2019年11月4日月曜日

HP3563Aのディスプレイを直すはずが、まさかの基板修理までしてしまう件

おはようございました。
最近色々と技術士会関連で忙しかったのですが、少しだけ時間ができましたので、溜まっている問題を少しづつ片付けようと思った次第です。

さて、我が家においてある周波数特性測定装置のHP3562Aの表示基板が怪しくなり、その代替にとうっかり購入してしまったHP3563Aですが、電源を入れても画面の表示が出ないという問題にぶつかりました。
『大枚叩いたのに、これじゃぁ予備にならねぇじゃん!』
という事で、
どうせヒューズあたりだろう、ヒューズ変えるなら分解が必要だなぁ~。
どうせやるならもっと綺麗なLCD化もしてしまおう!
なんて、タダでは起きない行動を起こしてしまったのですが、よくよく原因を探してみると色々な問題にぶち当たりました。

さて、あとで分かった問題はさておき、まずはLCDへの換装。
HP3562AやHP3563Aの換装用LCD化ディスプレイキットについて、こちらのwebでキットを販売されている方がおられました。
http://simmconnlabscom.ipage.com/home.html/
ebayで買えるようです。
https://www.ebay.co.uk/itm/133004053720
これを知るまでは自作してしまおうか?とか余ったFPGA基板の利用先を考えていたのですが、大変ありがたい話です。
少々手間が掛かりますが、その気になれば外部ディスプレイへの出力もできます。
これはそのうち実行してみようと思います。
その他様々な旧型の装置類に使えるものを販売されておられますので、自宅に色々な中古測定器をお持ちの方は参考にされてみてはいかがでしょうか?

私の場合、注文から10日ほどで届きました。
到着したら開封確認と、対象の準備です。
時は既に夕方でしたが、この手の作業は楽しくて、寝る時間なんて不要です。
と言いながら、すぐに換装自体は終わったのですが…。
では初めにマニュアルに従って上側のふたを開け、ディスプレイ調整用のボリュームが止まっているネジを外します。


上側のふたを開けたら、CRTの収まっている上蓋を外し、接続されている2線のコネクタ、フラットケーブル、電源コネクタ類を外してゆきます。
 正面上部のプラスチックカバーを外してネジを二か所外します。
 側面は粘着テープで止まっています。剥がしてネジを2か所外します。
 綺麗に取れました。
表面のカバーは再利用しますので、上面と側面のネジを外してLCDに移植します。
その際、明るさ調整のボリュームも一緒に移植する必要がありますから、忘れないようにしましょう。
無事移植ができました。本体側に制御基板の取り付けを行います。
まずはパネル側を取り付けます。
次に基板側を取り付け、ディスプレイを固定していた2本のネジで上側から止めます。
1番ピンの位置を確認しながらコネクタ類を接続し、X→R、Y→G、Z→B、というふうに繋ぎます。表面の輝度調整と裏のフォーカス調整も繋げます。
FFCはそのまま繋げやすい方向で繋げると上下逆になるので、気を付けましょう。
そして、基板の裏に電源ケーブルを差し込みます。調整用のボリュームたちは元の位置に再固定します。

後は逆の手順で組み立てれば完成、ここまでおよそ30分だったのですが…
電源入れてもLCDがつかない!!!
何が起きた?初期不良?壊した?
そこで、HP3562Aで確認すると綺麗に映ります…。
という事で、犯人捜し開始です。
ヒントはこれ、ディスプレイのヒューズ-15Vの1A(中央)が切れていたことです。

で、電源電圧をあたると+15Sの電源が0.6V前後…。
何が起こった?電源基板をあたってみるも成果無し。
特に損傷はありません。
故障解析ついでにコンデンサが若干容量下がっていたので更新。
電源の送電コネクタを外して起動すると、綺麗に+15Sは+15Vが出てました。
じゃあ基板の故障?という事で、基板を一枚一枚当たってゆくと…居ました!


このタンタルの糞野郎がッ!!!(短絡故障)
黄色の丸くて長い奴がタンタルコンデンサです。黒の線が入っている一番大きいのは電解コンデンサ。
タンタルコンデンサは最終的に短絡モードで故障するという曰くつきのコンデンサでして、電解コンデンサの高周波インピーダンス性能が上がり、固体高分子やセラミックの性能が上がった今、よほどの事が無ければ要らなくなった不届き物でございます。
短絡故障時の保護も設計せねばならない面倒臭い輩なので、信者でなければ絶対使わない代物なのです(なんて失礼な…)。
この手の古い物は短絡故障時に安全側で停止してくれますが、最近に設計された機器は設計者に残念な輩が多く、火を噴いて即死や不安全側に暴発になっています。
この問題は設計者の能力の低さを露呈しているのですが、残念な世の中になってしまいましたよね。
ぶっちゃけ、某S○NYの子会社なんか、なんも知らない派遣に丸投げする輩が多く、その輩が優先的に昇進する組織ですもん。そりゃあ売れる商品作れませんって…。
こういう組織は素人が作るマニュアル化ゆえに正しくマニュアル化されてはくれません

という事で、ここを適当なサイズのセラミックコンデンサ(電圧で容量が1/2近くまで落ちるものもあるので要注意)で代用し、元に戻してゆきます。

目先に必要なものは用意できましたが、在庫が無いので今度大量に買って、総交換必至です。
HP3562A側はこの作業完了済みという事だったので、うっかりしてました、

本体裏面のフォーカスが液晶のカラーモード設定になっているので、好みに合わせて起動すると、無事動作が確認できました。

緑一色からカラーになって超見やすい。
これで無事低い周波数領域の測定を再開することができそうです。
後で気づいたのですが…
https://www.eevblog.com/forum/repair/working-through-the-hp-3563a-csa/
あ…海外の投稿サイトに書いてあったわ…。
先人の苦労はしっかり勉強してから作業しましょうね?

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。


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