2014年2月4日火曜日

技術と技能の違い

最近、技術と技能を混同して習得しようとしている人が多いように感じます。
私から言わせて貰えば、これらには明確な分け目がありますし、間違えることすら難しいことなのです。
しかしながら、世間一般、特に初心者には分かり難いかもしれません。

やってみないと分からないと言う周囲の雰囲気がそうさせているのかもしれません。
ただ、技術に関して言えば、最後の折り合い付ける所以外は、実機検証が無くてもおおよその目処が立ちますし、立たない時点で、当人がその技術を扱える知識を持ち合わせていないだけです。

極論言ってしまえば、当人にとっては敷居が高過ぎるので、その高い敷居を幾らか緩和してあげる策が必要になる訳です。
当人の勉強不足だったり、そもそも扱う対象の技術分野が確立されていない場合も有ります。
体系化されていない技術は、結局のところ幾らかパラメータを振ってみて、どの要素技術の応用であるかを見抜く必要があります。
逆に書面化されているといって安心しきって失敗こいている人もよく見かけますよね、特に電源の安定性や、電源のノイズに関する話題とか…。

さて、技術と技能の違い、単純に言ってしまえば技術はおおよそが体系化されたものであり、書面化できます
変わって技能は、その個人の能力に依存する部分が大きく、体系化しても、大きな効力を得る事ができません。すなわち、職人芸に近い事です。

以前なら私ができていたpHを鼻と素手で測るという業のも技能です。
回路設計・ソフト設計・機械設計なんかは、殆どが技術です。
結構分かりやすいのではないでしょうか?

これの習得方法を間違ってすると何が問題か?
単純な話で、例えばよくあるパターンの技術を技能で習得しようとした場合に起きる問題を挙げると…。
所謂過去に人が立証してくれた法則を導き出すのを経験と勘を頼りに感性で進めているので時間の無駄
逆の場合ですと、パラメータが複雑過ぎる系(測定しきれないので、実質的に技術から縁が遠くなる)や、人間の感覚を必須とする加工技術の書面化や体系化は傾向がつかめるが、実質的な作業工数の削減には繋がり難い


最近、技術も技能も分からない、学校の成績が良かっただけの人間がマニュアル化を行うと、後者のパターンが良く見られます。
間違ったマニュアルが運用され、しかも上司もそういう系統の人が多いので、余計に拍車がかかります。
上司の意志が変に固くプライドも変に高いので、マニュアル以外のケースは認められません。そのため、嫌でも間違った方向に振った製品が多くなります。最近某企業でどうしようもない物しか出荷させてもらえない事が多く出てきているのはこのためです。

見てますか?あなたの会社のことですよ?
尤も、見て分かるようなら、とっくに舵を切り直しているんですけどもね…

まぁ、そんな訳で、技術と技能には壁がありますし、それなりには分け隔てがあります。
が!ココからが重要。
2つ合わせないと、もの作りは全く完成しません
技術だけでは知的財産以外の何も生み出せません、技能だけでも変なモノができておしまいです。
ですので、技術と技能は掛け合わせ方がとても重要です。
大事なことなので、違った言い回しで2回言いました。


高度な技術は職人芸にも見える事が多いですし、魔法のように感じることから、経験と勘でしか得られないと思っている頭の可哀想な方が多く居られます。
しかし、技術は殆どが体系化できて、残す事ができます。
ものづくりの場では一見似たもの2つが混在する事が多いので、気をつけて見て行きましょう。

技術を体系化して進歩しない限り、もの作りは進歩しません
つまりは、そのうちお飯が食えなくなるって事です。
猿真似だけで食って行けるほど世の中は甘くありませんよ?
真似なら+αの付加価値が売れる必須条件になります。

ではでは今日はココまで、
また会える機会を楽しみにしています。

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