2014年6月21日土曜日

agilentの展示会 AMF2014で感じたこと

おはようございました。
今週はパシフィコ横浜にてAMF2014が開催されていました。
日ごろ自分が整備しているためか、バイクの車検も一発合格し、超絶ご機嫌の私は、有給休暇という手段を使って参加する事にしました。

個人的に思うのですが、こういう展示会を出張扱いさせない組織になってきている日本企業というのは、とことん自爆したがっているのだと思います。
自分の周りだけに技術なんてありませんし、ましてや研究者でもない人間が、他分野の技術使わないで勝てる・食ってゆけるとでも思っているんでしょうか?
超絶に甘い考えです。イノベーションとか厨二病用語ほざく暇があるのであれば、こういう異文化交流にこそガンガン力を入れるべきだと私は思います。

生憎私の所属している会社は上(課長より上)から測定器関連にお金を使わないことを明言されておりますから、私個人の趣味ということで参加に至ります。ただ、その個人の超下級平社員にココ1~2年で何億も損失低減して頂いている事実に会社が気づかないというのは、悲しいものがありますよねぇ~。課長の決裁枠20万で、何が買えると言うのでしょうか?会社のトラブル対応で頻繁に使っている家に置いてある測定器すら買えませんよ?と…。

さて、愚痴はさておき、本題。
AMF2014では幾らか収穫がありましたが、それ以上に世間様の測定器ビジネスに対する姿勢不足が浮かび上がりました。
私が主に感じたのは次の点です。

  • 高速なシリアル信号技術の応用から、Reference Clock の jitter が問題になりつつあると分かっているにもかかわらず、誰もその正しい評価ができる環境を提供していない。
PCIe Gen4.0の話ですね。ますます速度が上がり、8GHz駆動になるというので、FR4基材では限界に近い構成になります。10GHzがおそらく技術的な限界だと思うので…
3.0の4GHz⇒8GHzですから2倍です。PCIe1.1の1.25GHzがお子様に見えますよね。実際、普通にジャンパー線してもアイが潰れにくかったので、騒いだ割には(DRAM規格と比べ)随分と楽な規格だな…と思ったものです。
しかし、今度はそうは行きません。Clock発信源のjitterの規格が厳密に定められました。このjitter範囲を厳密に守るということは、Reference Clockを厳密にしなくてはならないということにもなります。
原理原則に立ち返って考える必要がありますが。Clock発振器は水晶の機械共振という物性を利用した振動子です。その電圧が変動する⇒振幅が変動する(厳密には通過した充電電流で振幅が決まる)ということは、Clock発振器の電源に関しては厳密に安定化させる必要があります。
つまり、電源のノイズは厳密に制御されていなければなりません。
しかしこの問題とは裏腹に、電源に関してまともに議論できるエンジニアは誰も居ないのではないでしょうか?
痺れを切らしたIC・LSIメーカーがマルチチップパッケージという形で電源回路やバイパスコンデンサをパッケージ内に埋め込んで利用者側の低レベル加減を補っているのが現状です。
これ、非常に危険ですよね。Clock発振器の電源電圧がClock発振器の言っている電源規格の間をバタバタ暴れたら、jitterは規格に入りません
おまけに一般のPC電源は超絶に粗悪な電源です。一度測ってみたら分かりますがぶち切れしそうになります。
つまり、昔悩まされた“相性が悪いので動きません”という事態がまた起きる可能性が現れたと言うわけです。

  • 電源のノイズ除去比(PSRR)に関して殆どの人が測定に関して無知である。しかも、それを危険だとも思わない。
恐ろしい事にアジレントのエンジニアですら?マークの飛び出る内容のようです。
私が現役だった頃は電源インピーダンスなんて当たり前、PSRR(電源ノイズ除去比)こそが対処すべき問題だと口をすっぱくして熱く語っていたものですが、まだ世間は追いついていないようです。
過去このブログ記事でも書きましたが、1次側電源電圧が暴れる事によって2次側の出力にどれだけの影響を与えるか?というものです。
電源ノイズ除去比の例を出してみます。

見てのとおり、低い帯域だけでは話になりません。現実世界では基板のベタ+トランス結合による上の周波数(MHz帯)も計って何ぼです。2つめののグラフの電源は1次側と2次側での共振が見られるので、何かしら手を打つ必要があります。
尤も、これはあくまでも金のかかっている産業機器用のAC/DCコンバータの例です。現実はもっと酷いです。

計り方はきわめて安定化された電源に横からノイズ重畳用のトランスで振動を与え、出と入りの暴れ具合を比較するという単純なものです。ぜひ正しく計って、前向きな改善をして戴けることを望みます。

  • 三相のデバイスに関して、評価するジグが一切無いのに、誰も疑問を呈していない。
これも意外と誰も要望しないのですが、現実世界において、三相デバイスは結構複雑です。だからこそネットワークアナライザの6ポート以上が欲しいのですが、市場にはあまり多く有りません。
欲を言えば個人的にR(入射・ソース)、A(反射・Ch1)、B(通過・Ch2)、全て別ポートの9個端子で低周波から測れるゲインフェーズアナライザとしても使えるものを作って欲しいです。
相互インダクタンスの塊なので、単相毎に測定をやっていたら日が暮れるのですが、あまり理解されないようです。電気自動車やっている人はさぞかし大変だろうなぁ~と思うのですが、本人が重要性に気づいていないだけかもしれません
さっさとどこかの企業が作ってくれないでしょうか?産業機器業界でこれが発売されたら、寿命診断にもってこいなので、億単位を容易に稼ぎ出せる物凄い強力な武器なのですが…。

