2021年9月8日水曜日

知らなければどうということはない(『 当たらなければどうということはない』ではない)現実を受け止めよ!

おはようございました。

最近はひたすら個人的なお遊び的駄文を散々書いておりましたが、今日はちょっと毛色の変わった話。


本来ならリコール隠し事件と称される結構な問題なのですが、当の本人たちが気づいていないという残念なとある企業の話です。

予め言っておきますが、このような話は日本の企業内では普遍的に存在します。この企業だけの問題ではないことを十分認識ください。

あと、このブログの表題にあるように『ここに書いてあることは私の妄想であって、現実とはあまり関係がないかもしれません』大事なこと何で2回言っておきました。


さて、今回話題にする企業の話は、現実に存在する製品の問題はどの様に表沙汰にならないのか?という話です。

この組織ではある製品が市場に出して暫くした頃に、製品付属の固定治具の溶接部品の強度が不足しているのではないか?という顧客からの問題指摘がありました。


その企業の開発担当部隊では役職の面々が集まって大騒ぎ。

指摘された問題点で見た目に分かりやすい溶接部分に対してのみ粗捜しとも言える程の集中砲火をし続けておりました。


しかしながら本質的な問題はそこではないわけで、

『本体が異様に変形することによって、固定治具の溶接部品に力がかかり溶接部が剥がれ落ちた』

という点です。落ちた溶接部は軽く固定する程度の溶接しかされていない箇所です。ここに荷重をかけようとか考えるほうがおかしい構造です。

ですが、全員がこの明確におかしい問題点については知らない顔して会議を進めておりました。


顧客から『リンク周辺の部分が1度使っただけで変形した』という言葉とその時の動画・写真入りの資料提出があったのにもかかわらずです。しかもこの問題は数回目という罠…。


遠めに見ていた私が『そういえば初見からアレの強度は明らかにヤバかったよなぁ~』と思い出し、概算の最大想定荷重の計算をしてみると、肝心の変形している箇所での動荷重の最悪値においては3000MPa程度は欲しいとオーダー計算ができました。

 ※ そこそこ現物を見てきた人間であれば初見でわかる程度のヤバさです。

この個所はリンク構造の部分なのですが、明らかに細すぎ小さすぎですね。

製品で実際に使われている金属はアルミ系の材料で精々200MPaそこそこまでで抑える必要があります。アルミであれば耐力や引張強度については十分余裕を持たさねば寿命という点で間違いなく危険です。アルミは微小な変形ですら寿命に大きく影響するのは言わずと知れた事実(のはず)なのです。

ちなみに静荷重ならOKという計算書が出ていましたが、耐力的にも規格値を十分に超えてしまっている訳で、静荷重であっても十分な永久ひずみが発生する計算になります。

実運用上はパンフレットでは『もっと荷重かけられますよ』的なアピールをされておられるので、たとえ静荷重であっても実際にはより荷重がかかる場面もあるわけです。下手すりゃあ運用中にボキッ!と逝きます。

ですから、何を根拠にこの計算内容と結果・設計根拠で良しとしたのか?が問われる内容となっているわけです。

個人的には『動いている相手に静荷重で検討するなよ…相手は暴れてんだから、せめて想定できる程度の衝撃荷重ぐらい入れろよ』と思うわけですが…。


つまり、根本的に設計上の強度不足という問題が露見していた(しかも明確に設計書で静荷重しか配慮していないという事実を残していた上に、耐力を超える静荷重でもOKで変形を良しとしていた事実を書いている)のです。

一度変形すればガタつきが起きますから、今回の用途では衝撃荷重が加わることは必至になる状況です。

ですので、想定している静荷重が引張強度は越えないものの、耐力を超えていた時点で1回きりの使い捨て用品になることを示している訳ですが、実際はそういった使い捨ては想定されていない製品です。

しかし、当の役職様方々は技術系部署の役職にもかかわらず、図面見ない&オーダー計算すらできない程度のなんちゃってマネージャーな状態です。

しかもこの問題は製品の完成に辺り関連部署ともやり取りしている訳ですから、担当部署だけではなく組織として全体。品質管理を含めた全社的な問題という有様で…。

※ この組織においては別件で検証結果の報告書を提出した時も図と絵と説明入りで、順番に読めばそこそこの素人ですら理解できる程度に落として優しく書いたつもりであった報告書ですら、『面倒くさいから読まない!』とそのままゴミ箱に直行した上司もいました。

この開発部隊の役職な方々の免罪符としては、

『メーカーの強度計算書でOK!いうてたもんッ!』

とか言い出すのでしょうが、試作納期と目先の成果欲しさに計算根拠に踏み込んでない(耐力超えてるけど?動荷重は?)という時点で、リコール案件ですよ?と…まさにコレ。



技術士なら止めろよ!と突っ込まれるかもしれませんが、当時の私は遠目にちらっと見た程度の部外者ですし、この組織は上司の顔色こそ全てというような組織ですし、口を出した瞬間何されるか分かったものじゃありません

