2015年4月26日日曜日

運用にかかる費用を正しく認識しましょう

おはようございました。
昨今、仕組み作りで儲けるだの、マニュアル化して一般化するだの、頭の弱い方々を対象とした詐欺行為がようやく落ち着いてきました。
これらは高い金銭を要求した講習でして、しかも投資額よりも儲かる(事例もある)ことを宣伝文句としており、中途半端にお金を余らせている欲深き頭の残念な方々を対象としています。

これらの詐欺行為は非常に分かりやすく、肝心な事を教え無い事によって、意識の無駄に高い連中が毎回教えを請いにやって来るので、意識の無駄に高い連中が気付かない限り無限に搾取できる仕組みに成っているという構造です。
まんまと嵌められた訳ですね。

住宅投資詐欺も同類です。
借金を背負わせるか、土地と建物を丸々奪われて、ハイ終了。

考えてみると分かるのですが、儲かる方法を教えてしまうなんて、一般にはあり得ない事です。
儲かるのは自分自身だけにしておかなければ、資産が相対的に目減りしますからね…。

さて、資格取得講座も同じですよ?という話はさておき、今日の本題。
これらの詐欺行為に共通している肝心な事を堂々と晒そうと思った次第です。

詐欺行為ですから、宗教同様に、教祖様≒講演者の地位が堕ちない配慮が必要です。
そのために、受講者の一部は成功しつつ、なおかつ多数派が肝心な所で自爆する必要があります。
しかも、教えを請いに来ているということは、考える事を棄てたか、若しくはヒントが欲しいかどちらかであって、しかもある程度自分に都合良い解釈を勝手にして、目先の金銭に縛られる内容です。

もう、お解りですね?
この手の教えには、実務に必要な運用の側面や費用といったコスト面をほぼ教えません
こうする事により、成功する可能性があるのは運用が分かっている人や、運用経験・運用方法の確立をできるだけの意識のある人員のみに限定されます。
つまりは思考能力のある人+運を掴んだ人だけが成功でき、大多数の人は自爆してくれます。

運用という側面は非常に大きく重いものでして、実際の現場において継続して改善される仕組み、しかも仮想(≒紙面上・組織上)だけではなく現実に回る構造を構築できない限りは、ほぼ間違いなく失敗します。
しかも厄介な事に、実際の運用というのは非常にコストがかかるものです。
仕組みもマニュアル等も時代や実態に合わせてメンテナンスする必要があります。
おまけに内容が濃くなるに連れて、関わる人員の要求される基礎能力が高くなりますし、その上多くの資金と初期投資が必要になります。

特に企業に於いて失敗しているのがマニュアル化でして、マニュアルの維持管理能力が無い組織がマニュアル化を進めると、某大手家電メーカー(今は金融会社)の様にマニュアルによって自らに足枷を嵌める事になります。

例えば失敗例として、
『電源インピーダンスを下げ、なおかつコンデンサの共振を抑える方法として、同じ容量のコンデンサを並列に用いなさい』
という知っている人からすれば、キチガイの極みみたいな事を平気で宣うマニュアルも存在します。
これ、笑い事では無いですよね。機械構造であれば、
『壊れないように、剛性の高いもので綺麗に対称性を高く作りなさい』
という、一見綺麗に仕上がりながらも、超危険な共振を起こす構造です。
剛性の高い≒必然的に減衰率は下がりますから、延々と振動が残る訳です。


仕組み作りや技術のマニュアル化に関係する必要要件を正しく認識しましょう。
仕組み作りや技術のマニュアル化には、組織全体の能力上昇と、継続的な投資が必然不可欠です。
仕組み作りやマニュアル化したは良いものの、多くの場合は仕組みの現実性が欠けていたり、マニュアルの維持に関わる人員の能力不足によって、以前よりも圧倒的に弱体化する場合が多く見受けられます。

マニュアルも仕組みも継続的なメンテナンスが必要です。
そのままで済ませられる程世の中は停滞していません。また、常に進歩して変わりつつける事を要求されます。
運用にかかる費用の目安は対象となるシステム全体の設備投資額と同等か、それ以上です。
そこまで懸ける事ができないのであれば、素直に仕組み化やマニュアル化、そもそもの投資自体を諦めましょう。
中途半端に壊れたシステムを構成する事は、大きな社会悪となり、経済を停滞します。
そういう意味では名を残さない生粋の悪党になってしまいます。

それが嫌だと言うのであれば、煽って仲間を連れて儲かるか分からない共同戦線の方がまだ潔いです。

仕組みもマニュアルも、只では運用できません。
運用には人も金も物も全て必要です。
知恵や知識があるから大丈夫なんて思っているならそれは大きな間違いです。
結果を実装する母体まで持って来て、初めて社会を動かす事ができるのです。
自分は偉いから、自分は上司だから、周りは動いてくれるなんて言う、口先だけで人が動く幻想はとっとと捨てましょう

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

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