と、まぁこんな感じで今後の課題点と疑問点が浮かび上がりました。分野の違う人がたくさん居たので、技術の応用する成果はすごいものだという事が分かりました。
このブログを見ている方は、私が社会的都合で止める必要性を感じない範囲であれば勝手に技術の垂れ流しをしますので、存分に用いてくださいね。現地(日本語以外)の言葉でも良いので、リクエストしていただけると助かります。

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2014年6月17日火曜日

近々の宣伝

おはようございました。
更新が少なくて申し訳ありません。無事に生きております。
そして、ロシアの皆様ごきげんよう。最近ロシアの方から急激にアクセスされ始めました。
どうやらチャット?でカーオーディオのPSRRネタを晒されているようです。
けしからん!もっとやれ!!
という事で、近々の個人的宣伝。

愛知県技術士会のワイガヤフォーラムにて講演させていただく運びになりました。
内容は
“最近の若い人の傾向と対策”
今、日本ではとんでもない新人が大量発生し、社会がまともに回らなくなりつつあります。
その歴史的背景と対策について、私なりの見解を述べます。
所謂ユトリ教育世代問題です。
まぁ、何を言っても経営者が段々低レベルになりつつある日本では、一度社会構造から見直しが必要なのかもしれませんが…。


あともう1点、会社である装置を修理しています。近々に部品が手に入り修理が完了すれば晒そうと思います。
こういう修理ネタはメーカー虐めに近い気がしますが、ここに書いてあることはあくまでも個人的な見解で一切の保障はしませんのであしからず。
おそらく設計上どの使用環境でも通用するネタですが、文句を言われると困るので、ココの説明に加えて大事なことなので、あえて2回目を言っておきました

会社ではこのネタをさらっとやってのけて、暫くの間生産停止する危険を回避しました。
額面にして最低数百万円、最大2億円ぐらいでしょうか?
いい加減、関係者連れて(と言いつつ、殆ど居ませんが…)飲みに行ける位の臨時ボーナスぐらい出して欲しなぁなんて思っている今日この頃です。

このネタを使って、これに関連する装置の延命措置ネタを記事にしますので、暫くお待ちください。実証して初めて晒します。
1のことを2~3ぐらいに膨らまして誇張することはたまにあっても良いかもしれませんが、無いことを言うのは駄目です。

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2014年6月11日水曜日

今日の小ネタ NEMIC LAMBDA EWS電源インピーダンス

おはようございました。

今日の小ネタはNEMIC LAMBDA製のEWSという電源のインピーダンスです。


…悪くは無いのですが、制御とコンデンサの切り替わり箇所における共振の抑え方が不適切であることから、少し手抜き感が感じられます。
設計者の方は精進してくださいね。

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2014年6月3日火曜日

製品の戦略、可能性と技術による決まり方

おはようございました。
日本では梅雨と呼ばれる時期に入りました。
この季節になるとバイクに乗れないのでストレスが溜まり易くなり、精神衛生上とても良くありません。
ハウスダストの嫌い(アレルギー)な私にとっても天敵の季節でもあり、喜ぶのは下着が透ける事にエロスを感じる好色家の皆様ぐらいではないでしょうか?

もちろん私は好色家ではありません、弩スケベです。
物事は正しい表現をしましょう。


さて、つかみも取れずに掠った所で今日の御題。
世の人が言うには設計段階で製品に関わる品質の良否に関しての8割が決まると言います。
私はこれにもう少し味付けをすべきだと思います。

例え製品が良い物であっても、使い道・感動・所有感の充足がなければ品物は売れませんし、会社として赤字は必至です。

私は、企画段階で成功の可否が8割方決まると提唱します。
技術も市場の能力も会社の能力も全てが身の丈に合っていないと、製品はヒットしません。

例えば優秀な技術があったとしても、世の人が良いと感じなければ商売にはなりません

車ならば日本車で言うところの三菱・アイ、日産・初代ティーダ、トヨタ・オーリス、何であんなに車としては上出来であるのに、あんなに売れなかったのか?
今でも不思議なように見えますが、日本の顧客にとっては全部中途半端な位置付けの車である事がよく分かります。
例えばアイであれば軽自動車だから売れません。アレがコンパクトカーであれば市場が全く様変わりしていたでしょう。ホンダのFitに並ぶ製品にすらなりえていました。(FITではないところがミソ
BMWのi3が賑わっていますが、あんなのより早く先手を打てていたことは想像に難くない。
ティーダ、価格が中途半端でした。いい車であっても、日本人は価格で物を見ます。そして、安い車なのに若干高め価格設定は微妙な空気を生み、その後にノートが販売されて自爆し、更に泥沼化しました。
オーリス、カローラランクスを少し大きくしたために都市部の連中が引きました。つまり、狭い道路にこの車は厳しいのです。かといって高級車でもありません。作りが安いので、郊外の顧客は2ndとしても、1stとしても優秀な機能をなしません


