2022年6月23日木曜日

うっかりDigital Discoveryに手を出してしまう

おはようございました。

皆様におかれましても、そろそろボーナス払いが解禁される頃合いですね。


相変わらず私は、税金と電気周りだけ魔改造中の家のローン、重なってくる2台分の車検代に殆ど消えるのですが、それでも悪あがきをしようと一歩ずつ前に歩んでいます。


そう!ついに手を出してしまった『Digital Discovery』!!

少し前のネタで『¥1500ほどで出回っている2D LiDAR(360度の距離の測れるセンサー) MB-1R2T』の話を振ったのですが、プロトコルをいろいろと調べている間に手持ちの測定器では限界が見えてしまったのです。


1回の送信で40点分の位置を送る様な通信データなのですが、我が家のDL1740はUARTの解析機能はないし、Analog Discoveryでは記録メモリの少なさから欲しいデータが少し見えたところで途中で切れてしまいます。

最近LiDARを仕事で触ることも多く、結構長いパケットを調べることが多いのです。

『仕事でも使えるし、まぁいいっか…』

と、

『いや、会社で買えよ!』

なんて突っ込まれそうな気もしますが、

『会社で買うならもうちょっとマシな物を買いたいのだけど、それだと一部の上がハンコ押しそうにない』

ということで悩んでおります。

かと言って、

『買ったら同じ機能に見えるものは絶対買い替えさせてくれない』

という動きの方が圧倒的に強い気がするので、なかなか動けないでいるのです。


会社の測定器や工具は私物より残念な代物ばかりなので、

欲しいものばかりで大変困っている(というか必要なので、家が実質第2の開発室化してる)状況。

誰か社内で投げ銭してくれませんかねぇ~

なんて思ってしまう今日この頃です。


前回のブログではデーターのヘッダを追記してあるのですが、Digital Discoveryみたいにメモリがそこそこ多いものを使うと、細かい挙動が見えてきました。


さて、例の『MB-1R2T』ですが、最初のテキストデータ送信後はこんな感じでデータが出ることが分かってきました。


1バイト目: AA ヘッダ1

2バイト目: 55 ヘッダ2

3バイト目: 3C コマンド種類?時々変わる

4バイト目: 28 データの個数 時々変わる

5バイト目: xx 開始角度下位

6バイト目: xx 開始角度上位

7バイト目: xx 終了角度下位

8バイト目: xx 終了角度上位

9バイト目: xx 不明(エラー訂正用?)

10バイト目: xx 不明(エラー訂正用?)

11バイト目: xx 信号品質

12バイト目: xx 距離下位

13バイト目: xx 距離上位

14バイト目: xx 信号品質

15バイト目: xx 距離下位

16バイト目: xx 距離上位

…以降データの個数分『信号品質、距離下位、距離上位』が続く…

角度のデータは0xB400が360度である可能性が高いです。(というかほぼ確定だと思う)

流れてくるデータとしてはこんな感じです。


こんな感じでたまに小さいパケットも飛んできます。




1個しかないデータはコマンド?(3C)としている部分まで変わります。

流れてくるデータ的には距離っぽいのですが…


秋月電子での値上げとカードの支払日の関係から、昨日Digital Discoveryが届いたばかりですので、データの個数が変わる条件がまだ絞り込めてませんが、普段は40個(0x28)連続していますが、たまに個数が不確定に減ります。

各々の角度と長さを求めるには開始位置と終了位置の差分を(データ個数-1)で除算せねばならないので、マイコンの方が圧倒的に楽です。

私は個人的都合でFPGA使ってますので、この除算まで含めて実装すべきか?

動作確認程度の実装だし、少しのデータなので、無視して飛ばすか?

少々悩んでおります。

まぁ、どっちにしてもこんなしょうもない機能にCPUリソース食いたくないので、本気でやるならFPGAで除算実装して、XY座標化や補間も実装しますが…


そんな訳で、今更この手のLiDARに手を出された方には参考になればと思います。


ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2022年3月13日日曜日

GPIB予備環境構築のため、GP232の予備としてKeysight 82357Bを調達する。そしてHP3562Aの自動計測へ…

 おはようございました。タイトルがなろう系並みに長い漢です。

ここ最近、現場で古い測定器類が不調になり始めることが多くなってまいりました。

我が家の測定器もその心配を寝ねばならない頃合いに差し掛かり、予備がいるよね…。

そんな訳で、一番優先度の高い『GPIB⇔PC』の自動計測周りのインターフェイスもそろそろ考えねばなりません。


現在まで現役だったGP232はずいぶん昔に購入させていただいたもので、このメインのPIC16F876も終息品となり、何かしらの予備が必要です。

しかも近年のEXCELでは標準モジュールはそのまま動かないので、少し改変する必要があります。

まぁ、ソフトは一回書き換えたら使い回しできるので何も問題ないのですが、ハード側の故障はPIC自体が手に入りにくいので致命傷になります。


作者の方は何やら大変な苦労をされていたようで、ありがとうございました以外の感謝の念が絶えません。

ここ数年のコンテンツ消費型のクレクレ君の異様なキチガイっぷりは涙をそそるものがありますよね…。(シミジミ)


さて、そのままPICの変更した奴でUSBってのも(皆がやってるので)あんまり芸がないし、やるなら高速化したい…と、ググってみるとKeysightの82357Bというアダプタの勝手が良いよ?メーカー純正の癖にあの会社にしては意味不明な位安いし…というような感じでしたので、今後会社絡みの仕事を家ですることが増える現実を踏まえてこちらへ移行準備することにしました。


Keysightの82357Bで使用する『Keysight IOライブラリ・スイート』にはVBA周りの環境が整っており、色んなことができるよ?とKeysight自身が色々宣伝されておられ、かなり資料がふんだんにあります。

(ただし、webの資料が結構早めに消えるのは外資故の制限なのかもしれません…)

良い子の皆は『これは使えるッ!』と思った資料は、しっかりローカル保存しときましょうね?


