2014年7月16日水曜日

電源インピーダンスの解析には、先ず入手性の高い電子負荷装置の特性をはかる

こんばんわ

世の電源マニアな方々は電源インピーダンスをどの様に計っておられるでしょうか?
業務上では
アジレント 製の E5061B-3L5 LF-RF

NF回路 製の 周波数特性分析器 FRA50xx

岩通計測 製の PSMxxxxx

なんていう、お金持ち機種(と言うほど、物の割りに高くも無いのですが…)を使われるかと思います。

しかし、個人的趣味となると貧乏人はお金をかけることができません。。
あまり趣味にお金を使っても仕方ないと思いますので、確実にソコソコのレンジが測れるご都合主義の測定器が必要になります。

そこで、私が愛用している菊水電子 製の少し古い電子負荷装置PLZ152W,PLZ152WAの紹介をしたいと思います。
私がコイツを愛用している理由はずばり
“オークションで安価に流れているにもかかわらず、かなり性能がよい”
“アナログ式のゲインフェーズアナライザと相性がよく、ご都合主義な測定がし易い”
この2点です。

これって結構重要でして、100KHz程度までソコソコS/Nよく電源のインピーダンスを計る事ができれば、後は中古のネットワークアナライザでそこから上の帯域を計る事ができます
100kHz以下の測定が可能なネットワークアナライザって、案外と少ないです。
また、個人作成が大好きな電源屋さんとしては、制御の応答とコンデンサの親和性を見るのに、位相の特性が綺麗に映るという条件は欠かせません
結果、ネットワークアナライザで制御の絡んでいるところを見ようとすると、
ベクトルネットワークアナライザ で、各ポートのインピーダンスがそこそこ高く、なおかつ1kHz程度からしっかり計れるなんていう、それ、個人じゃあとても買えないよね?的なスペック品になります。

さて、そんな回りくどいことをせずとも、DC成分用の電子負荷、若しくは実負荷に加え、横から電気を吸い上げる電子負荷装置+ゲインフェーズアナライザを用い、実負荷域でもソコソコ正しいインピーダンスを計る事ができるのは、電源マニアの方々なら既によく知っておられると思います。
しかし、如何せんメーカーの仕様はとても曖昧で、どのぐらいの実力があるのかが見えてきません。
電圧と電流の比だけでインピーダンスを見ることはできますが、どんな波形を与えたか?どれだけS/N比が良く印加できたか?がとても重要です。
外部からの信号の応答性というのはとても重要で、反応するしないの境目が分からない限り、まともな参考値を出す事ができないのです。

おまけに電子負荷は個人で買うには結構高いです。
どれを選べば無難な選択と言えるのか?実は誰も公表してくれません。
周波数特性なんて公開した日にゃぁ~ライバル会社さん達がこぞって顧客囲い込みのために奔走しなければなりません。
どのぐらいの実力かの代表値であっても、それ公表することは自分の会社の技術力を晒すことに繋がります。最悪の場合、過剰な競争を生むため悪循環です。それを意図的に避けておられます。

私は過去の職で色々見て来たこともあり、お家に有る装置もあり、今回それを晒そうと思いますが、過去の会社でのデータは晒せるものが何も無い(機密保持だし、会社からデータ持ち帰った訳ではないので当然ですよねぇ~)ので、概略だけお話しておこうと思います。

先ず電子負荷装置全体に言えることですが、
電流モニタ出力は当てにしてはいけない(周波数特性が糞
です。正しい値を示しません。素直に性能のよい電流プローブを使うか、若しくは周波数特性の良い検出抵抗を使い、そこから電流の信号を得てください。
私は色々と個人でやっている為、テクトロ製の電流プローブを買っています。

さて、機種選定ですが、どのメーカも古い機種は往々にしてアナログ入力に対しての応答がとても悪く実用に耐えないものばかりです。おまけに入手性も悪いです。

この中で古くてもまともに使える上に流通性の高い機種として 菊水電子製のPLZ152W、PLZ152WAがあります。
この周波数特性はこんな感じです。

つまり、両方とも100kHz迄は減衰しつつも信号が出る&動いてくれるという、優秀な特性を示しています。PLZ152WAに関していえば、S/N比が悪くとも1MHzまでは参考になりそうなデータを叩きだせる可能性があることを示唆しています。
実はこれに勝てるデータを持っているのは菊水電子では最近出たPLZ334W、計測技術研究所製のELS-304ぐらいだったと思います。
ただ、価格面で…、あと頑丈なのは…菊水電子なんですよね…。
電源関連の実験機器(バイポーラ電源を除く)では菊水電子が鉄板だと思います。(私は食品製造業なので、決して菊水電子の回し者ではありません

そんな訳で、この電子負荷装置と、先日購入したアナログディスカバリーをつなげば、いとも簡単に電源インピーダンスを計る事が可能です。
2つ合わせても5万円をきるので、電源マニアの方は揃えてみてはいかがでしょうか?



ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

※2015/09/20追記

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