最近は過去の技術があると思い込んでしまったがために、まともな商品になりえずにコケた例、コンセプト倒れなものもあります。
最近のソニー製品:コンセプトは良いときがありますが、製品に仕上げる技術・能力が無く、途中で企画倒れし始め、比較的早期に妥協が混ざり始めます。製品になる頃には、よく分からない変なものが仕上がって市場に流れます。
少し前のゲーム機:ソフトウェア会社に開発できる力がないハードを作ってしまったがゆえに微妙な空気が流れました。
最近のスポーツカーもどき:車体も足もブレーキもサスもエンジン、また補機類までもが中途半端。何一つまともに作っていないので、皮だけの中身のない車が仕上がりました。えぇ、代表例はあえて86・BRZとは言いませんが…。

コンセプト倒れは決して小さな問題ではありません、そこに技術の軽視、技術というものに対しての不敬の表れが企業として現れているからです。
もうこの会社に○○を開発する能力がないことを世に知らしめている・公然と暴露している。
そういういう事を平気で実践CM行っているのですから、余計に性質が悪い内容です。

スバルなんかはさっさとトヨタと手を切ったほうが良いんじゃないかと思えるぐらい可哀想で仕方がありません。1から開発させて貰えていたら何の問題も起きなかったものを、横槍入れまくられて、失敗作の流用までさせられて…アレじゃぁ被害者ですよね?

さて、不思議なほど“お前が言うな!”と言う事例が世には多く存在します。
就職活動でも散々言われている内容ですが、こういった自爆をする会社は自己分析が足りていません
あれれ?会社側が散々面接の場で学生を相手に説教垂れていませんでしたっけ?
業界の位置付けや、会社単位の相関性、金の流れ、客の動向と言う比較的見え易い物にばかり気を取られ、肝心な自分(会社)の能力は何か?会社は一体どのぐらいの技術力を保てているのか?と言うことの見える化を怠っている訳です。

そりゃ難しいですよ?技術の見える化なんて、数値では間違いなく表現できません。ぼんやりとした像が出るぐらいで、そこから先は何も具体性を生みませんからね。
一時期誰かさんが流行らせた“意味の無い数値化による意味の無い評価方法”で評価するしかありませんが、事務しか知らない役職・経営陣がその意味の無い数字を出せるわけもありません
そもそも、黙っていたら技術が衰退すると言う根本かつ重要な問題を知りもしないでしょう。

自分(会社)が実社会相手に描ける像なんていうのは、おおよそそんなもんです。
画にはなんとなく描けそうだけど、よく分からないものが仕上がってしまいます。
そのよく分からないものを自分なりの解釈と意思判断で動かす…経営なんてそんなもんです。
だからこそ、経営者をこなす人は芯の通った変人である事が求められます。
他人の顔色伺って経営することは、自ら地雷に足を踏み入れること同然です。
また、他人の顔色を伺うと言うことは必然と数値を気にし始めますから、数値だけで経営をし始める動機にもなります。
そして、数字だけで経営し始めたときは、その会社に終焉が来たことを意味しています。

経営は難しいし、何も無い状態では技術の位置なんて知りようもありません。
ただ、近くに真の技術者がいるか、もしくは自分自身が真の技術者であれば、自分の立ち位置ぐらいは周りの製品群のレベル・似たような立ち位置の人からおおよそ推察ができます
そして、自分(会社)にとっての目標・夢と、現実世界での落とし所を表現することぐらいは比較的容易に行えます

コンセプト倒れって言うのは“夢と現実を区別する”そういう事すら出来ていないから起きる訳です。
要は妄想の厨二病と同じ状態な状況であると言えます。

ね?厨二病と同じ事に気付いて初めて危機感覚えたでしょ?
“俺は本気を出せば出来る人間なんだ!”とか思っていても、“自分の能力の限界を知らない厨二病患者がただ妄想しているだけ”ですから、結果が伴う訳がありません。
“貴方の本気”の底上げをするには日々の鍛錬と努力、そして感性の磨き上げ以外に手はないのです。

会社でも個人でも、内面的に成長し続ける意気込みが無くなったら、そこで人生(社史)と言う名の壮大なゲームは終了なのです。
尤も、腐りたくて腐っているなら誰も止めませんけどね…。

これを見て見苦しさを微塵でも感じたのであれば、周囲には身の丈にあったものを求め・要求し、自らは日々精進して、その身の丈より少し背伸びできるようになることをお薦めします。



ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

今回の小ネタノーケン製KRVの修理

最近、よく
『こわれたから直して』
と、精密機器を渡されるのですが、
分解してから言わないでほしいと思う今日この頃です。

こういう機器の故障修理をするに当たって肝心なのは、どんな状態で壊れたのか?というのを分解しながら状態を観察し、推測することだったりします。
そんな訳で、分解された状態で渡されると『???』となり、解析するのにえらく手間取るのです。
最近私大方のものは直すのが分かって来たらしく、分解して自分で構造を納得してから渡してくれます。
正直勘弁して欲しい…と思う今日この頃です。

