2014年10月23日木曜日

陥りがちな設計ミスの代表例があったので晒して置く

おひさしぶりです。

ちょっと身の回りでゴタゴタがあり、家のノートPCのHDD突然死亡に加え、間接的なパワハラもあってか、ついカッ!っとなって、求職中になりそうであります。そんな訳で、
私のようなキチガイ染みた輩を採用してくれる奇特な会社があることを切に願っています

さて、今日はちょっとした技術の小ネタです。
少し前、電解コンデンサの設計において、
“リップル電流ぐらいはしっかり事前計算して、最低限のものをつけなさい”
という話をしました。

じゃあ、他のコンデンサはどうなのよ?という話もあります。

  • セラミックコンデンサ→振動で寿命に悪影響が出ない程度に低減させる必要がある。
  • フィルムコンデンサ→内部構造が破綻しない程度に低減する必要がある。
  • タンタルコンデンサ→できるだけ流さない。特に高周波は厳禁。(銀が移動して短絡故障)

など、基本的に大電流を流してはいけません

こういう基本的に流してはいけない。という事項が分かっていない設計されている方が多く、現実には市場不良という形で会社の信用を大きく低下させてくれる方々が多数いらっしゃいます。
特に最近は共振(という名の狂信)コンバータを設計されている方が多く、そこで用いられるコンデンサにはフィルムコンデンサを用いることが多いのですが、その定格電流という概念を卓越した斜め上の設計をされるパターンが多々あります。

今日はそのフィルムコンデンサの設計ミスの代表例を紹介します。
先日の半田クラックでも有名になった某P社の設計例です。




最近安定器の故障=P社がダントツに多いです(涙

ね?ものの見事に破裂してるでしょ?
普通フィルムコンデンサには自己修復機能があり、短絡破損したらその箇所の伝導体(金属箔)が消失し、短絡故障を修復します。
しかし、温度が高い、加熱されている、非常な高負荷など度を越えると破裂にいたります。
フィルムコンデンサはESRも低く、セラミックみたいに圧電効果も低く振動しないので、よく用いられますが、構造上の都合において定格電流はそんなに高くありません

コンデンサは適材適所で正しく使いましょう。
種類が多いということは、それなりに用途があり、すべて別の特性を持っています。
目的を達成するために必要なのは、電圧と容量、インピーダンスというだけの様な単純な話ではありません
それぞれに得意不得意があり、それぞれを補完する形で配置配線しなければ、思っている通りの設計効果は得られないのです。
安易に種類やメーカを限定して使おうとすると、手痛いしっぺ返しが待っていますよ?

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2014年10月5日日曜日

機械状態監視診断技術者コミュニティに参加してきました

『状態監視振動診断技術者コミュニティ 第6回ミーティング』に参加してきました。
電気電子部門の技術士なのに、関係あるの?なんていう方が居られるかも知れません。
それを言ってしまえば、『日本機械学会 M&M2013材料力学カンファレンス』講演と言う名の下に好き勝手なお喋りさせて頂いたのも、あまり関係がないのかもしれません。

さて、冗談はさておき本題。
私がこういう所に出しゃばっているのにはそれなりの理由がありまして、
“昨今の無鉛はんだ化の影響で、部品寿命よりもはんだ割れによる寿命のほうが先に来てしまっている”
という事実があります。
特に

  • 家電のON/OFFによるヒートサイクルでの損傷
  • 産業機器での面実装型の小型大容量の積層セラミックコンデンサ+電流による圧電効果での振動
  • 振動の多い産業工作機器・製造装置(ボンダ、マウンタ等)の振動によるはんだ割れ

というのが最近の無鉛はんだ化した状態でも故障の主要要因に挙げられます。

『日本機械学会 M&M2013材料力学カンファレンス』ではその問題が出ていることをお話し、材料力学屋さんの深い知識を持って

  • はんだ付け時にどうしても発生せざるを得ない残留応力の問題解決方法を模索
  • ヒートサイクルによって発生する熱膨張問題への積極的参画のお願い

という内容をできる限り講演に来ていただいた方にお願いする使命感を持って参画させていただきました。

そして今回の『状態監視振動診断技術者コミュニティ 第6回ミーティング』では、振動フリークな方々に、
大型機械だけでなく、局所的な電子基板の振動による破損問題を手伝ってもらいたい
という我侭を通させてもらおうというのが狙いでした。

  • 点で測る計測器ではなく、2次元で計る計測方法の重要性
  • その代表用途の具体的提示
  • ビジネスとしての成立性
  • 学問の世界では販売しているけども、企業が投資できる値段(1000万以下)ではないという事実
  • そして、これらとCADの連携で、一気に寿命が延びて不良が低減されること

という内容を一方的に熱く語らせてもらっています。

まぁ、どう動いても結果は数年後です。
ただ、誰が先に製品を仕上げるかによって、その業界の先駆者が未来永劫優位になる事が約束されます。
2番手で業界で勝とうなんてほぼ無理です。先にやった者勝ちなのはどの業界でも一緒。
先駆者&成功者のブランド力は異常に強いです。

私は、こういうソコソコ市場として間違いない程度の具体的なビジネスにまで落とせますが、先立つ物が何もないので個人事業主ができませんし、会社も立てられません。
借金する勇気もありませんし、最近は貸してもくれませんから、本当に世間に役立つ仕事をしたいと思っている人間には不遇な世の中になったなぁ~と思います。

