2016年2月7日日曜日

現場の声『幽霊が現れているみたいで怖い』というので、自動扉の修理

おはようございました。
本日は実用ネタでございます。

良く使われる自動扉のセンサーで図のような物を見かけると思います。


このセンサーは赤外線の反射で見るという至ってシンプルなものです。
調子悪いなら買えよ!!
と、突っ込まれる方も多いのですが、故障発生時から1時間程度しか止める事ができない設備であれば、そんな事を言ってられないのは紛れも無い事実。

ではどうやって直すか?
近所の電子部品屋さんに走って集めてくるか、もしくは家の貯蔵部品で何とかする。という方には有難い技の紹介をしようと思います。

私の場合もトラブルが起こったのは年末でして、
誰もいないのに開く⇒インターロックで他の扉が開かないようにしてあるので出荷が止まる
という、一見幽霊でもいるのか?と現場の方が鼻で笑うような症状ですが、下手に波及すると出口が詰まって工場を止めざるを得ないとか言う恐ろしいものです。

そこで、意外と緊急性が高い事もあって、どこの店も置いて無いしだったら自分で直してしまおうと思った次第。
良く見るとセンサーの状態を示すLEDランプがボヤボヤと明滅を繰り返しております。
あ…これは…と、ピーンと来た私。
軽くクリーニングをした後、おもむろに基板を取り出します。


コンデンサが85℃品で、結構熱い所(エポキシの色が変わっている)にある…もうお分かりですよね?
25V220μFのコンデンサが死亡しておりました、
ついでに周辺のコンデンサと面実装のコンデンサも交換して、はい終了。
無事直りましたとさ…。

原因はコンデンサの劣化によって電源の安定性が悪くなり、マイコン基板の誤動作を起こしていた…といったところでしょうか?


結果だけを見れば単純な代物ですが、発注して入れ替える・自分で直す・ある程度無視できるという選択を判断するのは、工程の全体像を知っていなければ判断のし難い所があります。

高々コンデンサのトラブルひとつにとっても、確証が無いのにも関わらず、自分の技術力も省みずに手を伸ばすと、変に時間がかかり工場全体を止める事に繋がりかねません。

ここに書いてある事を真似するのは大いに結構ですが、時には単純な故障修理では無い場合もありますから、良く観察して勘を良くしてからこの手の仕事に関わるようにしましょう。
“親切心で修理に手をつけたつもりが、実は工場を止めて数千万吹っ飛んだ”なんて馬鹿げた話に何時なるか分かりませんよ?


ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

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