で、今日の御題はノーケン製KRV
誘電率という物性を利用した検出器です。
電気的共振による検出で、LCの共振中を平常時に設定します。検出時は周囲環境の電極物質が近傍に近くづくと、比誘電率が1から外れることによって共振が外れて電圧が変化し、検出します。
構造がいたって単純で色々と検出精度が高く、色々な業界で使われている方式です。

さて、あいも変わらず?に壊れた箇所は

  • トランスの足が金属疲労により破断
  • コンデンサの寿命による劣化

の2点。非常に教科書的な壊れ方です。
そもそも、熱いところで使用している上に、隣でハンマー使ってガンガン叩いているので、嫌でも金属疲労がおきます。
直接的な原因は電源のコンデンサが劣化してPSRRが劣化したので、定期的(100or120Hz毎)に共振が外れ、綺麗に安定して検出できなくなるというものです。
トランスはばらしたときに偶々気付いたと言うほうが正しいかもしれません。(厳密には検出精度を幾らか左右させていますが、そんなに問題視されるものでもない)
重いものは電気用接着剤で固定するという基本的なことが守られていない素敵仕様です。

コンデンサは相変わらず85℃品が使われているので、ちょっと温度の高い場所で使っているとあまり時間が経っていなくとも肝心な共振が外れ易くなり、測定器としての機能が壊れます。
産業用途だって言ってんのに、どういう神経しているんでしょうね?設計者を小1時間問い詰めてみたいところです。

そんな訳で、電解コンデンサを入れ替え、トランスの金属疲労箇所のはんだ補修とポリアミドでの固定。これだけで簡単に本日の日給分が稼げました。時間にして30分。




ちなみに、電解コンデンサと並列にセラミックや、フィルム系のコンデンサを入れて、リップル電流を下げてあげる工夫をすると、もっと寿命が延びます
コンデンサの寿命はあくまでも、外気温度に加えて内部発熱で上がった温度が基準です。
リップル電流を減らすことはとても重要なことです。
電源を触る設計者は、どの程度のコンデンサを並列化すれば価格性能比が一番優れるのか?
幾らか実例で計算してみて、実物を見て、確認しておくことをお薦めします。

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2014年5月30日金曜日

それ、ただの甘えではありませんか?甘えと平等は違います

炎上するかもしれませんが、あえて言わせていただきます。

ついこの前、こういう団体さんのチラシを配られました。
私から言わせて貰えば
『学校辞めたくないなら、寝る間削って働けよ?』
となります。
変でしょうか?
私は自分の学費ぐらい自分で稼いでましたよ?
学校に行くために泣きながら這い蹲って、肉体労働24時間勤務3日連続だってこなしましたが何か?
指くわえて待っていようなんて、甘えてんじゃないですか?

本来勉強するってことは、物凄くお金のかかることなのです。
講師・教師は1日10万近くの利益・価値を生み出さないと、学校という組織を運営する事がほぼ不可能です。

そんな基本的な現実も子供のころから教え込まれないで、一体どんな新社会人というモンスターを生み出したいというのでしょうか?

甘やかし過ぎではないですか?と私は思うのです。
『欝っぽいわー』という偽欝患者に対する甘やかし並みに甘やかし過ぎだと思います。
こういう輩はきっちり落とし前つけさせるべきですし、それが分からないなら、しっかり再教育すべきです。

正しくあるべきは、正当な報酬を受けることができ、かつ、高校生にも可能なアルバイト先を斡旋する団体の設立(例えば小学生塾講師や、夜間の比較的軽度な日雇い)であって、単なる資金の提供ではないはずです。

小学校・幼稚園・保育園での中途半端な慈愛精神の育成、皆平等の正しい理解の欠如もありますが、親の能力が圧倒的に地に落ちたから、こういう団体ができ上がってきたんだよなぁ~と思う今日この頃です。

皆平等というのは、努力する機会が平等という意味であって、何もしなくても皆と同じ地位に居ても良い平等ではありません


ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2014年5月29日木曜日

労働者への○○は義務という言葉

随分と日が開きまして申し訳ありません。
苦しいながらも無事生きております。
先日のETの会(倫理研究会)講演に続き、6月の愛知県技術士会 ワイガヤフォーラムでもお話をさせていただく運びになりました。
題材すら決まっていないので困ったものです、何にしようかと悩み中であります。
これを見ている方が良い題材を持ってきてくれないでしょうか?(ぉぃ)


さて、日本国内は好景気への急激な遷移が業界内部で淡々と行われています。
消費税が3%も上がったのに、上がる寸前の3月に特需があっただけで実質的に大して落ちていないというのは、かなり素晴らしい傾向ではないでしょうか?
その急激たるショックの影響か、色々と労働問題が世間で騒がれております。
特に今まで給与を叩かれ労働を強いられて来た日雇い・派遣・個人事業主への業務に対する日当の不当性が表沙汰になり始めています。
私も技術士会という場の中で、
ただの下級平社員から見た会社組織の横暴さ”
や、
“最近の日本企業の経営方法論が、『法の抜け穴探し』『如何に聞こえの良い言葉を並べる事ができるか?』『社員からの搾取』に偏っていることへの警鐘”
をぶちまけているのですが、技術士=相手も会社の経営陣である事が多く、
分かってはいるものの変える事ができない現実
を返してきてくれます。