とりあえずメインで使うHP3562A・HP3563Aでのでの取り出し方はこんな感じに落ち着きました。


Sub btnStart_Click()

    

    Dim Rdata       As String               ' 受信データ文字列

    Dim SplitData                           ' 受信されたデータを分割して格納

    Dim PrintData                           ' 配列から個別に取り出したデータ

    Dim Counter         As Long             ' データカウンタ

    Counter = 0

    

    ' 2重起動の防止

    If RunFlag Then Exit Sub

    RunFlag = True                          ' 動作中フラグをセット

    

    ' GPIB 初期設定

    Dim RM As New VisaComLib.ResourceManager        ' リソースマネージャーの定義

    Dim HP356xA As New VisaComLib.FormattedIO488    ' 測定器の定義

    Set HP356xA.IO = RM.Open("GPIB0::1::INSTR")     ' GPIBアドレス 1 の装置設定

            

    ' コマンド送信

    HP356xA.WriteString "DDAS"               'アスキー形式で読み出し

    

    'データ数はヘッダー66+数値801(Re)+数値801(Im)

    'ストリングでごっついので、分割する

    Rdata = HP356xA.ReadString

    SplitData = Split(Rdata, vbCrLf)

    

       ' データの書き込み分割したデータを分けて表示

    For Each PrintData In SplitData

       Range("B5").Offset(Counter, 0) = PrintData

       Counter = Counter + 1

    Next

    

    ' ローカル制御コマンド送信

    HP356xA.WriteString "LCL"

    ' 終了処理

    HP356xA.IO.Close

    Set HP356xA = Nothing

    Set RM = Nothing

    

    RunFlag = False         ' フラグのリセット

    MsgBox "終了しました"

End Sub


ちなみに今まで使用していたGP232であれば、こんな感じです。


Sub btnStart_Click()

    

    Dim Counter         As Long             ' データカウンタ

    Dim Rdata       As String               ' 受信データ文字列

    

    ' 2重起動の防止

    If RunFlag Then Exit Sub

    RunFlag = True                          ' 動作中フラグをセット

    

    ' GPIB 初期設定

    eg.CardOpen                             ' カードオープン処理

    eg.Delimiter = eg.DELIMs.CrLf           ' デリミタの設定

    eg.TimeOut = 3                          ' タイムアウトは3秒


    ' 測定器の初期設定

    eg.ActiveAddress = Range("C2").Value   ' 測定器のアドレス読み取り


    If eg.ErrorHold <> 0 Then

        ' エラーが発生している

         eg.CardCLose               ' カードを閉じます

        Exit Sub                    ' 中止します

    End If

    

            

    ' コマンド送信

    eg.AsciiLine = "DDAS"               'アスキー形式で読み出し

        

    For Counter = 1 To 1669             'データ数はヘッダー66+数値801(Re)+数値801(Im)

        

        Rdata = eg.AsciiLine

     

        Range("A4").Offset(Counter, 0) = Counter         ' データカウンタの書き込み

        Range("A4").Offset(Counter, 1) = Rdata           ' データの書き込み

        

    Next Counter

    

    eg.AsciiLine = "LCL"       '

    

    eg.CardCLose

    RunFlag = False         ' フラグのリセット

    MsgBox "終了しました"

End Sub


どうです?ずいぶんすっきりしたでしょ?GPIBのアドレスはほぼ弄らないし、固定でもいいや…と思ったので面倒臭いから固定にしました。

考えてみればメインの玩具であるHP3562A,HP3563Aのデータ採取は主にこれを使っていた訳で、801点×2軸のデータが数分で取れる素晴らしい道具となっており、この手のツールがないと本当に危険です。しかも今回の変更で数分が数十秒に変わってしまった…

皆様におかれましても、自動計測や周期的なデータ取りで困った際は取り敢えずCSV掃き出し、又はExcel+VBAで逃げるか?程度で試し、先ずはその自動計測が有効か?というのを試されてはいかがでしょうか?

本気でやりたきゃあ後でソフト組めば全然OKです。

動くものが仕様として出てきていれば、ソフト屋さんだって全体像が見れるってもんです。おおよそ外部に依頼するときに上司や余所者や銭ゲバが顔を出してきて余計なものがどっさりついてくるので、保守や費用対効果を考えたら、ひたすらシンプルにして『こんな感じのをバグが出ないようにうまい具合にヨロシク作って?それでUIは現場と一緒に煮詰めよう!』と、お願いするのが一番です。

(いつもの顧客が本当に必要だったものと同じです)


さて、昨今の会社ではさっき言ったことがまさにバンバン行われていて、余計な輩が絡んで元値の10倍に膨らむというのが普通にあったりします。

さらに残念なことに、うっかりスーパーマンに見える私に渡される予算と時間はその開発に必要な額面の100分の1に満たないことが良くあります。

金も時間もないのに成果だけは要求されるというのは、バブル期謳歌のキチガイが上にいる組織ではよくあるパターンです。

皆様におかれましても、何事もシンプルに、バブル期キチガイ上司の言うことは受け流すつもりで仕事にあたり、個人の生活をしっかり充足されていただけることを切に願います。

そんな訳で、個人ごときがやる程度の測定においては、まだまだ安直にLabViewには流れたくないッ!なんて思う今日この頃なのでしたとさ…。(何故か会社の仕事を家の測定器でやってますが…)


誤解の無い様に仕事で使うなら、LabVIEWに流れた方がマジでコスパ良いですよ?とだけは言っておく…。


ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2022年3月1日火曜日

EBAZ4205でガッツリ遊ぶ前に電源事情を調べてみることにした

さて、ずいぶん昔?に流行したEBAZ4205の基板の話の続きです。

今回は2.0㎜ピッチコネクタ→2.54mmピッチコネクタの変換ケーブルをサクッと作り、ちょっとした下調べを行ったので記そうと思います。


2.54mmピッチへの変換ケーブルですが、うっかり誤挿入を防ぐために、キーがついているMILコネクタにしようと思いました。

世間様は今だコネクタ周りの樹脂は流通が悪く、どのメーカーも代替品切れ状態が続いております。

オムロンは比較的在庫があるのですが、圧着の端子部が入手困難です。

圧接なら入手可能です。

圧接が嫌(工具がない)なら、ちょっと高いですが日本航空電子の物がまだ手に入ります。

数年前に余計目に買ってなかったことを後悔しながらも、とりあえず今回は13本用意しました。

2.0mmピッチの奴はアリババに転がっているものを使いました。


さて、ここからが本題。

EBAZ4205の電源は残念電源(クソ電源)という話をチラッと風の噂で聞いたことがありまして、基板壊して(壊す可能性を含めて)測るのは嫌なので、とりあえずサクッと出せる範囲でどこら辺が残念なのか?を分かるようにしてあげようと思った次第です。


