2014年2月4日火曜日

攻めと守りと産学連携

早いもので、この手のブログをやりだして半月ほどたちました。
内容が超絶に濃厚過ぎて消化不良気味の気がしますが、しばらくはこのペースで進めようと思います。

さて、私は転職回数がとても多いと言う話を以前にしたと思います。
それぞれの時点で、それなりの思惑があり、思慮して転職したつもりでいます。
まぁ、尤も、今考えてみれば『ガキだねぇ~』という転職が結構多いのですが…。

そんな中、転職をした理由に、
本気で仕事をやりたいのに、やらせてもらえない
と言う、一見不可解な理由があります。

何のことは無く、そのままの意味なのです。
が、それだとあまりにも世の中が理不尽過ぎると思うので、少し前向きな考えをしてみました。


現実的な極論から話すと、、私みたいに仕事をさっさと片付けようとする人は実は希少種です。
現実の世界では如何に堕落するか?、堕落してしまくるか?を考えやすいのが人間であったりします。
それは楽して儲けたいとか、ただ飯食いたいとか、何もしないでもてたいとかいう、どうしようもない浅ましい考えだったりします。
脳に電極刺して、ボタンを押したら快感与える装置を提供してあげてたら、ボタンを押しながら飲まず食わずで死んでゆくでしょうね。それぐらい人間は楽というものに弱いものです。

世の中の幸福の量はほぼ一定です。
あなたが楽した分だけ、どこかで誰かが苦しみもがいていることを確りと認識しなければなりません。
まぁ、こんな説教部屋的な倫理観の話はさておき、話を元に戻します。


そのだらけた社会構造の中に、期待以上の仕事をしてもらっては困るという一種の変な制約があります。
これは
単に上司が状況の理解できないだけの無能
であったり、
奥の手を出し過ぎると、次の一手が打てなくなるので、市場の戦略的に非常に拙い場合
であったり、
払ってもらえる額面の決まっている客からの要求に対して、過剰な成果を供給してしまうと、技術価値が下がり市場崩壊に繋がる
等、様々です。

私の場合、一番最初に挙げた事項が殆どでしたが、昔の私にはその他の潜在的な問題はおそらく明確に認識していなかったと思います。
なんと言うか、お花畑な頭だったものですから、
『世界のエネルギー消費を減らすためには技術の前進が必須、だから全力で挑むべき』
と信じて止みませんでした。
事実、研究部門はこれで良いと思いますが、設計に関しては幾らか全力で攻めてはいけないケースがあります。
正確に言うと、全力で攻めつつも、自分たちの生活を守ると言うべきかもしれません。

研究はイノベーションとやらを当てに行く為に全力を尽くして行かないと掠りもしません
そう、都民さんが絶賛して選んだR4とか言う議員はふざけた事を抜かしましたが、1番目指さなきゃ、表彰台に立てるような成果どころか何も得られないのですよ。

しかし、設計や開発は事情が異なります。既に基礎理論の確立した一定量の科学技術の背景があるので、そこからどれだけを製品に向けて取り出せる事ができるか?を問う総合的技術部門です。
また、市場から研究者の研究費を捻出するための機関でもあります。

ですから、きめ細かく自分たちの位置を保ちながら前に進めて、未来像を描きながらも、あえて守りに入る事が必要です。
市場とは残酷で、寄付などしてくれません。しかし、価格を上げたくても、市場は価格低下を望みますし、高い品物は世の中の多くの人を犠牲にします
ですので、あえて製品として世に踏み出さず、量産技術や、他社への対抗策としての切り札=試作程度に抑える必要性が出てきます。


さて、いつもに増して前置きがずいぶんと長くなりましたが、ココからが本題。
少し前M&M2013 日本機械学会材料力学カンファレンスで少しお話をさせていただいた(宣伝)のですが、大学は研究をやっていれば良いと言うものでもありません。
かといって、市場を目指すと企業と変わりないため、価値が薄れます。
では何処を目指すべきか?
産学が連携できるような方向に進まなければ、収益性や研究としての価値も薄いのだから、そこを目指すべきだと考えています。

大学も研究するには資金が必要です。ですが、大学の教授さんの多くは自分のやりたい事しかやりたく無いと言う方がとても多いです。
それでは生き残れません。
そんなことで残酷な市場は認めてくれません。生活費も提供してもらえません。
しかも、真の技術に昇華する為には、幾らか社会実験をしなければなりません。
それには幾らかの量産技術がいりますし、数をこなして確認することも必要です。
ではどうするか?
実験先とは他所の企業(本命)と連携しつつ、機密保持に反しない程度に実験台を利用するしかないと思います。
残念ながら中小企業、大企業でも比較的小型(資本金10億程度まで)は、研究に回せるほどの資金的余裕がありません
そこをうまく突いて、技術提携と言う名の市場実験をする必要が生まれます。

実験台の企業に対して資金提供してくださいと言えますか?
遊びたいから金をくれというニートとあまり変わりない
そう私は思います。

ですので、本命(資金提供元)、実験台(技術提携先)この複数社をうまく組み合わせつつ研究をするしか道が無さそうに思えます。
しかしながら昨今の大学は少々微妙です。
こういった市場創造を見据えた技術戦略に少し欠けているのではないか?
そう思えてなりません。。

私は大学側がもう少し市場を見据えた研究にシフトしなければ産学連携ができないと考えています。
尤も、時既に遅し。
企業側も今更それをされてもどうしようもないという現実があります。
“Googleが東大発ロボットベンチャーSCHAFTを買収”
この事実は、経営者が見る目が無いと言う現実の表れでもあります。

昨今のゼニゲバ社会・拝金主義社会構造を作ったのが教育者であれば、それに苦しめられるのも教育者側なのかもしれません。

経営者・倫理観、こういった大きな類がまともにならなければ、暫くお先が暗そうですが、浄化されるのにはもう少し時間がかかりそうに思えます。

その間は良い企業をひたすら探し、絆を深めて信頼関係の構築を続けるしかないのかもしれませんね。
連携は先ず信頼関係の上に金銭関係ですから…。
暫く途轍も無い守り期間ですね。
尤も、これを望んだのも教育者たち…つまり、易にユトリ世代を輩出した教育者たちの試練だとも思えるのが悲しいところです。


ま…実際のところは教育者というよりはモンピ連中=バブルの子世代がまともな親ではないことに対しての問題が非常に大きいのですが…。

バブルは人を壊すとは、昔の人は良い事言ったねぇ~。


ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

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