2014年8月31日日曜日

品質に拘ると言うことの重さと品質最優先の裏を知る重要性

おはようございました。

最近品質に拘る理由がぼやけている企業が多く、とても残念な気持ちになることがあります。
言わずも知れた事ですが、品質以上に大切なのが“信頼でして、品質と言うのは信頼を受ける為の一つの手法に過ぎません。
信頼を受ける手段は品質以外にも様々あり、納期対応、価格性能比、対応の安定性、個性など多岐に渡ります。

ココで品質第一を掲げている企業の品質が最優先である理由は、売るために一番使いやすい文句だからでしょう。
しかし、その品質たるや、一体何が保障の要件になっているのか?を考えたことがあるのでしょうか?
私はここ数年で起きている“業者に対する態度”や、“客は偉いという風潮”から、とても危機感を感じています。

特に、同じ物なら他所でも買えると言うのは、事務しかやった事の無い人間が頻繁に宣う謳い文句です。
ネジ一つにしてもそうです。日本では非常に少なくなりましたが、海外では同じ種類のネジを手に入れるのにとても苦労します。同じ規格と謳っていても、ネジが嵌らないことはよくあることです。
設計過程において、シックスシグマと言う本来は経営判断手法を設計に当て嵌めても何とか動いてしまっている現実を作り上げているのは、日本特有かもしれません。
設計の場合は公差の積み上げで判断すべきなところです。
境界値の条件や、ワーストケースこそが最大の焦点であり、統計上での問題を設計に持ち出すなど言語道断(偶発性や・寿命などは別)なのですが、何故こんな変なコスト削減という名の品質低下を推進する設計モドキの言い訳がまかり通るような社会になってしまったんでしょうか?
この設計モドキに製品の性能が良すぎると言う理由で外に追いやられた人間としては、悲しい限りです。

話が逸れつつあ有るので本題に戻します。
他社と額面だけの比較をしてから購入しなさいとか、何故親会社系列の製品を買わないのだ?と言う脅迫をするとか、その程度の品定めでしか品質の担保ができていない程度の経営者であればすぐに経営者として辞任することをお勧めします。
言うまでもなく、日本の品質低下を支えているのはこういった経営思想の人間たちです。

品質とは何か?我々人件費の高い国に生活する人間が最終的に得なければならない最も優先すべき事項は常に信頼であり、その評価基準として、品質が可視化しやすく優先度が高いがために品質を看板に掲げるのです。

品質を担保する設計とは何か?ネジ一つ・部品一つにしても全てのものには意味があり、その意味がたとえ曖昧であっても、設計者には選んだ理由と基準があります。また、選ぶ基準を可視化してマニュアル化をするのも、その意味を全て深く掘り下げると、開発期間が数十~数百倍に掛かります。仕方なく、それの工程を削減しやすくする為のガイドとしてマニュアルを用意したに過ぎません。

ですので、全ての工程を持たない工場にとって、仕入先というのは強力な仲間であり、“現金を支払う側だから優位に立てる”などと決して考えてはならないのです。
大きく出た態度は一転して自分の立場を苦しめ、最終的には自分の会社に大きな痛手となって跳ね返ってきます。
ね?見えるでしょ?家電業界と車業界が最もよい反面教師です。
自社の技術を外に出し、外注化して安易にコストを下げる…日本が不景気化する好景気のときによくやられていた手法ですが、それは自分が仕事をせずに押し付けるという方法で、相手から金を搾取すると言う立派な詐欺行為でもあります。
外注1社ではお金と言う大人気ない力でねじ伏せることができますが、それが膨らむとどうなるでしょうか?徒党を組まれたら終わりですよね?

実際、トヨタの大ボスはココに大変な危機感を持っています。
ですが組織である以上動き難くて苦しんでいるのが実際です。それを尻目に特許違反が常套の韓国に尻尾を振って余計に爆死したがっている車会社が2社もありますね。敢えて日産と本田だとは言いませんが…。
現実に自ら爆死しかけている会社があるのを目の当たりにしてまだ気付きませんか?
経営者としては相当鈍いと笑われますよ?


仕入れ先が何故ココでなくてはならないのか?その理由を追う少し深屈してみましょう。
分業する理由をもう少し考えて見ましょう。
何故自社で完結できないのか?理由を考えて見ましょう。

我々は自社ではできないからこそ他社にお願いをするという形で頭を下げて作ってもらっています。そこで支払い金額を下げたら提供する製品の品質を下げるしか余地がありませんよね?
品質は原価価格の何乗に効いて来るかを考えたことがありますか?2乗とか言うレベルではありませんよ?かなり効いてきます。電子部品でも10近いですし、機械なら20に迫るような部位だってあります。

品質は確かに重要ではありますが、品質を安易に語るのは決して好ましいことはありません。
もっと真剣に取り組むべきは会社同士・社員・関係者(いわゆるステークスホルダー)との信頼関係です。
そして信頼関係はすぐに構築できませんが、こちらの不手際で一瞬で崩れ去ります
品質が無いと市場で勝てないと言うのであれば、この重みをもっと深く捕らえ、真摯に信頼の構築に取り組むべきだと私は断言します。
信頼があれば多少の不手際でも、いつもお世話になっているから仕方ないか…で済まされる場合がありますが、信頼が無ければ金の切れ目が縁の切れ目です。一瞬で関係が崩れます。
崩れたとき、貴方は今までの会社の状態を保つことができるでしょうか?同業界に知れ渡ってしまったら、限りなく困難ですよ?

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

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