壊す可能性のある測定というのは、低周波域(概ね1MHz程度まで)の挙動測定です。

ぎりぎりの負荷かけてガンガン動かしてインピーダンスを測ったり、ノイズを重畳してPSRR計測などをすると、どうしてもIC周りのスペックオーバーギリギリの入力をしてしまいます。

FPGAは定格外の領域なので危険です。

電源ICが既知のメーカーの既知のICならいいですが、フットプリントだけTIの製品に似た出どころの怪しそうなICなので、非破壊検査待ったなしでございます。


本来ならもう少し踏み込んで、何枚か壊しながらの測定をしたり、

シャントスルー法で基板のインピーダンス見て、

m9(^Д^)プギャー

してやるべきなのですが、私の懐事情はそれを許してくれませんし、大型特殊のおっさん相手には誰も投げ銭などしてくれません

今回はそこまでの話をする前段階のの中間報告ということで、諦めて頂ければと思います。


また、シャントスルー法でインピーダンスを測るにしても、実際には、DCブロック突っ込んで、ネットワークアナライザ(もしくはTG付スペアナ)を壊さないように、減衰器の減衰量は適切なものを選んで、そのうえで校正かけて、一番S/N比がよく取れそうな減衰器で微調整しながら伝搬の状況を確認する。

勿論条件変われば校正かけなおしなので下手すりゃあ数日潰れる大仕事…


という一連の手順が最低限度必要でして、スペアナへの入力限界を超えないための下調査

を行うためのノイズ調査という括りでもよいかもしれません。

世間ではいまだに電源インピーダンスの測定ですらマイナーな話のなのですが、何時になったらこれらの測定がものすごい重要だということが浸透するのやら…


さて、手始めに起動の電流はどんな感じか?という観点で見ます。

出荷時状態そのままのもので、一切手を入れていません。

運よく電力計をお借りできたので、そいつの波形を貼ろうと思います。

EBAZ4205がこれ





5V0.5Aぐらいでも十分動きそうですが、余力見て最低でも1Aぐらいのものを用意しましょう。


ちなみにQMTECHのボード(XC7Z010)だとこんな感じです。



CPUに負荷がかかっていませんし、FPGAのロジックもほとんど利用されていないので、消費電力はかなり低めの値です。



次に上記のような初期出荷状態の負荷条件で、ノイズの状況を確認しようと思います。

とりあえず家のDL1740ではもうノイズフロアの領域に入ってしまって、全くと言っていいほどまともに計測できません

ですので、急遽準備したマシな物(キーサイトのMSO3000)で測定します。

本当はFETプローブや差動プローブを用意すべきなのですが、『そこそこ見れたし、準備が面倒くさかった』という事で、勘弁してください。


EBZA4205のノイズに危ない兆候がありました。





Ch1:3.3V

Ch2:1.5V(DDR-SDRAM)

Ch3:1.8V(VCC AUX)

Ch4:1.0V(VCC INT) シルク上は1V9というロットも存在するので要注意。

色々なトリガー状態で観察してみたのですが、1.8V系統が主要因であることは間違いないようです。

Ch3が800μ秒程度毎に大きく振動しているのがわかります。

150mV近いです、明らかに問題のある挙動ですよね。

それ以外はいたって平穏な様子。

また、この振動を拡大すると…


こんな感じで120~150MHzで振動が起きていることがわかります。

PCBパターンやレイアウトの設計上の問題でしょうか?

共振しやすい周波数があるようです。中華製のこの手のボードはビア打ちが結構甘くて、しょうもないところでインピーダンスがガッツリ狂ってモードが立っていたり、とりあえずは繋げてみたら運良く動いた!的な回路のまま出してくる輩も結構まだいます。

一回シャントスルーでガッツリ測った方が良いかもしれません。

その他の電源は、この1.8Vの振動に揺られて若干の被害を受けている模様。

ただ、動作の支障となるまでには至っていないようです。

こういうところにPSRRを測る理由があるんですが、いまだに一般的ではないんだよなぁ~残念。


念のため、ZYNQ特有の問題ではないことをしっかり確認したいので、QMTECHのボード(XC7Z010)でも1.8V(VCC AUX)の挙動を確認しておきます。



こちらは問題なし…と言いたいですが、スペック的に危険領域です。

パスコンの容量と数がデータシート上はNGです。

ですので、パスコンを極限まで削って強引に動かしている…

という認識でいたほうが良いかもしれません。

パスコンを増やしてノイズの幅を減らしたいですが、それをすると否が応でもループゲインが下がります。

下がるとインピーダンスを補うためのコンデンサが必要になります。

そうやってガッツリ沼に嵌るので、結局は電源ICを良い物(でかい電流流せて高い周波数領域をカバーする品)にせざるを得なくなるのです。

ちょっとコンデンサを増やす分には電気的には問題ありませんが、今回のQMTECHのボード(XC7Z010)では基板自体の空き空間がありません。

内層数を増やして信号を中に持っていくか?基板サイズを上げてゆとりを持たすか?お高い高級なコンデンサで一発逆転を図るか?IC変えて高周波数&広帯域化しまうか?の程度の選択肢になります。

というわけで、基本機能検証用のお試しボードだからと割り切った設計になっています。


とまぁこんな感じなので、玩具・評価用として遊ぶには程よい品物ですが、ガッツリ本気の用途には格安ボードは基本使ってはいけないことを十分認識しておきましょう。


ここからは超個人的見解ですが、EBAZ4205の落としどころの経緯は、TIのTPS563201の劣化版互換電源ICを使ったら制御帯域が低すぎてリップルノイズも大きく、電源スペック守れんのでパスコンバンバン置く羽目になった。

だが、パスコン置いたら高い周波数領域カバーできるようなパターン・レイアウトが困難になった。

おまけに一発目の負荷急変の電源供給の容量がカバーできても、数発連続で来るような急な負荷動作の時はやっぱり高い周波数で振動してしまう。

…どうせ大した制御(主制御)ではないし数年で終わる代物、見なかったことにしよう…

と、そのまま出荷…こんなドラマを感じてしまいました。


ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。


2022年2月5日土曜日

SMA用トルクレンチを安く上げようという話

おはようございました。


とうとう『Lite VNA』なるものに手を出し、家にある8GHzまで使える減衰器で性能を見てみたら、ノイズはあるものの4GHzぐらいまでそこそこ所望の精度で使えることが分かりました。

