2015年3月8日日曜日

AC⇒USB電源供給の製品は、正しく機種選定を行い購入を行いましょう

おはようございました。

最近欲が無くなってきて、えらく前向きな努力をしなくなりつつあります。
危ないですね、人間腐るのは一瞬ですが、復活するのにはものすごい時間と根気が必要になります。

今日は腐る前に手短なネタでも探そうと思った次第です。


さて、昨今電源供給のコンセントの形態として、USBのTypeAが地味に事実上標準化しつつあります。
このコネクタは厄介で接点容量があまり大きい物でもなく、設計上0.5Aが前までの基準でしたが、こと最近は1.5A程度(USB Battery Charging)までラインナップされつつあります。

古い機器に0.5A以上は酷ですが、最近のものなら結構引っ張っても大丈夫みたいで、世の中は変わったなぁ~と思うわけです。
おまけに数W程度のミニコンピュータっぽいものでも昨今ではものすごい強力な演算能力を持ち、無線通信の能力向上とあいまって、一時期前までは眉唾扱いされていた多くのコンピュータによる分散処理が容易になったのであります。

私が以前仕事をしていた内容に画像処理やサーボ・軌跡制御周りの演算がおっつかない問題があり、容易に分散できるプラットフォームを構想した事がありました。当時はUSB2.0で数珠繋ぎにして強引に実施していましたが、今は電源線以外はほぼ不要になりつつあります。
良い世の中になったものです。

さて、そんな昔話はさておき、昨今販売されている電源としてのこのUSBアダプタ。
100円均一で売られているものは設計がひどい事がよく知られておりますが、実際の性能となると誰もあまり公知にしません。
まぁ、設計&評価した人が少ないアマチュアさんが大多数ですから仕方ないのかもしれません。

…と言う事で、誰もやらないなら俺が人柱になる!と、財布の中の銀色硬貨は大変貴重なのにも関わらず、普段なら絶対に買わない100円均一の粗悪品を買いに出かけ、早速測定する事にしました。


黒くて大きいのが秋月電子製
緑が100円均一の200円(2度と使わないのにもったいない(涙))
白がおなじみのiPhone6添付品です
※ 2015/05/30に Nikon EH-71P を追加しました



先ずはおなじみの電源インピーダンスから

どこも大差無しですね。
秋月電子製は若干コンデンサの選定に邪念があるような感じがあります。それは次の測定結果からも分かります。高周波領域で動くコンデンサが少なすぎます。寿命も高周波に比例して短くなる事を理解した上で使う必要があります。
100円均一の物が電源インピーダンスが低くできているのは保護回路が無いからでしょう。
60Hz付近の測定結果が暴れているのは電源の振動がそのままきているためです。おそらく絶縁してませんね。PSRRを測ると面白い結果が出てきそうな気がしますが、家で測る機材を準備できていないので、それは後日。

この結果を見る限り、5Vの製品としては順当なところですが…。
次はリップルノイズです。一応不公平無しに旧規格の最大値である0.5Aを引きながらオシロスコープで確認します。
JEITA 規格番号 RC-9131Bで何かしら一般化しようと決められていますが、あんな方法を使ったら細かいノイズが消えてしまって意味が無くなるのは紛れもない事実ですから、可能な限り根元でFETプローブやバッファ付き差動プローブで測定します。

100円均一の物

iPhone6添付の物

秋月電子の物

Nikon EH-71P

Owltech OWL-ACUS2

SONY AC-UUD11


見ての通り、最強はiPhone6標準品でした。優秀な設計だと思います。
次点でNikon EH-71P ですが、負性抵抗になるという恐ろしい性質を持っているので、一般用途に使うのはNG です。電源のあり方なんて考えずに、静的特性のスペックを押し付ける形で外に丸投げで発注したんでしょうね。
秋月電子はセラミックコンデンサとフェライトコイルや電源用インダクタの組み合わせでどうにかなるレベルです。アナログオーディオでは眉唾物のBE-727でも通せばかなりマシになるので、うっかり騙されてあまっていれば、ここにお勧めです。
100円均一はPSRRひどいのも丸見えだし、何じゃこりゃ?の一言使って壊れても知りませんよ~と言われても仕方ないですよね…。

と言う事で、素直にiPhone純正を使いなさい!!
今日はこの一言で纏められる内容になってしまいましたとさ…。

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

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