2021年9月30日木曜日

ラズペリーパイ(Raspberry Pi)にやたらこだわると足元をすくわれる

おはようございました。

最近EMCがらみの求人が多く、それがもろ車系で愛知か横浜限定という何ともな内容に、鳥取ではダメですか?

なんも無いので自然のオープンサイトですよ?

と哀しくなる今日この頃です。

さて、EMCの話が出てきたところでふと思い出した事があります。

題目にもあるアプリ側のソフト屋さんが一気に組み込みもこなせる原因にもなった『ラズベリーパイ』の話です。

そのマーケティングの上手さや、当時安価に性能が得られるCPUをうまく活用したことなどで一気に

『組み込みLinuxを手軽にやるならコレ!』

と定番化したRaspberry Piですが、いくつかソフト担当側が気づかない大きな落とし穴があることをご存じでしょうか?


ソフト系の人だけでなく、電子回路系の人であっても周辺技術を知ろうとしない人は

『ラズベリーパイがあるのに何でハード作るの?馬鹿じゃないの?』

という話をよくしておられます。


そのラズベリーパイが抱えている問題のなかで致命的なものの一つに放射ノイズ問題(+ノイズ感受性の高さによる誤動作問題)ってのがあります。

ちなみに放射しやすいってことは受けやすいことと同義語でもあります。


世間様は無関心の電磁波障害、EMC、無線関係の話ですが、昨今のなんでも無線化の世の中では非常に重要な問題になってきます。


この問題について、製品化するにあたってEMCやVCCIって言葉を最低限知ってるのか?がとても重要になります。

皆さんご存じの“自主規制という名のガチ規制”です。民生品であれば電安法を通せなくなります。

輸出なんて論外、あっちは自主じゃなくてガチの法規制ですからね?



ラズベリーパイがプラスチックのケースに実装されている場合や、特段放射ノイズに対する対策を施していない場合において、一般的な構成要素を採用すると、ほぼ間違いなくVCCIの規制値は(Class Aであっても)通ることがギリギリ困難です。

一般状態(家や公共)での使用条件は普通はClass Bで通しますから、まずClass Aが通るレベルにまで抑えたうえで、そこからさらに-10dB落とさねばなりません。

ノイズ担当者としては結構きつい要求であります。


『え?標準についてるCE認証は?』

と突っ込みが入ると思われますが、ソフトやハード構成変えたらノイズへの影響が変わるというのが技術的な知見からすれば当たり前のことなのです。

CPU負荷の殆ど無いソフトならノイズがないのは当たり前だったりします。

そう、ソフトやハードの構成を変えた後では再度VCCIなりCISPRなりの規格を参照し、プリコンプライアンステスト→コンプライアンステストをしなければ、販売していたら後々痛い目にあいます。

ソフトを変えたらコンプライアンステストを実施する(大人の事情でしてない場合でもこっそりプリコンプライアンステストぐらいはする)というのが電子機器関連の業界では当然に行うべき作業の一つなのです。


それを知らずしてハード設計(むしろこっちが主力)のできるソフト屋や機器メーカーたちにひたすらマウントとってくるよくわかっていない連中(主に純粋なアプリ系だけしかやったことのないソフト屋か、技術を知ろうとしない経営者)の多いこと…(涙

おまけに、こういうマウント取ってくる輩はUSBフラッシュメモリやマイクロSDカードの耐久性問題とかも完全無視で、こっちの言うことなんて全く耳を貸そうともしませんもんね…。

こっちはガチで産機用ハード設計しながらOS移植までついでにやってんだ!あんたはOSの上の話しか殆どできないないだろうが!話ぐらい聞いてくれてもいいだろう!!と思うこともしばしば…

…おっと…話が逸れました。ノイズの問題に戻します…



ラズベリーパイのEMC問題についてはどなたかが試しにやってみたものをこっそりサンプルで公開してくださっていますが、300MHz付近のノイズは某業界のリモコン周りで使用している周波数帯ですし、304MHz付近にもRFIDが居たりします。

普通に地デジの周波数帯や公共の無線、緊急無線帯に至るまでいい感じに出てますし、より高い方なんか酷いですよね…生(プラスチックケース含む)の状態では決して外に出せないことが如実にわかります。


顧客にうっかり通信障害(ビットレートエラーが多い、重くなった)が起きるな…なんでだろ?なんて思われてます。

運悪く?私のようにそれなりに知見があって、プリコンプライアンスできそうな一式持ちながら

クソ設計だ!m9(^Д^)プギャー

するのが趣味の人間だったりすれば、公開処刑がもれなく実行されます。

まぁ、それなら精々ネタにされるだけですから可愛いもので、うっかり始末の悪いほうのハム野郎に当たった日なんか確実に追い詰められます。そういう周波数帯が出ているんですよ?