さて、会社でも2.4~2.5GHzを使うようになり始めたこともあり、とうとうSMA端子での結合時のトルク管理が肝になる領域に片足突っ込み始めました。


ぶっちゃけ機械工作ばかりやってる人間の手の感覚は、下手なトルクレンチよりもトルク管理がシッカリしているのですが、社会はそういった職人技を公的には認めません。


そんな訳で表向きにでもトルクレンチを用いた管理は必須です。

しかしながら正確なトルクレンチは1か月の食費より十分高価ですし、性能の割には手が届きにくい範囲です。


そこで、代替手法として、中華製の安いトルクレンチと、その調整手段をもってそれなりに信用できそうな値で管理することにします。


購入したのはアリババで転がっていたトルクレンチです。



一応0.57Nm(SMA用)、0.9Nm(3.5mm用)の二種類注文しましたが、予想通り調整されていないものが届きました。

来たのは1.2Nm、1.0Nm…しかも中は錆びまくり…まぁ、そんなもんです。


さて、まともに動かないことを確認したら、バラして掃除して、軽くグリスアップします。動きが悪くなるほどにグリスを入れちゃだめですよ?


トルクの調整方法ですが、正規のトルク計を買うと中産階級の月の手取り給与並みの厳しい価格になります。

そこで、比較的安価に転がっているバネばかりや、フォースゲージを使って調整します。

レンチの回転中心から力をかける一の距離を計測したのち、滑りの良い作業台に8mmのヘキサレンチを固定し、写真のようにフォースゲージやバネばかりで工具を使う方向へ力を加えて、ピーク値を取ります。



摩擦や力のかける方向などの兼ね合い、90度折れ始めの力の追従などで、一発で綺麗に測れるわけではないので、何度か取り直しましょう。

今回は135mmの点をフォースゲージで押したので、1000mm÷135mm倍のトルクがかかります。

ですので、0.56Nmであれば、4.148N、0.9Nmであれば6.667nmあたりで管理します。

念のため、デジタルトルクレンチでもこの管理値がそこそこ正しいことを確かめました。

いくら丁寧に同じ様にトルクをかけても、そこそこバラつくのはそういう代物だと諦めましょう。


因みに、正規の調整されたトルクレンチだと、こんな感じで良い値が常に出ます。


正規のものであればバラツキがほぼないので素晴らしいですね。


この手のトルクレンチは与圧のかかったバネ式のトルクレンチですので、調整する手段が必ず必要になります。

皆様におかれましてもそれなりのトルク管理と調整環境を整え、気楽に作業ができる環境づくりを構築されることをお勧めします。
作業を始める障害・ハードルは環境を良くすることによって十分に問題ない程度まで低くすることができます

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2021年12月29日水曜日

最近¥1500ほどで出回っているLIDAR(距離の測れるセンサー) MB-1R2T に手を出す

 おはようございました。

最近余って流れ始めている360度の水平方向の距離センサーである、LIDAR MB-1R2T に手を出し始めました。

水平1軸のLIDARでして、TF-miniみたいに1点ではないので、360度ぐるっと回りながら距離を取ってくれます。


接続するコネクタはJST(日本圧着端子)のPHコネクタの8ピンの物が使われています。

5V入力で駆動し、3.3VのUART信号が出てます。

ビットレートは153600pbsです。

PCではメジャーではない速度ですが、9600の倍数なので、エラーが少なくなります。

信号はこんな感じで出てきます。


起動直後はこんな感じのメッセージが出て
その後にこんな感じで信号が出てきます。


とりあえず今回は事初めに必要なものを準備します。

M3で25mmの支柱を4本、カメラ三脚で使うなら5mm程度の厚さの板、エレベーター三脚で使うなら10mmの板を準備します。

こんな感じで穴をあけて、

支柱を立てて取り付ければ完成。

今回はカメラ用三脚(UNC 1/4-20ネジ穴)とレーザー墨出器で使うエレベーター三脚(UNC 5/8-11ネジ穴)の2つを用意しました。

カメラ用三脚は下穴が5.1mmなので比較的簡単に空けられますが、エレベーター三脚用の穴は下穴が13.5mmなので結構大変です。

樹脂系材料の方が加工が容易です。金属でやるにしても、軽金属で片付けることをお勧めします。

ちゃんとしたフライス盤・ボール盤なんかあれば鉄でも問題ないですが、13.5mmやそのタップを手で空けようものなら、相当頑張らないときついです。


さて、この手の物はモーターが出っ張っており、そのまま転がしながら弄るのは結構大変なので、こういった台を作ってから作業に入るとずいぶん楽になります。

ちょっと遠回りではありますが、目標位置を狙える環境を準備してからUARTの送信内容を解析するというのが正攻法です。

遠回りで時間がかかりそうでありながら、実はこれが最短ルートのやり方ですよ?

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。



2021年11月15日月曜日

今更ながら EBAZ4205 に手を付け始める

 おはようございました。

今更ながらxilinxのzynq7010の乗った中古ボードで遊ぼうと思い立ちましたので今日はその話題。


今から丁度一年ほど前に起きた隣国での『仮想通貨のマイニング禁止』に伴い、市場にゴミとなったマイニング装置が大量に流れ始めました。


メインの分散処理プロセッサ自体は設計から幾らか経っていることや、マイニング可能な残量の都合で電力対儲かる比がずいぶんと悪化しており、ごみ同然と化していました。


しかし、その中でも一際注目を集めたのが制御側の基板です。

Zynq7010を搭載し、そこそこ最低限の電源・メモリーI/Oが実装された基板は瞬く間に世間の注目の的となり、FPGA界隈の一部でお祭り騒ぎが行われました。


当時は¥1500~3000という破格の値段でそこそこの基板が出回っており、しかも、汚いながらにもそれなりの正しい中古という意味での品質が確保されていたためか、大人買いする方もよく見られました。


さて、それからずいぶんと時間がたった今、市場ではリアルにゴミ(産廃の山)からの発掘で調達しているためか、下手な業者から買うと漏れなく

  • インダクタ・コンデンサが割れている
  • パターンがはがれている
  • 割れたコンデンサを外すときにパターンを剥いでそのまま出荷

というリアルなゴミを送り付けて金銭をせしめようとする販売者が多いのもまた事実です。

私も例に漏れず、ゴミを押し付けられて販売者と揉めに揉めました。皆様におかれましても、十分にご注意ください。



さて、私も半年様子見てから漁り始めたこともあり、半数は外れであったこともあって、さっそくパターンの修復とコンデンサの再実装、そして、遊ぶに至って必要な最低限の機能を実装するための改造を行いました。

