おはようございました。
とうとう『Lite VNA』なるものに手を出し、家にある8GHzまで使える減衰器で性能を見てみたら、ノイズはあるものの4GHzぐらいまでそこそこ所望の精度で使えることが分かりました。
さて、会社でも2.4~2.5GHzを使うようになり始めたこともあり、とうとうSMA端子での結合時のトルク管理が肝になる領域に片足突っ込み始めました。
ぶっちゃけ機械工作ばかりやってる人間の手の感覚は、下手なトルクレンチよりもトルク管理がシッカリしているのですが、社会はそういった職人技を公的には認めません。
そんな訳で表向きにでもトルクレンチを用いた管理は必須です。
しかしながら正確なトルクレンチは1か月の食費より十分高価ですし、性能の割には手が届きにくい範囲です。
そこで、代替手法として、中華製の安いトルクレンチと、その調整手段をもってそれなりに信用できそうな値で管理することにします。
購入したのはアリババで転がっていたトルクレンチです。
一応0.57Nm(SMA用)、0.9Nm(3.5mm用)の二種類注文しましたが、予想通り調整されていないものが届きました。
来たのは1.2Nm、1.0Nm…しかも中は錆びまくり…まぁ、そんなもんです。
さて、まともに動かないことを確認したら、バラして掃除して、軽くグリスアップします。動きが悪くなるほどにグリスを入れちゃだめですよ?
トルクの調整方法ですが、正規のトルク計を買うと中産階級の月の手取り給与並みの厳しい価格になります。
そこで、比較的安価に転がっているバネばかりや、フォースゲージを使って調整します。
レンチの回転中心から力をかける一の距離を計測したのち、滑りの良い作業台に8mmのヘキサレンチを固定し、写真のようにフォースゲージやバネばかりで工具を使う方向へ力を加えて、ピーク値を取ります。
摩擦や力のかける方向などの兼ね合い、90度折れ始めの力の追従などで、一発で綺麗に測れるわけではないので、何度か取り直しましょう。
今回は135mmの点をフォースゲージで押したので、1000mm÷135mm倍のトルクがかかります。
ですので、0.56Nmであれば、4.148N、0.9Nmであれば6.667nmあたりで管理します。
念のため、デジタルトルクレンチでもこの管理値がそこそこ正しいことを確かめました。
いくら丁寧に同じ様にトルクをかけても、そこそこバラつくのはそういう代物だと諦めましょう。
この手のトルクレンチは与圧のかかったバネ式のトルクレンチですので、調整する手段が必ず必要になります。