おはようございました。
家で使用している石油ファンヒータの調子が悪くなり始め、とうとうエラー表示をして動かなくなるという状態になりました。
三菱製の古い奴で20年以上前のものです。
表示部に『F6』と表示されて動きません。
原因は火炎検出器の信号が正しく検知できませんというものです。
検出方式は炎内に置かれたタングステンの電極と、筐体間の抵抗値を計測するものです。
燃焼中の炎は所謂プラズマ状態なので、筐体(火炎出ている箇所)と電極間には電気が流れるはずなので、流れないなら火が消えているという方式です。
断線のリスクや多様な異常時の対策を考えると、安全側になりえる検出機構ですね。
そんな訳で、その電極がなんで検出しなくなったかと言うと、空気中の埃・ゴミ・空気以外の成分がたまたま電極付近を通った時、たまたま付着してどんどん燃えない成分が重なってゆくというものです。
代表的なもので言えば珪素(ガラスの主成分)ですね。地球上に普遍手にに存在する物質で、身近なもので言えば砂です。
埃や潤滑材、ヘアスプレーなど色々な物に混ざっています。
さて、薄い強固な硝子膜のようなものと言えば代表格でスマートフォンの保護ガラスです。
コイツを割るには相当な力・衝撃が必要だと容易に想像がつきます。
普通にワイヤーブラシでガシガシしても簡単には落とせませんし、鑢でも結構な時間がかかります。
そこで簡単に割る技として、『電極をガンガンに炙って、赤くなったら水に突っ込んで急冷する』というものがあります。
電極と付着物の熱膨張係数の差を利用して割ってやろうというものです。
という訳で実際にやってみました。
必要な時間は大体1時間半。
必要なものは『プラスドライバー、ラジオペンチ、ガスバーナー、バケツに入った水』たったこれだけです。
鈍い白色のザラザラがゴミや埃、珪素の結晶です。
火炎検出用の物はUの字に曲がっているので、こちらを重点的に清掃すれば修理できます。
ラジオペンチとバーナーをうまく使いながら、赤くなるまで熱して水で急冷します。
そして、ワイヤーブラシで割れたものの除去を複数回繰り返すと、綺麗に落とせます。
そして元通りに組み立てて完成です。
意外と簡単でしょ?
昔の製品は現在の製品に普遍化された寿命短命化というステルス値上げの無い時代の製品です。
ですので、しっかりと整備をすれば、かなり長い期間使えます。
皆様におかれましても新製品に飛びつくよりも手持ちの製品を修理する方が意外と安くつく場合もあるります。
状況や場面によって修理をするという選択をされることをお勧めします。
ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。