さて、ここからわかることはラズベリーパイは産業用途としては使えないこともあるということです。



ですから、選択肢が1個しかないという状況は非常に危険

だからあえて言わせてもらおう、手段の数は1じゃなくて2にすれば問題ない!と…。

そんなわけで、手持ちの選択肢(カード)は常に複数用意しておきましょう。

どのような業界においても、たとえそれが販売であったとしても、1つしかないという状態での1という数字は忌み嫌うべき数字です。



企業・販売元・開発元として組み込みLinuxのプラットフォーム

(というよりはネットワークに接続しやすい何らかの組み込み機器)

が必要であり、そのプラットフォームを用いて開発するのであれば、

ラズベリーパイだけでなく、別の手段も用意することが望ましいですよ?

ハード寄りな所を解消してくれるエンジニアが居れば、世間様で売られている組み込みボードに大差はありません。



私はハードで処理できるところはできるだけハードで処理してソフト作る側に楽してもらいたい(というか、こうすると無用な争いが起きない)ので、とりあえずXilinxのZYNQあたりで妥協させてもらいます。

そう、ZYNQにLINUX乗せたがるのは『ラズパイだと(販売できなくて)やばいから』という側面もあることをお忘れなく…。

もちろんラズベリーパイ自体が産機としてのハード的な耐久性や信頼性という面でもいろいろ問題のある商品でありますが…。


ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2021年9月11日土曜日

自分の収入が下がってないからとはいっても、日本の総貧困層化は止まってません

 おはようございました。

技術士会での講演で太陽光発電ネタを扱う際、政商と失政と失敗しない代替手法の具体例を提示してるのだけど、凡その場合に『政治批判をするな!』とキレる聴講者がおられます。

今年の頭にもその手の啓発を投稿したら切れられて原稿が没になったのですが、それはおいおい公開することとします。


さて、講演では特定の団体・宗派・政党の支援をしてないし、悪いところは等しく批判してあげています。
具体的な問題点と、どうすればよかったのか?というところまで明確に指摘しているにもかかわらずです。

30年間批判者側の言うところの価値観で政治を動かしてきたから日本が貧困化した。
それが政商をはびこらせる原因にもなったし、今も平蔵やアトキンソンや金丸、電通といった中抜きを生業とした企業に食い物にされている。
だからこそ主権を持つ1個人として主権者として政治にも目を向けないといけないことを示さねばならない。

長期的な行政問題という広い時間領域でのPDCAサイクルとも言える基本的課題であることを扱え無くなったのだとしたら、残念なエンジニアですらない人間になってしまったんだなぁ~と諦めねばならない。

日本全体が貧困化してはいるが、批判する当人は何も貧しくなる訳もなく、所得もいう程減っていない。その分、賃金の上昇率低下という形で割を食っているおじさん連中や若者が極度な貧困化している現実なんて見ようともしない。

特に今の若者が貧困化(6人に1人というレベル)が相当まずい状況にあることすら理解しようとしないのであれば、その人の頭の中はバブル期止まりだし、国際競争力の低下は若者がー!!で片付けているのです。

バブル期とは比較にならない程生産能が上がってる(情報化・自動化等)のに給与が上がらん原因って、こう言う止まった人の食い扶持補填でもあるんですけどねぇ~。

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2021年9月8日水曜日

知らなければどうということはない(『 当たらなければどうということはない』ではない)現実を受け止めよ!

おはようございました。

最近はひたすら個人的なお遊び的駄文を散々書いておりましたが、今日はちょっと毛色の変わった話。


本来ならリコール隠し事件と称される結構な問題なのですが、当の本人たちが気づいていないという残念なとある企業の話です。

予め言っておきますが、このような話は日本の企業内では普遍的に存在します。この企業だけの問題ではないことを十分認識ください。

あと、このブログの表題にあるように『ここに書いてあることは私の妄想であって、現実とはあまり関係がないかもしれません』大事なこと何で2回言っておきました。


さて、今回話題にする企業の話は、現実に存在する製品の問題はどの様に表沙汰にならないのか?という話です。

この組織ではある製品が市場に出して暫くした頃に、製品付属の固定治具の溶接部品の強度が不足しているのではないか?という顧客からの問題指摘がありました。


その企業の開発担当部隊では役職の面々が集まって大騒ぎ。

指摘された問題点で見た目に分かりやすい溶接部分に対してのみ粗捜しとも言える程の集中砲火をし続けておりました。


しかしながら本質的な問題はそこではないわけで、

『本体が異様に変形することによって、固定治具の溶接部品に力がかかり溶接部が剥がれ落ちた』

という点です。落ちた溶接部は軽く固定する程度の溶接しかされていない箇所です。ここに荷重をかけようとか考えるほうがおかしい構造です。

ですが、全員がこの明確におかしい問題点については知らない顔して会議を進めておりました。


顧客から『リンク周辺の部分が1度使っただけで変形した』という言葉とその時の動画・写真入りの資料提出があったのにもかかわらずです。しかもこの問題は数回目という罠…。


