2015年4月15日水曜日

VF-A7(東芝製産業用インバータ ) の修理に付いて

あぁ、そういえばこちらには書いてなかったと思うので記載。

過去の製品群の中で一番設計がマシと思える産業用インバータのひとつに、東芝製のVF-A7という機種があります。

この機種の壊れ方としては、

  • モータが過電流でトリップし始める
  • nOFF(主回路電圧低下)が出て動かなくなる
  • FANが動かず(動かすトランジスタが故障して)にオーバーヒートで止まる

という症状が多いです。
今回はこいつの対処の仕方を晒そうと思います。


私が手を入れる=当然のように10年以上前の代物です。
しかし、持ちのよい優秀な装置であります。

基本的なパッケージとして、

  • CPU周辺の基板(設計が頑丈で長寿命)
  • IGBTのドライブ基板(3.7kW以下はIGBT・大型の電解コンデンサと一緒)
  • IGBT本体(3.7kWを超えるもののみ)
  • 内部の直流電圧生成・維持用の電解コンデンサ(3.7kWを超えるもののみ)
  • 冷却ファン
  • ヒートシンク
  • ノイズフィルタ基板

というパーツに大まかに分ける事が可能です。

このうち、

  • FAN
  • 大型の電解コンデンサ
  • ドライブ基板

急速な劣化対象であり、こいつに手を加えると+5年ほどの延命措置ができるというものです。
※ ひょっとしたらもう少し伸びるかもしれませんが、壊れ方が危なくなるので危険

しかし、この機種も容量によっては中のIGBTドライブ回路が残念な事になっていたりします。
外れを引いたら、その設計者に『この○ソ野郎!!』と言いつつ、ゴミリサイクル箱へ直行させてあげましょう。

では早速、交換場所を見てみましょう。


CPU基板と交換箇所

ドライブ基板 他

ドライブ基板交換箇所


ドライブ基板は容量によってサイズは違えど、大凡似たような構成になっており、やられる場所は電解コンデンサHCPL-7840Aの2種類です。
FANが止まって動かない場合はCPU基板のトランジスタ
表記がCEYなら2SC3325Y(Q22)、表記がQEならRN1425(Q22)を交換
しましょう、
可能であればIGBTを外してシリコングリスを塗りなおす事をお勧めします。乾いてしまうと熱伝導性が著しく低下します。熱伝導性が著しく低下すると、寿命がきて無いはずなのに、アルミスライドあたりでIGBTが激しくすっ飛んで綺麗な花火が上がり、大変困った事になります。

最近の東芝製インバータは結構設計が雑な上に、壊れても修理がしにくいようにモールドされています。
確かに極悪な化学的条件下・露点の高い条件下ではモールドされていたほうがいいのです。
しかし、こういう物は部屋においてクーラーガンガン利かすか、換気して涼しい条件下で動かすのが当然な代物です。
ですから、分かっている人間にとっては基板のモールドはオプション扱いにして欲しかったなぁ~と思う次第です。

おまけに変な安物ネジ使い出したり、回路設計が残念で壊れやすくなっていたり、加工が荒くてバリがひどかったりと、変なコスト削減で残念な結果になってしまわれているので、最近の東芝製インバータは強くお勧めしません。

しかし、この代の東芝製インバータ(特に18.5~22kW)は他社にはない設計思想があり、とても光るものがあると思うのです。
ということで、最近調子が悪いVF-A7を見かけたら手を入れてみませんか?きっと手を入れた分誠実に応えてくれる良いインバータであると実感できますよ。

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2016/01/26 追記:
インバータの型番とFANという単語で検索される方もいるので、コネクタの型番を晒します。
コネクタは、AMPの179228-3です。
コンタクトは、179227-1を2つ準備しましょう。
FANは同じスペック(風量と圧)のものを用意しましょう。電流値は搭載品以下にします。

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