注文しても発送しない(リアルに今から採掘しに行く的な店が多く、数か月後にギブアップ宣言な)業者だらけで、世間のまともな通販業界とはかなり毛色が違うことを思い知らされました。


運良く手に入った8枚を早速遊びで使えるだけの代物にしてゆきます。

まずはPL側(FPGA側)のクロック供給。PS側(プロセッサ側)は最初から33MHzが接続されていますが、PL側(FPGA側)にはクロックが供給されていないので、FPGAだけで遊ぶときは不便です。ダンピング抵抗(20~33Ωぐらい)を実装してサクッとつなげちゃいます。



次に空いているパターンにスイッチが取り付けられるので、さくっと取り付けちゃいます。

秋月電子にも『スナップインタイプタクトスイッチ 通販コード:P-07193』で売っています。

一部のロットでは0Ωと1μFが実装されていないので、よろしく付けちゃいます。コンデンサはチャタリング防止が目的のため、値は適当で構いません。

お隣のよしみということで、J7やmicroSDカード用のコネクタも付けましょう。



次にリセット、毎回電源抜き差しするのは馬鹿らしいので、足の長いプッシュボタンを加工して、リセットIC(U65)の1ピンと3ピン(GND)の間に設置してしまいます。

今回はEthernet用の25MHzのクロックが有る物と無い物が混在していたので、ソースを合わせるためにすべて実装しました。(FPGA内部で25MHz作って出力すればいいだけなんだけど、案外と面倒くさくて忘れそう)



せっかくmicroSDカードを取り付けたのに起動できないのは残念なので、起動を切り替えるスイッチを付けてしまいます。

ついでにD24にダイオードを付けます。秋月電子にも『ショットキーバリアダイオード 40V5A SK54 通販コード:I-04128』として使える品が販売されています。

1kΩ程度の抵抗とスイッチを直列につなげたものをR2577に付けます。外側のシールド部分のレジストを剥がしてスイッチを固定しました。ロットによっては異様にレジストが厚いものがありますが、根気よく丁寧に剥がしましょう。



SDカードで起動できるならJTAGでも起動したいよね?ということで、足の長いスイッチを加工してNAND側のR2585とGNDを接続できるように設置します。

これで起動時に押していた状態であればJTAGで起動できるようになります。



Zynq7000シリーズにはXADCという内部の温度や電圧をモニタリングできる素晴らしい道具が実装されているのですが、そのままでは部品が未実装で使えない状態なので、やっつけ仕事?で強引に動くように電源供給をします。

C664→0ΩでGND接続、C327とC2354の電源側を接続して1.8V供給をします。



そして肝心のダウンロードケーブル。ピン配置があっているのにピッチが合わないので、2mmピッチと2.54㎜ピッチの変換コネクタを作って対応します。

一応電気用のホットメルトで固めて剥がれないようにします。
JTAGのピンヘッダをはんだ付けした後でこれを刺せばそのまま純正ケーブルが乗るので安心です。


後で分かりやすいようにテプラを張り付けて何のスイッチか?が分かるようにしておきます。



これで一通り完成。後はガンガン作って遊ぶだけです。 

DLC9互換のケーブルを持っていましたが、Windows10とのドライバの相性もあり、今回DLC10互換のケーブルを買うことにしました。

ドライバを色々弄ってwindows10+DLC9でも動くようにはなったのだが、正式にはサポートされておらず、かなり面倒くさい手順なので、これを機に新調しました。

自分が現役で弄ってた頃はずいぶんと昔で、ロジックの規模が今の1/10より少ないサイズでしたので、

『無限に何でも積めるような万能感』

を抱いていますが、反面、当時と同じ手法で組んだら、

『ガチガチに組み始めたら数年単位でかかる恐ろしい代物』

でもあります。


現役だったころから長い間離れていたので、高位合成とか勉強しながら程よく遊んでみたいと思います。

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2021年9月30日木曜日

ラズペリーパイ(Raspberry Pi)にやたらこだわると足元をすくわれる

おはようございました。

最近EMCがらみの求人が多く、それがもろ車系で愛知か横浜限定という何ともな内容に、鳥取ではダメですか?

なんも無いので自然のオープンサイトですよ?

と哀しくなる今日この頃です。

さて、EMCの話が出てきたところでふと思い出した事があります。

題目にもあるアプリ側のソフト屋さんが一気に組み込みもこなせる原因にもなった『ラズベリーパイ』の話です。

そのマーケティングの上手さや、当時安価に性能が得られるCPUをうまく活用したことなどで一気に

『組み込みLinuxを手軽にやるならコレ!』

と定番化したRaspberry Piですが、いくつかソフト担当側が気づかない大きな落とし穴があることをご存じでしょうか?


ソフト系の人だけでなく、電子回路系の人であっても周辺技術を知ろうとしない人は

『ラズベリーパイがあるのに何でハード作るの?馬鹿じゃないの?』

という話をよくしておられます。


そのラズベリーパイが抱えている問題のなかで致命的なものの一つに放射ノイズ問題(+ノイズ感受性の高さによる誤動作問題)ってのがあります。

ちなみに放射しやすいってことは受けやすいことと同義語でもあります。


世間様は無関心の電磁波障害、EMC、無線関係の話ですが、昨今のなんでも無線化の世の中では非常に重要な問題になってきます。


この問題について、製品化するにあたってEMCやVCCIって言葉を最低限知ってるのか?がとても重要になります。

皆さんご存じの“自主規制という名のガチ規制”です。民生品であれば電安法を通せなくなります。

輸出なんて論外、あっちは自主じゃなくてガチの法規制ですからね?



