2014年12月21日日曜日

今度は三菱製のインバータ延命措置に手を出してみた

おはようございました。
今度は結構稼げる技、インバータの延命措置です。
三菱製F700シリーズ
こいつは400V55kWですので、市場流通価格が大凡60万~80万程度
この修理を行うと設置時点から今までの0.5倍の寿命が追加の設計寿命になりますので、1台で30~40万稼げます
わお!1.5か月分の給与じゃないですか!
本当に成果主義だと言い張る会社なら、これで最低半月は働かなくても良いよねぇ~
なんて思いながらこういうのを故障解析しつつ直していると、なぜか目の奥から熱いものがこみ上げてきます

故障解析すると言うことは、設計者の意図を汲み取りつつ
  • 何処を壊れやすくして安全側に設計しているか? 
  • 全体の劣化状況を見極めながら何処まで寿命を引っ張れるか? 
  • この設計時点で設計者の思想としてどの程度の技術能力があるのか? 
  • この生産時点でこの企業をどの程度信用していいのか? 
  • 他所と価格性能比の比較において、どの程度の優位性があるのか?
なんて事を解析することを念頭に入れながら、丁寧にばらしつつ細かく見てゆきます。

こういうことをするのには、相手の技量がわかる以上の能力、可能であれば検図ができる程度の設計能力がなくては話になりません。
私自身は当然のようにそこそこの規模の回路でも0設計から初めて試作は1回で片付けられますし、関係者と交渉しながら0からシステム案を起こすのだって余裕です。
最低限度のソフト設計も最低限度の機械的設計もできるので、どのような形でシステムの構成を練れば楽に組みながらも後々の拡張性を持たす事ができるのか?なんてことは当然のように念頭に入れて設計します。
(ハードの制約の関係でソフト屋が泣きを見る事もあるし、その逆もある。電気と機械とソフトの間の境界を決めるのは非常に難しい作業だったりもする。)
あれ?そんな芸当ができるなら素直に電子系の会社or業務で研究開発職やれるんじゃネェの?
だって?
日本において、転職回数が多いと言うハードルをなめんな!!
信念貫き通して失敗した負け組みの遠吠え(涙

ってな訳で、故障の詳細説明
何のことは無く、劣化物が傷んでその影響で過電流になると言うものです。
自らの保護で停止してくれるから良いのですが、モータは触り難いほど熱くなるわ、いくら電圧下げても実効的な電圧が下がらないわ、結構なお手前です。

そんな訳で、劣化しているところを重点的に部品交換しましょう。
内部電源生成回路周りのフォトカプラとコンデンサ
スイッチングに使うフォトカプラ類、可能であればバイポーラトランジスタも交換
勿論、平滑用の電解コンデンサとFANも交換
電解コンデンサとフォトカプラの交換前
電解コンデンサは殆どが125℃品

電解コンデンサとフォトカプラの交換後
電解コンデンサは勿論125℃品
400Vの電解コンデンサは450V68μFにしました

勿論この電解コンデンサも新品に変えましょう
カスタム品なので詳細仕様が分からず…
私は5600μFの400V品を選びました

今回見つかった一番大きい劣化はマイコンの電源周りの電解コンデンサ。
つまり、電源ノイズがマイコンのアナログ変換結果に悪影響を与え、異常状態を誘発していたようです。
PSRRが今後の課題だとずいぶん前に騒ぎまくっていたのですが、その代表例ともいえます。

さて、今回の産業用インバータの整備、私の個人的な意見としては、
部品選定は悪くないし、そこそこの信頼性もある回路
ですが、
微妙な点も多々あるし、機械的な設計はとても褒められたものではない
です。
あちらこちら充電部が露出して制御端子を触るのが結構危険
だったり、
銅バーにネジのタップ切るってどういう神経しているの?
とか、いくらか思うふしがあります。
東芝がVF-A7だったら東芝を選びますが、東芝はVF-AS1になってから非常に壊れやすい設計になってしまっているし、おまけに修理し難い基板になったため、産業用インバータは富士電機か三菱が鉄板のように思えます。


皆様も、今後の設備投資先の選定材料として、壊れたら故障解析をすることをお勧めします。

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

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