私は思うのです。
“その苦しみを背負い続けなければならないのが経営者という身分であり、その覚悟がない限りは経営者になってはいけないのだ”
と…
だから私は覚悟をしなくてはならない時期が来ない限り、あえて役職に付くという選択肢をしません。
会社の昇進なんて、如何様にでもできます。政治家ごっこをしてれば簡単に昇進ができます。しかし、それで昇進することは社会悪だと断言します。
社会に対する貢献性という面では、本人にできる能力があるのか?の方が問われるのです。
私には『今は面倒くさいから嫌』の一言で昇進の拒否を返します。だからこそ、下級平社員として好き勝手な事が言えるという構造を生んでいます。

私がそれなりの地位なら、それなりの事を言ってもう少しまともなブログになっているでしょう。
尤も、そのうち資金面のショートでそういう我侭を言ってられそうも無くなりそうですが…。

何で技術者・エンジニアって、こんなにも勉強にかかる出費が多いんでしょうねぇ~(涙


さて、講演の場でこういった苦しさを私のような超低級平社員へ投げかける場合は、“自ら自分の会社はブラック企業だ!”と言い切ってから投げかけてきます。
そのときは素直に一端相手の言いたいことを全て聞き入れるべきだと私は断言します。
相手が本気で悩んでいる生の声を無償で教えてくれる機会なんて 滅多にありません。話の腰を折らず、じっと耳を傾けましょう。
そういう場合、おおよその話が“社員の生み出す成果への不満を題材にした、遠まわしな講演者へのアドバイス”だったりします。
ココをうまく受け取れるかどうか?で、今後の人生が大きく変わりますよ?

おっと、先に言っておきます。間違ってはいけませんが、“自分でブラック企業だ!”と言える状態なら、言った本人はこの問題を解決する答えがほぼ見えています。
その時点でブラック企業ではありません。ただの経営難です。
ここの対処法を間違えるとほぼ失敗します。
私はそういう形で失敗した会社も多数見てきました。

話を戻して、

  • 労働者の義務とは何ですか?
  • 技術者の義務とは何ですか?
  • 会社の義務とは何ですか?

こういう、難しい話の実践的な答えが倫理研究会では求められます。
私の思うところは
  • 労働者の義務
    • 与えられた賃金・期待・環境に対して、対価である労働・知識の具現化を正当に支払うこと
  • 技術者の義務
    • 与えられた賃金・期待・環境をもって、類稀なる知識の融合により会社の抱える問題解決に挑むこと
  • 会社の義務
    • 法人としての集合された能力を生かし商売を行い、社会を正しく回すことによって得た利益・価値を、関係者へ正しく分配すること

であります。
個人・法人のどちらに対しても、
権利に対する義務・責任
という形で義務・責任が並びます。しかし、権利も義務も同時に発生します。権利と義務のどちらかが先か?なんて不毛だと思います。
それにも関わらず、何故権利を先に述べるか?権利こそが働く最初の意義であるからです。

我々は無料奉仕をしたいのではありません。
何かの対価が得たくて労働・行動を起こします。慈善事業も言ってみれば博愛精神という自己満足を得たいからです。
単純なことですが、これを前提に話を進めないととんでもない事になります。

労働者に対して、
”この仕事をするのはお前の義務だ!”
なんていう事を平気で言い放つ人が居ますが、
”その義務に関して、市場価値に見合った対価を支払う準備・覚悟があなたにはできていますか?”
という事を理解できていない場合がとても多いのです。

ココで重要なのは対価=お金ではありません
生活の安定の確約、次の仕事、労働環境の改善、業務の価値向上、自己研鑽の機会など多岐多様に渡ります。
その覚悟がないのに言い放つの人間の多いこと多いこと…(涙

ブラック企業の典型例は
“自分(会社組織)が今まで努力してきたんだから、個人に対してもその義務は発生する。”
という勘違いです。
『俺がやったんだから、お前もやれ』という理屈ですね。
王将・ワタミ・ゼンショーなど外食系がこれに該当します。
ボスはそれで会社拡大と、巨万の富を一時的にも手に入れられたかも知れません。
しかし、社員があなたと同じだけの苦労をした場合、社員に対してその富を分配する覚悟があるのですか?
ココで○ならブラックではありませんが、×ならブラックです。おおよそが後者ですよね。
社長・役職・先代はいくら苦労したか?それは物凄い苦労だったかもしれませんが、それを一般社員に求めてはいけません。
今所属している一般社員はこの会社に一般社員として居る限り、社長・役職ほどの対価を得られる保障を何もされないのですから…。

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2014年5月19日月曜日

2014年5月18日ETの会での講演の反省と次への一歩

無事?18日のETの会で講演が終わり、一定の評価が得られました。
突っ込まれるだろうな…と思われていた箇所も無事に深く突っ込まれ、ある意味安堵しています。

  • 発散しているので絞った方が良い。良い内容だけに勿体無い
  • 答えの例まで見せた方が良い
  • もし会社を動かす気でコレを書いたなら、金銭面まで具体化されていないので、落第点にしかならない
  • ブラック企業がすべてが悪いわけではない、帰属意識という志気の方がよっぽど重い。
  • それでは、良い意味での社員の社畜化、教育、成長をどう進めるべきか?