ラズベリーパイがプラスチックのケースに実装されている場合や、特段放射ノイズに対する対策を施していない場合において、一般的な構成要素を採用すると、ほぼ間違いなくVCCIの規制値は(Class Aであっても)通ることがギリギリ困難です。

一般状態(家や公共)での使用条件は普通はClass Bで通しますから、まずClass Aが通るレベルにまで抑えたうえで、そこからさらに-10dB落とさねばなりません。

ノイズ担当者としては結構きつい要求であります。


『え?標準についてるCE認証は?』

と突っ込みが入ると思われますが、ソフトやハード構成変えたらノイズへの影響が変わるというのが技術的な知見からすれば当たり前のことなのです。

CPU負荷の殆ど無いソフトならノイズがないのは当たり前だったりします。

そう、ソフトやハードの構成を変えた後では再度VCCIなりCISPRなりの規格を参照し、プリコンプライアンステスト→コンプライアンステストをしなければ、販売していたら後々痛い目にあいます。

ソフトを変えたらコンプライアンステストを実施する(大人の事情でしてない場合でもこっそりプリコンプライアンステストぐらいはする)というのが電子機器関連の業界では当然に行うべき作業の一つなのです。


それを知らずしてハード設計(むしろこっちが主力)のできるソフト屋や機器メーカーたちにひたすらマウントとってくるよくわかっていない連中(主に純粋なアプリ系だけしかやったことのないソフト屋か、技術を知ろうとしない経営者)の多いこと…(涙

おまけに、こういうマウント取ってくる輩はUSBフラッシュメモリやマイクロSDカードの耐久性問題とかも完全無視で、こっちの言うことなんて全く耳を貸そうともしませんもんね…。

こっちはガチで産機用ハード設計しながらOS移植までついでにやってんだ!あんたはOSの上の話しか殆どできないないだろうが!話ぐらい聞いてくれてもいいだろう!!と思うこともしばしば…

…おっと…話が逸れました。ノイズの問題に戻します…



ラズベリーパイのEMC問題についてはどなたかが試しにやってみたものをこっそりサンプルで公開してくださっていますが、300MHz付近のノイズは某業界のリモコン周りで使用している周波数帯ですし、304MHz付近にもRFIDが居たりします。

普通に地デジの周波数帯や公共の無線、緊急無線帯に至るまでいい感じに出てますし、より高い方なんか酷いですよね…生(プラスチックケース含む)の状態では決して外に出せないことが如実にわかります。


顧客にうっかり通信障害(ビットレートエラーが多い、重くなった)が起きるな…なんでだろ?なんて思われてます。

運悪く?私のようにそれなりに知見があって、プリコンプライアンスできそうな一式持ちながら

クソ設計だ!m9(^Д^)プギャー

するのが趣味の人間だったりすれば、公開処刑がもれなく実行されます。

まぁ、それなら精々ネタにされるだけですから可愛いもので、うっかり始末の悪いほうのハム野郎に当たった日なんか確実に追い詰められます。そういう周波数帯が出ているんですよ?


さて、ここからわかることはラズベリーパイは産業用途としては使えないこともあるということです。



ですから、選択肢が1個しかないという状況は非常に危険

だからあえて言わせてもらおう、手段の数は1じゃなくて2にすれば問題ない!と…。

そんなわけで、手持ちの選択肢(カード)は常に複数用意しておきましょう。

どのような業界においても、たとえそれが販売であったとしても、1つしかないという状態での1という数字は忌み嫌うべき数字です。



企業・販売元・開発元として組み込みLinuxのプラットフォーム

(というよりはネットワークに接続しやすい何らかの組み込み機器)

が必要であり、そのプラットフォームを用いて開発するのであれば、

ラズベリーパイだけでなく、別の手段も用意することが望ましいですよ?

ハード寄りな所を解消してくれるエンジニアが居れば、世間様で売られている組み込みボードに大差はありません。



私はハードで処理できるところはできるだけハードで処理してソフト作る側に楽してもらいたい(というか、こうすると無用な争いが起きない)ので、とりあえずXilinxのZYNQあたりで妥協させてもらいます。

そう、ZYNQにLINUX乗せたがるのは『ラズパイだと(販売できなくて)やばいから』という側面もあることをお忘れなく…。

もちろんラズベリーパイ自体が産機としてのハード的な耐久性や信頼性という面でもいろいろ問題のある商品でありますが…。


ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2021年9月11日土曜日

自分の収入が下がってないからとはいっても、日本の総貧困層化は止まってません

 おはようございました。

技術士会での講演で太陽光発電ネタを扱う際、政商と失政と失敗しない代替手法の具体例を提示してるのだけど、凡その場合に『政治批判をするな!』とキレる聴講者がおられます。

今年の頭にもその手の啓発を投稿したら切れられて原稿が没になったのですが、それはおいおい公開することとします。


さて、講演では特定の団体・宗派・政党の支援をしてないし、悪いところは等しく批判してあげています。
具体的な問題点と、どうすればよかったのか?というところまで明確に指摘しているにもかかわらずです。

30年間批判者側の言うところの価値観で政治を動かしてきたから日本が貧困化した。
それが政商をはびこらせる原因にもなったし、今も平蔵やアトキンソンや金丸、電通といった中抜きを生業とした企業に食い物にされている。
だからこそ主権を持つ1個人として主権者として政治にも目を向けないといけないことを示さねばならない。

長期的な行政問題という広い時間領域でのPDCAサイクルとも言える基本的課題であることを扱え無くなったのだとしたら、残念なエンジニアですらない人間になってしまったんだなぁ~と諦めねばならない。

日本全体が貧困化してはいるが、批判する当人は何も貧しくなる訳もなく、所得もいう程減っていない。その分、賃金の上昇率低下という形で割を食っているおじさん連中や若者が極度な貧困化している現実なんて見ようともしない。

特に今の若者が貧困化(6人に1人というレベル)が相当まずい状況にあることすら理解しようとしないのであれば、その人の頭の中はバブル期止まりだし、国際競争力の低下は若者がー!!で片付けているのです。

バブル期とは比較にならない程生産能が上がってる(情報化・自動化等)のに給与が上がらん原因って、こう言う止まった人の食い扶持補填でもあるんですけどねぇ~。

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2021年9月8日水曜日

知らなければどうということはない(『 当たらなければどうということはない』ではない)現実を受け止めよ!