まぁ、それに何かあったとしても重症には至らない道具ですから、自分の身の安全の方が優先されます。

生きて、生活できて、少しだけ余裕ができて、初めて倫理を語れるのですから、口を出すことすらままならない立場にあるのです。

それに、この組織に来てからは散々進言・苦言を呈してきましたが、過去に私の意見が通った例は過一度もありません。何かしら気に食わないと判断されると急ぎの数千円程度の物品購入で数か月待たされるという嫌がらせを受けるので、結局間に合わなくなって私費で何とか処理せざるを得なくなるという、遠回しにガンガン個人の資金力・耐力を削ってくる組織なのです。


因みにですが、知能の側面ではどのぐらい残念な組織かというと、過去にデータシートから明確に推測される問題(こいつは使い物にならないレベル)について進言したことがあるのですが、本人推薦の大好きな業者?だったらしく

『データシートに載っていることなんて、正しいとは限らないだろ!実際に実験したデータを出せ!』

こんなことを言い始めて、平気でプロジェクト全体を数か月止めるような組織体制です。

本人は予想通りの結果に半ギレでしたが、その翌月には

『何でこんなにプロジェクト遅れてんの?』

『何でデータシートに書いてあることを検証するような真似をしたの?』

と言い始る程度の残念な方々です。

(ちなみに組織の長なので、私がその方面の技術士で過去の職歴もその方面の知識もそこそこ豊富であることは知っているはずです。)

そんな訳で、この組織では私のようなガチンコ系変ジニアは最下位の人員なのです。

現代のように格差拡大信仰を推進し続けて上司(年間で数万円/月給与が上がったバブル期世代)と平(年間で数千円/月上がれば御の字)との差が余りにも大きくなり、毎年のように税をガンガン上げて使えるお金を減らしてくるような世知辛くなった日本で生きるためには、まず食うための身銭を稼がねばなりません。


さて話を戻しますが、このリコールにすら該当されるべき問題は

『たまたま溶接の品質が悪かっただけだろう』

『顧客の使い方が悪いんだ、もっと丁寧に扱うように指導せねばならないッ!キリッ!!』

という程度の認識しか生まれず、先送りという形で闇に葬られる運びとなりました…。


この事例は、どこの自動車会社やねん!と突っ込みを入れたくなりそうな様相ですが、世間の企業様で行き遅れが支配する開発部隊のレベルというのはだいたいこんなもんです。

ひたすら他人下げで相対的にのし上がった何も知らんド素人レベルの人材が、マネージャーと称して投入され、業者や部下にマウントとって毎日が過ぎてゆきます。そして部下には使わせないお金をドブにバンバン捨てながら、自分でも何かよく分からないものを成果物として会社で計上し、成果が出たから昇進と称して他部署に流れてゆくのです。

結果、組織に技術なんて残りませんし、中にいる人には技術の蓄積はできません。他社に頼んだ成果物は開発費が高い割には中身はブラックボックス。資料も何もありませんから、業者と取引がなくなればただのゴミとなります。

つい先日のみずほが似たようなことやってましたよね?

こうして開発部隊と称しながら、札束でマウントとる以外何もできない軟弱組織だけが残る結果となりました。


こんな有様が常態化しなければ日本の国際競争力がここまで低下することもありませんでした。

今の日本国内産業では大したものが作れない国にまで落ちぶれている現実から逃げてはなりません。ここ20年のもう成長しなくていいじゃないか路線のおかげで完全にお隣の国と日本の技術的能力水準・経済的立場は逆転しました。技術は生もので、黙っていれば陳腐化して競争力がなくなります。技術水準を守るためには付加価値を上げる以外の手はないのです。

今の日本は発展途上国並みなのです。

その事実から目をそらしてはなりません。



この一連の流れからわかることは、組織に属す人間にとっての本質が、

『リコール隠し云々以前に、問題であることを認識しなければ、どうってことはない』

という程度まで堕落しているということです。


社会活動における倫理的問題については、コンプライアンス!と叫ぶ経営層側の問題が主要因あって、技術士程度も取れないような連中が技術的なマネージメント役職ついているという、どう考えても頭のおかしい経営側の人選にあることが多いように思います。


確かに会社には屑な平社員が存在しますが、屑な平社員が会社において実行できる反社会的や非倫理的行動なんてたかが知れていますし、会社組織を通して社会に迷惑をかけるような事象があれば、上司が止められる組織体制・教育体制でなければなりません。今回のような件では明らかに組織側が推進者なのです。


技術職って何の仕事ですか?技術職のマネージメントって何ですか?

もう一度あなたの会社の組織体制を考えてみましょう。

SDGsや環境問題、人権問題、性差別問題などもそうですが、こんな一見響きのよさげなキャッチコピーの声をあげる人ほどその問題を発生させている根本原因であるという現実に気づかねばなりません。

我々は正しく検証を行い、より良い物事の判断基準を自らが律せねばならない立場にあります。


しかし私はマネージメントの経験があっても、あくまでも今は超絶平社員。

組織には属していますが、技術士としての仕事にすら携わることを許されない干された窓際族的立場なのです。

このような組織的な問題からはちょっと離れながら

m9(^Д^)プギャー

しつつ、毎日ネタができた!酒がうまいッ!!と人生を楽しむ材料にさせていただきます。

嫌なストレス溜めないで健康的な暮らしをする最大の秘訣は、バカの相手はしないことです。

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

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