遠めに見ていた私が『そういえば初見からアレの強度は明らかにヤバかったよなぁ~』と思い出し、概算の最大想定荷重の計算をしてみると、肝心の変形している箇所での動荷重の最悪値においては3000MPa程度は欲しいとオーダー計算ができました。

 ※ そこそこ現物を見てきた人間であれば初見でわかる程度のヤバさです。

この個所はリンク構造の部分なのですが、明らかに細すぎ小さすぎですね。

製品で実際に使われている金属はアルミ系の材料で精々200MPaそこそこまでで抑える必要があります。アルミであれば耐力や引張強度については十分余裕を持たさねば寿命という点で間違いなく危険です。アルミは微小な変形ですら寿命に大きく影響するのは言わずと知れた事実(のはず)なのです。

ちなみに静荷重ならOKという計算書が出ていましたが、耐力的にも規格値を十分に超えてしまっている訳で、静荷重であっても十分な永久ひずみが発生する計算になります。

実運用上はパンフレットでは『もっと荷重かけられますよ』的なアピールをされておられるので、たとえ静荷重であっても実際にはより荷重がかかる場面もあるわけです。下手すりゃあ運用中にボキッ!と逝きます。

ですから、何を根拠にこの計算内容と結果・設計根拠で良しとしたのか?が問われる内容となっているわけです。

個人的には『動いている相手に静荷重で検討するなよ…相手は暴れてんだから、せめて想定できる程度の衝撃荷重ぐらい入れろよ』と思うわけですが…。


つまり、根本的に設計上の強度不足という問題が露見していた(しかも明確に設計書で静荷重しか配慮していないという事実を残していた上に、耐力を超える静荷重でもOKで変形を良しとしていた事実を書いている)のです。

一度変形すればガタつきが起きますから、今回の用途では衝撃荷重が加わることは必至になる状況です。

ですので、想定している静荷重が引張強度は越えないものの、耐力を超えていた時点で1回きりの使い捨て用品になることを示している訳ですが、実際はそういった使い捨ては想定されていない製品です。

しかし、当の役職様方々は技術系部署の役職にもかかわらず、図面見ない&オーダー計算すらできない程度のなんちゃってマネージャーな状態です。

しかもこの問題は製品の完成に辺り関連部署ともやり取りしている訳ですから、担当部署だけではなく組織として全体。品質管理を含めた全社的な問題という有様で…。

※ この組織においては別件で検証結果の報告書を提出した時も図と絵と説明入りで、順番に読めばそこそこの素人ですら理解できる程度に落として優しく書いたつもりであった報告書ですら、『面倒くさいから読まない!』とそのままゴミ箱に直行した上司もいました。

この開発部隊の役職な方々の免罪符としては、

『メーカーの強度計算書でOK!いうてたもんッ!』

とか言い出すのでしょうが、試作納期と目先の成果欲しさに計算根拠に踏み込んでない(耐力超えてるけど?動荷重は?)という時点で、リコール案件ですよ?と…まさにコレ。



技術士なら止めろよ!と突っ込まれるかもしれませんが、当時の私は遠目にちらっと見た程度の部外者ですし、この組織は上司の顔色こそ全てというような組織ですし、口を出した瞬間何されるか分かったものじゃありません

まぁ、それに何かあったとしても重症には至らない道具ですから、自分の身の安全の方が優先されます。

生きて、生活できて、少しだけ余裕ができて、初めて倫理を語れるのですから、口を出すことすらままならない立場にあるのです。

それに、この組織に来てからは散々進言・苦言を呈してきましたが、過去に私の意見が通った例は過一度もありません。何かしら気に食わないと判断されると急ぎの数千円程度の物品購入で数か月待たされるという嫌がらせを受けるので、結局間に合わなくなって私費で何とか処理せざるを得なくなるという、遠回しにガンガン個人の資金力・耐力を削ってくる組織なのです。


因みにですが、知能の側面ではどのぐらい残念な組織かというと、過去にデータシートから明確に推測される問題(こいつは使い物にならないレベル)について進言したことがあるのですが、本人推薦の大好きな業者?だったらしく