私は技術も知恵もマネージメントも体力も全てにおいて中途半端者だと思いますし、実際専門の人には勝てるとは思えません
技術士だと言っても、この技術士という資格は現実の技術の荒波と言う世界においては、あくまでも『中レベルの技術者としての合格証』でしかありません。
所謂貰ってからが本番のパスポートと同じです。

では私に何ができるのか?多分、
色々やって来た&ソコソコのレベルまでできるからこそ、一歩先を見た手駒の進めができる
ぐらいだと思います。
随分前から色々やらさせてもらっていますが、凡そ外れなく手を動かせるようになりました。
私はこの能力を使ってご近所の平和ぐらいは守れるように社会貢献してゆこうと思います。
古来の日本人のように、そのうちネタを貰っていただいた誰かが感謝して仕事をくれることを願いつつ…。

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2014年10月3日金曜日

失われた○○年と言う幻想

最近よく耳にする『失われた○○年』と言う幻想は、もう言わない方が良いのではないかと思う。
失うも何も、事の発端は1980年代のバブル景気と言われる働きもしないで金をもらった幻想の付けである。
かけがえのない時間を今も失われ続けているし、バブル以降ずっと付けを払い続けている現実を直視すべきである。
働いていたという人もいるかもしれない
(実際、実の父は死ぬ直前まで追い込まれるまでに激務を強いられた)
しかし、働かないで金を貰おうとしていたのが多数派であった事実は否めようがない。

働いた振りでお金を貰うことで、実質的な成長が著しく鈍化
そして、その結果まともに仕事をできなくなった世代が不景気で経済を支配しだした。
今でも尚、自分と同じく今まで仕事をしてきた振りの道を強要し、実質的な生産性に目を向ける中間層(マネージメント層)が不足
その代表例が
『義務と報酬が極端に合わない現実(=生活不可能な水準)』
として、世に表沙汰になっている。
政府が限界に近い景気対策をして会社は利益がでても、個人の給与が上がらずに物価上昇ではどうしようもない。
日本はGDPの8割を国内消費で賄っている。結局は個人が多少裕福にならない限りは、すぐに景気は停滞するのだ。

バブル景気の仕出かした悪行と言えば、他にも

  • 金だけの取引に成り下がった経済のおかげで、今までのサービス付価値が衰退
  • 古来からの飲食業が廃れ、ファーストフードに近い金だけの取引で飲食を買う習慣が台頭
  • マンションの過剰な斡旋と、核家族化の誘致
  • 結果、局所地域経済が廃れ、個の連携が荒廃
  • 無価値な土地の高騰化
  • 子供への教育に対する無関心化による、現在のモンスター育成事業

等々、枚挙にいとまいが無い。
これらの悪行の数々の付けをたった10年や、20年程度で直せるとでも思っているのであろうか?
江戸時代ですら戦国時代の尾を引いて、世が安定し始めるまでに10世代近くかかった。
明治初期の外交失敗(というよりは○○維新とか言うふざけた連中の悪行かもしれない)も、昭和中期まで引きずった。
重症患者と呼べる今の日本が、そんなにたやすく直るとはとても思えない。
今も付けを払い続けているし、これからも払い続ける
そして自分が見ることのできない孫の孫ぐらいの世代で、初めて安定したまともな生活になるように、今から手を加え続ける。
そう言う地道な考えをしようという考えが必要ではないのだろうか?

女性上位のサブカル的トレンディードラマ世代に対しても、現政権で行おうとしているひどい仕打ちまでしなくとも、
“恋や結婚は戦争なんだ、良い相手は女性から本気で奪いに行かなければ、外れしか残っている訳がないと言う事実を突きつけ、脱落したら一生独身で誰も相手にしなくなる”
そのありのままの現実を突きつけ以上のことをする必要はないように思う。
余りに惨い結果が浮かんできてならない。
某映画でも『ありのままの姿を見せるのよ!』とか言ってませんでしたっけ?

実際、女性問題・経済問題ともに、まともではない思想の人を沙汰して、まともな考えの人だけ生き残らせようとしているのはよく見えるのだが、そこから必至に生き延びようとする銭ゲバ連中から被害を被る人が多すぎて泣けてくるのである。
もう少しやりようがなかったのか?
そう思いつつも、民主党政権の3年でその余地が潰れたのだし、自ら進んで修羅の道を選んだのは間違いなく国民の多数派なんだと猛省せざるを得ない。
(勿論、私は全力で反対して麻生氏を応援していたが…)

いつまで続くのか?この経済地獄と経済戦争、そして中東で頻発する先進国の代理戦争
緩いだけに延々と続きそうな気がする。
物理的な終わりの見える実働の戦争の方がよっぽどマシなのかも知れないなんて思う今日この頃。

『失われた○○年』とか妄言を放つ人は、もう少し周りを見て欲しい。
“失われた”ではない、これからも“失い続けなければならない”のだ。
その現実から目を逸らさないで欲しいし、その問題を直視して前向きに余生を生きていただきたい。

そしてできることならば、後世のために少しでも労働で先代の罪を償っていただきたい。
貴方は悪いことをしていないかも知れませんが、先代には大犯罪をした者が居ます。
しかし、残念な事に実際の罪を精算できる方法は、労働という原始的な方法のみです。
そのような大罪を犯した先代は大凡が痴呆のキチガイで、労働をすると負の精算しかできません。状況を悪化させます。
結果、労働による罪の精算はまともな先代か、我々~後の世代にしかできません。

その事実と現実を受け止め、少しでも前向きに尽力していただけることを願います。
ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。