など

当日来られなかった方へどういう内容を話したのか?ということを簡単に述べようと思います。

私は電気電子部門の技術士、それも転職の多い多分野の業務経験を持つ特殊な人間ですので、それを元にエネルギーと倫理とのつながりを、見えている範囲で纏めました。

既に公表された記事の中から、電気のエネルギーの利用実態を示し、エネルギー消費の改善について的をを絞りました。


  • 産業なら工程の流れを考えた施設作り
  • メンテナンス要員の増強
  • 会社の中でプロの育成する教育環境
  • 正しい原単位の知識・使い方を広げる
  • TPMは素人のDIY、産業界では危険
  • 製品ライフサイクルを考えた製品への回帰
  • イベントをこなすだけの新製品モドキは何も良いことを生まないこと
  • 業務系(サービス業)なら、冷暖房削減はコンピュータの寿命に直結するのでHfの蛍光灯へ変え省エネを図る
  • LED電灯よりも高効率蛍光灯のほうが圧倒的に効率がよいので、LEDはON/OFFしない限りは使わない
  • 家はテレビ(白痴箱)の消灯、意味の無い雛壇芸人の内輪ネタ見るよりも、現実の世界で内輪ネタやったほうがはるかに楽しい。クイズ番組がクイズ番組ではない、小学生の参考書でも見ていた方がマシ


というような内容です。
更に一歩踏み込んで、経営・国家戦略が省エネに直接寄与する事実を述べました。
GDPの半分は国内の個人消費⇒国民の使える金を増やさないと話にならない。
だからこそ景気対策、ブラック企業対策はしっかりしておかないと、日本が危ない。

このブラック企業も、実際のところ過去の実績から言うと然程ブラック化が酷くないのではないか?
という話も上がりましたが、食って生きてゆけない現実が悪態化している事実であることも述べました。
過去、日本社会がまだ正常といえた世界では、ブラック企業といえど、衣・食・住を提供して、丁稚奉公させる方式でありました。だからこそ、会社のために死んでも仕方ないという風潮でありましたし、或る程度のリスクを犯してまで会社に帰属する価値があったのです。
社蓄は生きてゆく手段の提供とその定年までのしっかりとした保障を担保にして生まれたのです。
しかし、今のブラック企業では現金以外の収入源がほぼ0です。
おまけに実質的な物価の上昇(価格対寿命低下や、内容量の減少による上昇)、増税の連打これではまともな社会に近づけるはずもありません。
政府が給与を上げなさいと散々言って居るにも関わらず、まともに上げない企業が、どれだけ多いことか…

そんな中、真面目に仕事しようとしても稼げない、将来は不安、おまけに魅力的な商品群が現れないのでは、消費は落ち込み、負のサイクルに浸ります。

だからこそ、我々技術士からでも、マシな一歩を踏み出したいという話を述べました。

こういった話に興味のある方は、ぜひこの会に来ていただけると光栄です。
今回の議事録起こし担当になったので、とりあえずボイスレコーダを聴きながら綺麗にまとめて整理を行い、今後への第一歩にしたいと考えています。



ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2014年5月11日日曜日

電子回路のコンデンサに関する設計方法 ~カーオーディオ編~

おはようございました

先日の記事は楽しんでいただけましたでしょうか?
さて、先日の話では生の設計したコンデンサでは、0.7F近い容量が必要です。
バッテリーの電圧や、マージンを配慮すると、電圧の耐圧は16Vでは少々不安ですので電気二重層コンデンサと言えど、結構な直列数。
そして直列=電圧のバランサ(簡易的には抵抗でもよい)も必要ですので、結構な面倒くささになります。
また部品点数増えたら、その分故障確率が上がるわけで、あまり好ましくありません。

そこで、アンプの入力につけるコンデンサに関して、内部にフィードバック機構がある場合=PSRR(電源ノイズ除去比)によって電源のノイズと出力のノイズの相関が綺麗に特徴のある形で現れますから、この値を用いて静電容量を決定します。
先日の機器CX-484の場合、1kHzより少し前から下がりだし、1kHzで40dB、以降20dB程度まで下がります。
このことから、1kHzぐらいを目標にして電源用のコンデンサを設計すればよいことになります。
では、先日の一連の流れを1kHz中心にして設計を行います。


先日の計算式から、
インピーダンス的には、13200μF
エネルギー出力の電圧低下的には69790μF
最大リップル電流や寿命は変わりません。
そうすると、結構現実的な値が見えてきます。

勿論、カーオーディオで120Wなんていう、中の人の鼓膜が破れかねないような、そもそも純正スピーカーが耐えれそうもないありえない非現実的な数値ではなく、現実的に使う領域の出力より少し上の値を目指せば問題ありません

インピーダンスは厄介で、出力していなくとも周波数帯で変動する為、下手にターゲットを絞るのが困難です。
そのため、出力電力+損失で出力のおおよその最大電流値を決定し、それに影響を与えない値を見積もって設計します。

