷だらけで選び方すら分からん有様です。
昔は別に住むところはどこでもいいし、とりあえず転職ガチャ回しとこう!
的なノリでガンガン行けたのですが、なまじ今住んでる米子が近隣の関係や地理的に頗る快適なこともあり、選べる選択肢が一気に狭まってきています。

そんな訳で、誰か山陰地方でまじめに仕事したい会社様は私を雇ってください
離れもあるのでそこを仮事務所にして山陰進出!でもいいですよ?


ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。


2022年10月13日木曜日

FETプローブをさらに追加で手に入れられた記念に、EBAZ4205の比較的低域電源インピーダンスを測定してみた

 おはようございました。


少し前にEBAZ4205の電源が糞だという噂がある』という話で、実際のリップルノイズを見た件を投稿しておりました。
皆様覚えていらっしゃるでしょうか?本日はその続きです。

うっかり2台目のFETプローブ『Tektronix P6243』を手に入れましたので、家に転がっているDL1740で再測定してみました。
CH1:3.3V
CH2:1.5V(VCC-DDR)
1.8V系のノイズ?を受けて振動している状態をズームしました。

CH1:1.8V(VCCA)
CH2:1.0V(VCCP)
1.8V系のノイズ?の発生状態をズームしました。
拡大すると…
パッシブプローブなら完全にノイズに埋もれて見えなかったノイズもこんなにくっきり…
ノイズ調査に良いプローブが欠かせないことは良く分かりましたね?
私は貧乏人であり、現職は電子回路系の技術者は冷遇されますし、技術士ですら公然とお払い箱の扱いを受けるので、良いプローブを(どころかちょっとした消耗品すらも)買えませんが、電源触るならプローブに金をかけろ!と強く言っておきます。
ついでにこんな私を拾ってくれる会社があればよろしくお願いいたします…(結構切実)

だがしかし!今回はこれだけでは終わらないッ!

久しぶりに玩具を出したついでに、さらに面倒臭そうな心配事も一緒に…と電源インピーダンスも測ってしまいます。
以前昨今の電源電圧低電圧化と大容量化に伴い、電源側の設計がかなり面倒くさい事になっているという話もさせていただきました。
さてそんな中、たとえ糞であっても動いている実物が現存するという事実は、実際の設計における指針の一つになります。
ということで、先ずは非破壊でできる低域の電源インピーダンスを測定したので、XilinxFPGAZynq-7000シリーズのz-7010の設計の際には
『低域のインピーダンスはこれぐらいは守ってないと製品として糞認定される』
指針にして頂ければと思います。
そもそも高域について、アートワーク上でのデバイスを含めたインピーダンスは、結構な企業様方がそれなりのノウハウを蓄積されておられますし、解析突っ込んでそれなりにできる環境も構築されているので、実際のところは低域のほうが面倒くさいだろうと思って公開した次第。
例えば入手の問題とか、会社の制限とか糞上司の命令とか、営業絡みの問題とかで…

さて、このEBAZ4205の電源は、3.3V1.8V(VCCA)1.5V(VCC-DDR)1.0V(VCCP)4系統があります。
巷に転がっている
回路図上のVCCPのは1V9となっている電源ですが、1.9Vではなく1.0V弱です。(ややこしい…)
ご存じの通り、一番条件的にきついのはコア電源の1.0Vで、リップルとノイズの限界値もさることながら、コアの消費電力変化による電源電圧変動を含めた形で電圧変動を規定値内に収めねばなりません
ここら辺の回路周りの数値は出回っている回路図に間違いが存在するかもしれません。
動いている現物のほうが正しい!という、昔にあったような心意気で現物以外信用しないようにしましょう。
1.8V
突っ込んだら間違いなくFPGAが死にます。(何で前回気づかったのか最近この手の業界から離れているとはいえ大失態です)

さて、ここから提示するネタについてですが、いくらか注意事項があります。
  • 金の頂いていない私的な落書きなので、すべて私の妄想の世界の中での出来事であること
  • 我が家の測定機環境はそこまで優れている訳ではなく、校正なんてしていない品物であること
(アホみたいに高い電子負荷やFETプローブなんて個人じゃ普通は持たない物を使ってますが、所詮はその程度です)
  • 傾向さえ見えれば満足で、不確かさの検証なんて面倒くさいのでやる訳もない事
  • 60Hzの高調波(3倍、5倍、7)のノイズの問題は私の家の電源環境が糞なだけであって、本来はない物として思え
ということで、私の妄想の結果だということに納得できるお方は次の結果を見てみましょう。
大事なことなので、2回言っておきました!




見ての通り、コア電源だけはコンデンサガンガンに積んで実装されているICから十分制御可能な制御帯域内から位相がぐるっとコンデンサ側に振っているいることがよく分る構図となっております。
また、グラフの位相の暴れは信頼の薄さにも相当します。
FETプローブ使ったりそれなりの構成で気を使ていることもあってオーダーはそれなりの精度で採れてはいるのですが、周囲のノイズもそこそこ酷く、あまり綺麗に採れるわけでもありません。
非破壊でやれる範囲ということで小信号での測定でリード引き出しということもあり、100[kHz]以上はだんだんと測定精度が怪しくなってきています。
とはいえ、傾向はつかめる程度には取れていると思います。

しかしまぁ、コア以外はかなり適当でこれで本当にいいの?と思わざるを得ない結果です。
コア以外も頑張って100[kHz]ぐらいまで0.01[Ω]切りを目指せよと思うわけですが、そうもいかなかった模様。
ちなみに、私が過去に設計していたちょっと気合の入れた電源では+12[V]で、100[kHz]で0.01[Ω]、MHzに入るまで普通に0.1[Ω]切ってました。(100400[W]での使用電源だけど…)

ですがそもそもこの帯域(数百kHz)になり始めるとデバイス端での測定を行わねば正確に判定できません
素直にシャントスルー法を使って測定しましょうと言いたいのですが、誰かやってくれんだろうか?
え?お前がやれって?誰か投げ銭してくれたら考えます(と言ってみるテスト)

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。