おはようございました。

最近はひたすら個人的なお遊び的駄文を散々書いておりましたが、今日はちょっと毛色の変わった話。


本来ならリコール隠し事件と称される結構な問題なのですが、当の本人たちが気づいていないという残念なとある企業の話です。

予め言っておきますが、このような話は日本の企業内では普遍的に存在します。この企業だけの問題ではないことを十分認識ください。

あと、このブログの表題にあるように『ここに書いてあることは私の妄想であって、現実とはあまり関係がないかもしれません』大事なこと何で2回言っておきました。


さて、今回話題にする企業の話は、現実に存在する製品の問題はどの様に表沙汰にならないのか?という話です。

この組織ではある製品が市場に出して暫くした頃に、製品付属の固定治具の溶接部品の強度が不足しているのではないか?という顧客からの問題指摘がありました。


その企業の開発担当部隊では役職の面々が集まって大騒ぎ。

指摘された問題点で見た目に分かりやすい溶接部分に対してのみ粗捜しとも言える程の集中砲火をし続けておりました。


しかしながら本質的な問題はそこではないわけで、

『本体が異様に変形することによって、固定治具の溶接部品に力がかかり溶接部が剥がれ落ちた』

という点です。落ちた溶接部は軽く固定する程度の溶接しかされていない箇所です。ここに荷重をかけようとか考えるほうがおかしい構造です。

ですが、全員がこの明確におかしい問題点については知らない顔して会議を進めておりました。


顧客から『リンク周辺の部分が1度使っただけで変形した』という言葉とその時の動画・写真入りの資料提出があったのにもかかわらずです。しかもこの問題は数回目という罠…。


遠めに見ていた私が『そういえば初見からアレの強度は明らかにヤバかったよなぁ~』と思い出し、概算の最大想定荷重の計算をしてみると、肝心の変形している箇所での動荷重の最悪値においては3000MPa程度は欲しいとオーダー計算ができました。

 ※ そこそこ現物を見てきた人間であれば初見でわかる程度のヤバさです。

この個所はリンク構造の部分なのですが、明らかに細すぎ小さすぎですね。

製品で実際に使われている金属はアルミ系の材料で精々200MPaそこそこまでで抑える必要があります。アルミであれば耐力や引張強度については十分余裕を持たさねば寿命という点で間違いなく危険です。アルミは微小な変形ですら寿命に大きく影響するのは言わずと知れた事実(のはず)なのです。

ちなみに静荷重ならOKという計算書が出ていましたが、耐力的にも規格値を十分に超えてしまっている訳で、静荷重であっても十分な永久ひずみが発生する計算になります。

実運用上はパンフレットでは『もっと荷重かけられますよ』的なアピールをされておられるので、たとえ静荷重であっても実際にはより荷重がかかる場面もあるわけです。下手すりゃあ運用中にボキッ!と逝きます。

ですから、何を根拠にこの計算内容と結果・設計根拠で良しとしたのか?が問われる内容となっているわけです。

個人的には『動いている相手に静荷重で検討するなよ…相手は暴れてんだから、せめて想定できる程度の衝撃荷重ぐらい入れろよ』と思うわけですが…。


つまり、根本的に設計上の強度不足という問題が露見していた(しかも明確に設計書で静荷重しか配慮していないという事実を残していた上に、耐力を超える静荷重でもOKで変形を良しとしていた事実を書いている)のです。

一度変形すればガタつきが起きますから、今回の用途では衝撃荷重が加わることは必至になる状況です。

ですので、想定している静荷重が引張強度は越えないものの、耐力を超えていた時点で1回きりの使い捨て用品になることを示している訳ですが、実際はそういった使い捨ては想定されていない製品です。

しかし、当の役職様方々は技術系部署の役職にもかかわらず、図面見ない&オーダー計算すらできない程度のなんちゃってマネージャーな状態です。

しかもこの問題は製品の完成に辺り関連部署ともやり取りしている訳ですから、担当部署だけではなく組織として全体。品質管理を含めた全社的な問題という有様で…。

※ この組織においては別件で検証結果の報告書を提出した時も図と絵と説明入りで、順番に読めばそこそこの素人ですら理解できる程度に落として優しく書いたつもりであった報告書ですら、『面倒くさいから読まない!』とそのままゴミ箱に直行した上司もいました。

この開発部隊の役職な方々の免罪符としては、

『メーカーの強度計算書でOK!いうてたもんッ!』

とか言い出すのでしょうが、試作納期と目先の成果欲しさに計算根拠に踏み込んでない(耐力超えてるけど?動荷重は?)という時点で、リコール案件ですよ?と…まさにコレ。



技術士なら止めろよ!と突っ込まれるかもしれませんが、当時の私は遠目にちらっと見た程度の部外者ですし、この組織は上司の顔色こそ全てというような組織ですし、口を出した瞬間何されるか分かったものじゃありません

まぁ、それに何かあったとしても重症には至らない道具ですから、自分の身の安全の方が優先されます。

生きて、生活できて、少しだけ余裕ができて、初めて倫理を語れるのですから、口を出すことすらままならない立場にあるのです。

それに、この組織に来てからは散々進言・苦言を呈してきましたが、過去に私の意見が通った例は過一度もありません。何かしら気に食わないと判断されると急ぎの数千円程度の物品購入で数か月待たされるという嫌がらせを受けるので、結局間に合わなくなって私費で何とか処理せざるを得なくなるという、遠回しにガンガン個人の資金力・耐力を削ってくる組織なのです。


因みにですが、知能の側面ではどのぐらい残念な組織かというと、過去にデータシートから明確に推測される問題(こいつは使い物にならないレベル)について進言したことがあるのですが、本人推薦の大好きな業者?だったらしく

『データシートに載っていることなんて、正しいとは限らないだろ!実際に実験したデータを出せ!』

こんなことを言い始めて、平気でプロジェクト全体を数か月止めるような組織体制です。

本人は予想通りの結果に半ギレでしたが、その翌月には

『何でこんなにプロジェクト遅れてんの?』

『何でデータシートに書いてあることを検証するような真似をしたの?』

と言い始る程度の残念な方々です。

(ちなみに組織の長なので、私がその方面の技術士で過去の職歴もその方面の知識もそこそこ豊富であることは知っているはずです。)

そんな訳で、この組織では私のようなガチンコ系変ジニアは最下位の人員なのです。

現代のように格差拡大信仰を推進し続けて上司(年間で数万円/月給与が上がったバブル期世代)と平(年間で数千円/月上がれば御の字)との差が余りにも大きくなり、毎年のように税をガンガン上げて使えるお金を減らしてくるような世知辛くなった日本で生きるためには、まず食うための身銭を稼がねばなりません。