参考までに、私の場合は突発性難聴持ち、安い車ですし、サイズの制限もあり、10000μF前後で落ち着きました。
そう考えると、入力のコモンモードチョークコイル(mHオーダー)は必須要件になります。
参考までに画像を添付します。





ポリアミドのホットメルトで機械的な補強を行い、電解コンデンサの排圧弁以外は埋めています。
純正のケーブルを少し加工し、容易に脱着できるように変更を行いました。
いつでもすぐに純正に戻せる改造こそが、真のあるべき改造だと思います。
基本は容易にアセンブリ毎での改造品交換ができることが必要です。

セラミックコンデンサを複数用い、電解コンデンサに流れるリップル電流を低減しています。
また、サン電子工業のEP-cap HVHコンデンサを2個使い、リップル電流を分散しながら高い周波数帯までインピーダンスを下げています。
低ESR⇒OSコンデンサを使うんじゃないの?と疑問を投げかける人も居るかもしれませんが、元三洋が開発した中でもこちらのコンデンサのほうが製造工程上において、絶縁膜が非常に強く、短絡状態での故障が殆どありません
元からマージンを広く取った耐圧設計なので、規程の耐圧ギリギリで動作させてもなんら支障はありません
また、内部の電解液が乾いてもOSコンデンサになるだけという形で終了するだけで、設計上の実用性は非常に高いです。

対してOSコンデンサは製造上絶縁膜がEP-capほど強くないため、耐圧があげれませんし、故障時に短絡状態での故障が時々現れることがあります。電圧もマージンを持って設計しなければなりません。

コンデンサの製造元が元々同じ三洋とは言え、設計思想が違う為に雲泥の差があります。コンデンサを使うときは必ず設計者の意図正しく理解して使用することをお勧めします。
ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2014年5月10日土曜日

電子回路のコンデンサに関する設計方法

おはようございました。
今度の週末はETの会の後半で“生産活動における省エネ化と倫理”という題目で話すにもかかわらず、まだ資料が完成していません。
そういった危機的状況にもかかわらず、たまにはまともな設計話でもしようかとも思い立ち、書き込む次第です。

連休中は何をしていたんだ?
と、疑問に感じられる方も居るかもしれませんが、
“某御宅の家の補修工事をやっていた”
ということで、時間が有りませんでした。

左官工事やら、水道工事やら、床の張替えやら、釘打やら、適度な仕上がりで良いならば本当に何でもできる人間なので、何でもやらされるというのが悲しい現実であります。


さて、そんな明日には片付けるつもりの話はさておき、今日はコンデンサの設計の話。
先日カーオーディオの電源環境はあまり良くないというお話をいたしましたが、それを補うコンデンサにはどの様な設計が必要なのか?を話そうと思います。

コンデンサの設計にはいくつかのポイントがあり、それを挙げると

  • インピーダンス設計
  • 電力の供給能力設計
  • 最大リップル電流に影響されるのコンデンサ選定
  • 周囲温度と設定する寿命

こういった内容を最低限配慮する必要があります、

では、カーオーディオに付ける前提で設計してゆこうと思います。

※ココで挙げる設計は私が考えている産業向け機器の最低限度の設計指針です。
おそらく民生では過剰スペックですし、医療・航空であれば物足りないでしょう。
もしあなたが、産業機器でのこのスペックを守れない設計をしているのであれば、あなたは設計者では無く、トレーサーと呼ばれる存在であることを忘れては成りません。
これも守れない程度の設計では、顧客に要求されている寿命が保証されません。
努力し、設計ができるように精進することをお薦めします。



先に挙げる注意点として、入力側に適当なコモンモードフィルタを配置し、バッテリーへはあまり逆流しない前提で設計を進めることを前提にします。
自動車内の電源環境は非常によくなく、オルタネータや、ECU、ポンプ類、モータ類、パワステなどで伝導性の電源のノイズが散乱しています。そこにコンデンサをコモンモードチョーク無し(逆流の保護無し)でつなげた場合、リップル電流を大量に喰わされて、短時間で死に至ります。
今回はあくまでもオーディオだけで設計を纏めるわけですから、そこに集中できるように数mH程度のコモンモードチョークコイルを入れ、電源側へのコンデンサの放電を少なくし、また、コンデンサの充電側を少し緩やかに仕立て上げます。
実際の接続条件下において、ノーマルモードで2mH以上を狙えば、100Hzで2Ω程度になりますから、mHオーダーを超える10Aを流せることのできるコモンモードチョークを探すというのがよいでしょう。


さて、はじめはインピーダンスの計算です。
インピーダンスはどのぐらい電圧低下を許すか?でおおよその値を決めます。
デジタル回路ならおおむね5%以下(普通の設計時は4~3%程度にして安全マージンを確保する)。
ただし、デジタル回路は使用する10倍程度の周波数までインピーダンスを下げる必要があります。
アナログ回路なら期待する精度の1/100程度を目標にします。
今回ありえない条件ですが、計算を容易化するために電源は12V、最大10A負荷(120W)を想定し、設計を進めます。