『データシートに載っていることなんて、正しいとは限らないだろ!実際に実験したデータを出せ!』

こんなことを言い始めて、平気でプロジェクト全体を数か月止めるような組織体制です。

本人は予想通りの結果に半ギレでしたが、その翌月には

『何でこんなにプロジェクト遅れてんの?』

『何でデータシートに書いてあることを検証するような真似をしたの?』

と言い始る程度の残念な方々です。

(ちなみに組織の長なので、私がその方面の技術士で過去の職歴もその方面の知識もそこそこ豊富であることは知っているはずです。)

そんな訳で、この組織では私のようなガチンコ系変ジニアは最下位の人員なのです。

現代のように格差拡大信仰を推進し続けて上司(年間で数万円/月給与が上がったバブル期世代)と平(年間で数千円/月上がれば御の字)との差が余りにも大きくなり、毎年のように税をガンガン上げて使えるお金を減らしてくるような世知辛くなった日本で生きるためには、まず食うための身銭を稼がねばなりません。


さて話を戻しますが、このリコールにすら該当されるべき問題は

『たまたま溶接の品質が悪かっただけだろう』

『顧客の使い方が悪いんだ、もっと丁寧に扱うように指導せねばならないッ!キリッ!!』

という程度の認識しか生まれず、先送りという形で闇に葬られる運びとなりました…。


この事例は、どこの自動車会社やねん!と突っ込みを入れたくなりそうな様相ですが、世間の企業様で行き遅れが支配する開発部隊のレベルというのはだいたいこんなもんです。

ひたすら他人下げで相対的にのし上がった何も知らんド素人レベルの人材が、マネージャーと称して投入され、業者や部下にマウントとって毎日が過ぎてゆきます。そして部下には使わせないお金をドブにバンバン捨てながら、自分でも何かよく分からないものを成果物として会社で計上し、成果が出たから昇進と称して他部署に流れてゆくのです。

結果、組織に技術なんて残りませんし、中にいる人には技術の蓄積はできません。他社に頼んだ成果物は開発費が高い割には中身はブラックボックス。資料も何もありませんから、業者と取引がなくなればただのゴミとなります。

つい先日のみずほが似たようなことやってましたよね?

こうして開発部隊と称しながら、札束でマウントとる以外何もできない軟弱組織だけが残る結果となりました。


こんな有様が常態化しなければ日本の国際競争力がここまで低下することもありませんでした。

今の日本国内産業では大したものが作れない国にまで落ちぶれている現実から逃げてはなりません。ここ20年のもう成長しなくていいじゃないか路線のおかげで完全にお隣の国と日本の技術的能力水準・経済的立場は逆転しました。技術は生もので、黙っていれば陳腐化して競争力がなくなります。技術水準を守るためには付加価値を上げる以外の手はないのです。

今の日本は発展途上国並みなのです。

その事実から目をそらしてはなりません。



この一連の流れからわかることは、組織に属す人間にとっての本質が、

『リコール隠し云々以前に、問題であることを認識しなければ、どうってことはない』

という程度まで堕落しているということです。


社会活動における倫理的問題については、コンプライアンス!と叫ぶ経営層側の問題が主要因あって、技術士程度も取れないような連中が技術的なマネージメント役職ついているという、どう考えても頭のおかしい経営側の人選にあることが多いように思います。


確かに会社には屑な平社員が存在しますが、屑な平社員が会社において実行できる反社会的や非倫理的行動なんてたかが知れていますし、会社組織を通して社会に迷惑をかけるような事象があれば、上司が止められる組織体制・教育体制でなければなりません。今回のような件では明らかに組織側が推進者なのです。


技術職って何の仕事ですか?技術職のマネージメントって何ですか?

もう一度あなたの会社の組織体制を考えてみましょう。

SDGsや環境問題、人権問題、性差別問題などもそうですが、こんな一見響きのよさげなキャッチコピーの声をあげる人ほどその問題を発生させている根本原因であるという現実に気づかねばなりません。

我々は正しく検証を行い、より良い物事の判断基準を自らが律せねばならない立場にあります。


しかし私はマネージメントの経験があっても、あくまでも今は超絶平社員。

組織には属していますが、技術士としての仕事にすら携わることを許されない干された窓際族的立場なのです。

このような組織的な問題からはちょっと離れながら

m9(^Д^)プギャー

しつつ、毎日ネタができた!酒がうまいッ!!と人生を楽しむ材料にさせていただきます。

嫌なストレス溜めないで健康的な暮らしをする最大の秘訣は、バカの相手はしないことです。

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。