さて話を戻しますが、このリコールにすら該当されるべき問題は

『たまたま溶接の品質が悪かっただけだろう』

『顧客の使い方が悪いんだ、もっと丁寧に扱うように指導せねばならないッ!キリッ!!』

という程度の認識しか生まれず、先送りという形で闇に葬られる運びとなりました…。


この事例は、どこの自動車会社やねん!と突っ込みを入れたくなりそうな様相ですが、世間の企業様で行き遅れが支配する開発部隊のレベルというのはだいたいこんなもんです。

ひたすら他人下げで相対的にのし上がった何も知らんド素人レベルの人材が、マネージャーと称して投入され、業者や部下にマウントとって毎日が過ぎてゆきます。そして部下には使わせないお金をドブにバンバン捨てながら、自分でも何かよく分からないものを成果物として会社で計上し、成果が出たから昇進と称して他部署に流れてゆくのです。

結果、組織に技術なんて残りませんし、中にいる人には技術の蓄積はできません。他社に頼んだ成果物は開発費が高い割には中身はブラックボックス。資料も何もありませんから、業者と取引がなくなればただのゴミとなります。

つい先日のみずほが似たようなことやってましたよね?

こうして開発部隊と称しながら、札束でマウントとる以外何もできない軟弱組織だけが残る結果となりました。


こんな有様が常態化しなければ日本の国際競争力がここまで低下することもありませんでした。

今の日本国内産業では大したものが作れない国にまで落ちぶれている現実から逃げてはなりません。ここ20年のもう成長しなくていいじゃないか路線のおかげで完全にお隣の国と日本の技術的能力水準・経済的立場は逆転しました。技術は生もので、黙っていれば陳腐化して競争力がなくなります。技術水準を守るためには付加価値を上げる以外の手はないのです。

今の日本は発展途上国並みなのです。

その事実から目をそらしてはなりません。



この一連の流れからわかることは、組織に属す人間にとっての本質が、

『リコール隠し云々以前に、問題であることを認識しなければ、どうってことはない』

という程度まで堕落しているということです。


社会活動における倫理的問題については、コンプライアンス!と叫ぶ経営層側の問題が主要因あって、技術士程度も取れないような連中が技術的なマネージメント役職ついているという、どう考えても頭のおかしい経営側の人選にあることが多いように思います。


確かに会社には屑な平社員が存在しますが、屑な平社員が会社において実行できる反社会的や非倫理的行動なんてたかが知れていますし、会社組織を通して社会に迷惑をかけるような事象があれば、上司が止められる組織体制・教育体制でなければなりません。今回のような件では明らかに組織側が推進者なのです。


技術職って何の仕事ですか?技術職のマネージメントって何ですか?

もう一度あなたの会社の組織体制を考えてみましょう。

SDGsや環境問題、人権問題、性差別問題などもそうですが、こんな一見響きのよさげなキャッチコピーの声をあげる人ほどその問題を発生させている根本原因であるという現実に気づかねばなりません。

我々は正しく検証を行い、より良い物事の判断基準を自らが律せねばならない立場にあります。


しかし私はマネージメントの経験があっても、あくまでも今は超絶平社員。

組織には属していますが、技術士としての仕事にすら携わることを許されない干された窓際族的立場なのです。

このような組織的な問題からはちょっと離れながら

m9(^Д^)プギャー

しつつ、毎日ネタができた!酒がうまいッ!!と人生を楽しむ材料にさせていただきます。

嫌なストレス溜めないで健康的な暮らしをする最大の秘訣は、バカの相手はしないことです。

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2021年8月1日日曜日

最近の省電力のRFID環境は非常に悪いので、受信機側で対処策を施す

おはようございました。
最近の『なんでも無線でやっちまえ!』の影響もあってか、弱電波かつ省電力系のRFIDにとっては一気に厳しくなっております。

特に変調方式が単純なON/OFFのもの(広義のAM)やAMのような変調方式であれば、ものすごいノイズに弱い変調方式です。
そのため、周辺のノイズ環境で何も取れなくなるという事態になることがしばしばあります。

そう、太陽光発電(全体的な周波数帯のノイズが底上げされる)とか、違法無線(特定の周波数でフィルタで抑えきれないほどの電波強度)とかな!

そんな訳で本来の性能を発揮できないRFIDレシーバーに対して、
『これでもかッ!』
という程にS/N比向上対策をしようと考えた訳です。

とはいうものの、304MHzなんて変な周波数帯(公称は309MHzらしいが…)を使っておられれるので、かなり大変。
レシーバー側はSAWのBPFが1段入ってるだけでプリアンプも何もないので、超近距離用途限定の代物なのですが、それを数m離れたところで、しかもそこそこの速度で移動している物体を検知したい、しかも確実に取り出したいだなんていったものだからさぁ大変…。

そんな訳で、受信機の内部に加工を施すと色々厄介なので、アンテナから受信機の間に何かを入れるということで妥協することにしました。

まずはバンドパスフィルタ。
LCで組むとかなりの段数になるうえに、そんなに急峻ではないため、セラミックの物理特性を生かしたSAWフィルタを使えないか?と探したところ、ディスコンになった村田のSAWフィルタの流通在庫を幾らか手に入れることができました。
多量に生産するときは、近い製品で販売中のリール買いできる物があったので、とりあえずこいつで茶を濁そうと思います。

使用部品を用意して、まずは基板に電気用接着剤で仮固定
頭で描いた手順確認しながら、1個目を作りつつ手順の整理をしてゆきます。
完成したので、残りの3台を同時並行で作りこみ完成。
完成後はフィルタの特性を簡易的に計測して電気的なミスがないか確認しておきます。
最後にポリアミドのホットメルトで封止して、熱収縮チューブとテプラを張って、完成。
フィルタ後のプリアンプはAmazonに転がっていたSPF5189Zを使ったものを2台用意しました。

するとあら不思議…周辺のノイズで全然受信できなかったRFIDが20m近く離れても十分に取得できるようになりましたとさ…。

結果から言えばこれで片付くような簡単な代物ですが、電波を扱ったことの無い方には何でトラブルが起きてるのか分からないとか、どうやって原因を探すのかもわからない方が多くいらっしゃいます。
原因が分からねば対処方法も見つけられませんので、原因の特定を確実に追い込むことが成功への最短距離です。
そう、技術の世界にコレをやれば何とかなるというような魔法の薬や言葉はありません。
治ったとしたならそれは運が良かっただけなのです。

敢えて言わせてもらいます。
『電波物をやったことがない人は素直にノイズ対策か電磁波経験者に教えを請え!』

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。