2015年4月7日火曜日

技術者が不幸を生み出している?

こんばんわ、今日は、
成熟していない人間の居る社会で技術を使って仕事をすると、不幸になる人が現れる問題
に付いて思いついた事を書き綴ってみようと思います。

私が会社を転々としている理由に、
“意図しない恨みを買ってしまい転職せざるを得なくなった”
と言う、一見
“お前はただのコミュニケーション障害じゃねぇの?”
と言う原因があります。
しかしながら現実的にこの不幸になってしまう原因には複雑なものがあり、結局は余程の組織ではない限り、誰かを不幸にせざるを得ないのが現実です。

この問題の原因は、技術で仕事をすると言う事の成果物を考えてみると分かりやすいでしょう。

例えば私が成果物としてきた題材であれば、

  • 誰もやれなかった手法を用いて、過去の製品群よりも一気に性能を上げた
  • 経験と勘だけで体系化しようとしている業務を原理原則を用いて技術化し、多様な人間が触りやすいように再構築した
  • 過去の装置よりも圧倒的な小型化と出力密度上昇、高い性能を達成した
  • 提出期日を過ぎてから来る仕様に対して、即時対応できるように、ある程度柔軟性を持ったソフトウェアを組み上げた
  • 仕様が固まる前にサンプル提供をして、現物で要求仕様から生まれる結果の確認をさせ、仕様を作る側の成長を促した
  • 経験と勘で覚えこまされて来た組み込み業界を体系化して、誰でも設計者になれるように教育方法を変えた
  • 試作回数を半分以下に減らし、さらに開発期間と予算を1/4程度に圧縮した上でプロジェクトを成功させた
  • 予定された保守用経費を2/3程度まで圧縮し、億円単位の経費削減をした

大雑把に言えばこんなものです。
どれもそれなりの技術の応用からなせる業です。
しかしなたら、これらの結果は波及効果が非常に大きく、必ずと言っていいほど、過去の関係者の仕事・作業時間・賃金を奪う結果に繋がります。

なぜでしょうか?
技術を使って仕事をするという事は、
“社会が低いコストで回るように構築する事が根底にある”
ためです。
つまり、人件費削って何ぼ、投入する人工を削って何ぼ、人の仕事を奪って何ぼ、投資の資源を削って何ぼの世界なんですよね。

ですから、今まで経験と勘で技能的な結果を構築して来た人は、次の舞台へ進むように誰かが仕向けなければなりません。自らが動かず、また、会社も動かさない場合、彼れらは技術者を恨みはじめます。
結果、成熟していない社会が技術者を苦しめる問題の発生源に繋がるわけです。

我々は問題を起こしたいわけではありませんし、社会として進むべき道を進みたいだけです。
しかし、これでは進みようがありません。
ですから、この問題が継続化すると人間社会は思考を停止し、“現状にとどまる事を良し”とし始めます
そして、大企業病という変な妄想病が生まれるわけです。
しかしながら、技術的な能力の上昇は社会にとって、会社の維持存続にとっても必須要件です。
顧客の要求は常に技術的な能力の上昇結果の先にあるからです。
この問題を防ぐ会社組織であるかどうかが技術を糧にしている(というよりは大半の)会社では非常に重要な焦点であり、優秀な技術者が比較的特定の会社に集まる原因でもあります。


つまり、高度な技術を使用して欲しい会社は、その会社の土壌をしっかり形成する事こそが技術を使える会社にするための最低限度の条件でもある訳です。
土壌がしっかりとしていない会社にとっては、高度な技術というのが非常に忌み嫌われるべき存在です。なぜなら、高度な技術というのは、何人かの仕事と作業時間を奪い、最悪失職する可能性が生まれるからです。

我々の先代は先に進むと同時に変わり続ける事で社会を発展させ支えてきましたし、そうしなければ。我々はこの世には存在できませんでした。
その事実から目を背けてはなりません


技術を使って仕事をすると、特定の人の恨みを買う可能性があります。
それは技術者にとって決して快いものではないかも知れません。
しかし、技術で勝負する世界に入ったのであれば、それが局所的にであっても起きる事を心得ておく必要があります。

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

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