2014年8月5日火曜日

採用する立場と採用される立場から垣間見える大企業病

最近になって、少し離れていた採用活動のお手伝いを再びする事が多くなり始めました。
一応言っておきますが、私は下級平社員ですよ?役職も何も付いてはいません。
私の判断基準はきっと正確だとは思いますが、判断できるのはエンジニアとしての才能・素養だけです。会社のご都合なんか、全然知りません。
ただ、上の仕事を経験したことはありますし、上司の立場とやるべき事が明確にわかっています。だからこそ、好き勝手な事が堂々と言えるのかもしれません。


さて、日本ではこの時期、転職活動を始める方には好都合な市場状況が続いており、2種以上の電気主任技術者であれば、市場平均が650万程度の年収で、普通に転職するならば、年収750万位が相場になりつつあります。
去年の私の1.5倍ですね…羨ましい限りです。私は去年であれば10億弱の支出削減していますが、その1%も貰えない訳です。悲しいかな…せめて皆と良い物を食べに行ける位のお金は出して欲しい所です。


話を戻しまして、転職といっても、会社は変ったものの実際に実施している仕事が変っていない場合は、転職というのはちょっと妙な感じがします。
私は8社(厳密には9社)ですが、主だった業務といえば

  •  エネルギー関連の強電業務・計装関連
  •  パワーエレクトロニクス系のアナログ~デジタル混在物とアクチュエータ
  •  組み込みソフトウェアのかなり低いレベル(ハードより)のもの
  •  採用係(片手間ですが…)

と、4職種しかありません。
これは、会社の中のジョブローテーションとやらで平気でやらされる程度の物ではないでしょうか?
全てがシステムの構築方法論として繋がるので、職の方向性としては物凄く一貫しています。
下手をすると、派遣会社に居た人からすれば、もっと酷い散らばり方だと思います。そっちの方が問題ですよね。

ただ、私本人が7社の会社を去った理由はおおよそ一貫しているわけで、
 “真面目に仕事をさせてもらえない
この一言に尽きます。
しかしまぁ奇妙だと思いませんか?痛みかけの会社組織は凡そ真面目に仕事をするということを本気で嫌がるのです。
そう、会社が創業~黎明期にかけてしっかりとした屋台骨を作るのに必須用件が
真面目に仕事をすること
であるにもかかわらずです。
大企業病とは何の事無く、
 “会社自らが真面目に仕事をやらせてあげない環境を作りあげた
ということから派生する副産物だと私は考えます。


さて、我々は就社している訳ではありません
セガの例でもあるように、大手メーカーですら重要な交渉事を時給1000円ちょっとのバイトにやらせてしまうという、崩壊寸前の酷い倫理観の状態において、会社という存在意義が果たしてどこまで強固なのか?怪しいところであります。既に体を成していません。
正社員(平)にこの非常に重い仕事をスポット的に任せるならまだしも、ただのバイトに押し付けるということは
 “成功はアルバイトを雇った事務の物”
 “失敗はバイト本人の責任だから誰も処罰を受けなくて良い”
という、明確な責任逃れを実施する姿勢を公表したとも受け取れます。


本来、仕事とは公共に仕える事を意味し、
 会社=仕事を円滑に行うための組織形態のひとつ
ですが、最近は
 いかにして楽に短期的に大量の金を儲けるか?を切磋琢磨する場
になりつつあります。
その結果、社員への過剰な搾取、近未来を支えるアイデアを提供した優秀な社員を外に追いやる方針、楽な何もしない人間ほど給与を貰う事ができるという歪な会社構造に変わりつつあります。

特に就社を意識して入社した人間の劣化状況が酷く、今まで上が居たから黙っていた彼らが一気に解放され、今まで先代が築き上げて来た会社と信用を散々叩きのめす状況下にあるといっても過言ではないでしょう。
その最たる例が現れるのが採用活動と、面接という場所にあると私は思います。


面接という場でどの様な場面を思い浮かべますか?日本であれば凡そは
 “会社側が優位、採用される側が下手の構図
であると思います。しかし、この現象は歪だと私は断言します。
実際問題として、優秀な社員は頭を下げてでも、借金を積んでも、社運を賭けてでも入ってもらいたいのですが、昨今の採用活動をする会社の姿勢はこの会社が上という立ち位置に拘るあまり、彼らの獲得を失敗します。
優秀な社員というのは非常に敏感で、面接が始まって数秒で場の空気を察知し、会社の是非を判断します
正直な話、2~3口話したらその後の結果がどうであれ、会社に就くかどうかを決定付けています。
もう少し具体性なものを言うと、
相手の役職と立ち位置、話す言葉によって全てが醸し出され、会社としての能力に関する総合判断をする事が可能
です。
そういう判断ができる人間からしたら、現在主流とされる面接方法が滑稽と言わざるを得ないのです。
バブル期ほど…とまでは言いませんが、相手に来てもらうための姿勢を見せない限りは、優秀な人は2回目から寄っても来ません。

しかも、年々働くに値する有効な人口が減っている以上、嫌でも会社を維持するのは困難になります。
日本は少子化が進んでいますから、採用自体が非常に難しくなりますし、その結果会社の維持自体も非常に難しくなります。
外国人労働者を雇えば…という単調な方も居られますが、物価の割りに薄給の日本の組織にぶら下がることを善しとする外国人なんて永遠に居ると思いますか?おそらく少数派ですし、優秀な人は母国の方がより稼ぐ事ができるでしょう。
しっかりその人への依存度をあげられた頃にノウハウを持って帰られて、会社ごと終了です。

この人の採用という場からも見える危機感、今の組織にはありますか?
組織を維持するためには優秀な素養の社員が必要ですが、来てもらいたいと願う姿勢が見えなければ彼らは寄り付きもしません。
恋の駆け引きと同じで、相手に興味を持ってもらえるように仕向ける事が先ず必要ですが、今の主流と思える採用方法は、それを真っ先にぶち壊している様に見えてなりません。

貴方は
 本気で良い人を採用をし、会社をしっかりと磐石なものにしたいのですか?
それとも
 わざわざ時間を調整して、遠い場所から面接に出向いていただいた顧客の一人に対して、馬鹿にした態度で接して優越感を堪能したいだけですか?
この問題、会社が考えている以上に採用される側は非常に敏感です。
危ないと思ったら変えてゆく事をお勧めします。

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

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