コンデンサのインピーダンスは
1÷(2×円周率×周波数×静電容量)
であらわされます。
今回の目的は可聴領域の問題改善ですから、10Hz~20kHzでのスペックを満たすことです。
コモンモードチョークの影響から100Hzで0.12V未満(12Vの1/100)の低下に抑えたい
その他の周波数帯は周波数が上がる毎にコンデンサがインピーダンスを下げるため、低い側一点で計算しても問題ないでしょう。
例えばコモンモードチョークの特性から100Hzで2.5Ωであれば、
許せる電圧降下÷その時の電流=0.12/10ですから、12mΩ
ターゲットインピーダンスは100Hzで12mΩです。
静電容量=1÷(2×円周率×周波数×インピーダンス)=1/(2*3.14*100*0.012)
ですから
132000μFの容量が必要です。
もし、これがコモンモードチョーク無しであればバッテリーは1kHzぐらいまでは比較的低いインピーダンスであると勝手に想定して、1kHz近辺のインピーダンスを想定すればいいので、
13200μFの容量が必要です。
…結構な数値ですね。
インピーダンスに関しては、これ以上の容量搭載は無駄という事になります。

次に電圧低下の計算です。
信号を出力している際に、コンデンサの電圧低下が許容範囲を超えないことを前提に設計します。
コンデンサに蓄えられるエネルギーは
1/2×静電容量×電圧の2乗
です。
100Hzの期間にコンデンサの放電によって電圧低下が0.12Vを下回らないようにすれば良い
のが今回の目標です。
100W÷100Hz=1/2×静電容量×(12の2乗-(12-0.12)の2乗)
を満足する静電容量を計算します。
静電容量=電力÷周波数×2÷(電圧の2乗-(電圧-電圧低下)の2乗)
計算結果は、697900μF以上と算出されます。
コモンモードチョークを付けていない場合は、その1/10です。

ん~非現実的ですね。
最大電力で動かすつもりなら素直に12V電源から高性能のDC-DCコンバータで安定化した電源を作ったほうが良いといえるでしょう。

上記2点の計算を終えたところで、より大きい容量を採ります。
0.7Fのコンデンサですね。


そして次に最大リップル電流
コンデンサの許容電流(内部発熱の制限など)を超えないように十分満足させるためのおおよその数値を算出します。
この結果を用い、容量を弁えた上で、コンデンサの種類と個数を選定します。

これに関する式は、
電荷=静電容量×電圧
電荷=電流×流れた時間
であらわされます。この式から、
電流=静電容量×その周波数で想定している電圧低下×周波数
を導けますので、
最大リップル電流=0.7F×0.12V×100=8.4A
8.4A流れても十分に問題ないコンデンサを選定する必要があります。
現実的に8.4Aはありませんから、同じ容量、違った容量でも高リップル電流品を複数つなげて、この8.4Aを十分に満足する必要があります。
電流は流れれば流れるほどコンデンサの内部発熱を促し、寿命を短くします。
後術する寿命に対して大きな影響が現れますから、リップル電流の負荷を少なくするようにコンデンサの種類と数量を選定します。
配置や配線、並列接続されたコンデンサの種類によって大きくずれが生じますから、最数的には実測してリップル電流を測定しましょう。

次に寿命です。一般論ですが、
電解コンデンサの寿命は10度下がれば2倍寿命が長くなります。
固体高分子コンデンサは20度で10倍寿命が長くなります。

車内は最大65度と想定し、105度-65度=40度のマージン
2の4乗=16倍の寿命が期待できます。
同様に85度なら4倍です。
1年=8760時間ですから
10年持たせたいのであれば、
105度で87600÷16時間以上の製品、6000時間以上が該当します。
85度なら…該当製品が無いですね…。
現実的にココが守れない場合はリップル電流の食わせすぎです。この温度に関する事項は、あくまでもコンデンサの内部温度である事に注意してください。
最近の日本製コンデンサは綺麗に設計された寿命で壊れます。規定された寿命よりも、短く壊れることは殆どありません。


ということで、結構なコンデンサが必要になってしまいました。
しかしながら、この容量のコンデンサを動かすには結構な突入電流が流れます
リレーとタイマーを駆使して、突入電流を減らす工夫をして、自動車に実装します。
そうすると今度は電源の立ち上がりが遅くなり、機器によっては故障の原因にもなります。
そのため、コンデンサの出口側にも何らかのスイッチ機構が必要になります。
しかし、オーディオ側にリレーを入れるとせっかく下げたインピーダンスが無駄になりますから、FETをうまく使うなり、どこで妥協をするのか?、最大電力ではなく、実使用電力にどれだけ近づけるのか?を模索して検討する必要があります。

コンデンサの設計方法はこのような流れで設計します。
最終的に妥協点を模索するのですが、そこが設計者の勘所というわけです。
マニュアル通りの設計では、このような非現実的な数値(最近は電気二重層コンデンサのおかげで可能になりましたが…)が出てきますので、先代の設計者から可能な限りこの勘所というのを教えて貰うようにしましょう。
それができないのであれば、自ら使用現場に出向き、実際の使用条件から勘所を見つける努力をしなければなりません。

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

※カーオーディオのコンデンサチューンに関しては、このいかれた容量選定を緩和できる条件が別にあり、設計にはまだ続きがあります。それは後日。