2014年4月23日水曜日

山武の流量計 KIX20A + KID10A 修理 (KIX20Bも同じようにできます)

今日は実用ネタを一つ
※一応、社内の機密に該当しないことを確認してから公開しています。勿論業者からは相当嫌がられることを覚悟してますが…。

山武(現在のAzbil)社の流量計
KIX20A + KID10A の組み合わせの延命修理です。
※分離型の物、KIX20Bでも同じように修理ができます。
おそらく後5~6年は使えるようになります。

そもそもの発端は最近誤動作し始めまして、交換したことに始まります。
交換したのは良いが捨てるのは勿体無い…。

だって新品は30万円超えたんだぞ!

会社の金だから勿体無いんじゃない!
稟議書を書く時間が勿体無いんだ!!
(20万円超えたら稟議書)

これを会社の人が見たら笑われそうだな…。
そんな訳で、早速故障解析をし始めました。

見た感じ

  • 内部電源生成用のトランスの樹脂材が経年劣化で割れている。
  • 内部の電解コンデンサの日本製品はほぼ寿命時期

(SPRAGUE製?のほうは超長寿命で問題なさそう)

これぐらいしか問題要素が見当たりませんでした。
度々のつまり、正常な寿命を全うした経年劣化です。

日本製コンデンサは指定された寿命で綺麗に壊れるので、面白いです。
しかし残念ながら、海外メーカーのように露骨な産業用途品=超長寿命品がラインナップに無いと言うも問題もあります。
これを設計能力の向上ととるか、客にやさしくない会社だと取るかは、意見が分かれるところですね。

そんなわけで、電解コンデンサ交換後は、無事に動作をし始めました。
電解コンデンサ交換時に次のことを実施するとよいでしょう。

  • 電解コンデンサにセラミックやフィルム系のコンデンサを並列接続しても問題ない箇所は、積極的につけ
  •  

これは、コンデンサは動作時にリップル電流によって内部発熱が現れるのですが、並列に低ESRのコンデンサを配置することにより、いくらか軽減できます。つまりはコンデンサの温度が下がり、寿命が延びます。



  • コンデンサの胴体の根元と基板の間にポリアミド系ホットメルトか、電気部品用の接着剤を塗布する

これははんだクラックの発生低減に大きく寄与します。

交換したのは写真の電解コンデンサです。また、トランスの樹脂をポリアミドホットメルトで補修しました。



そんな訳で、会社の機械を捨てるときは、素直に分解整備して直るかどうか確かめてみましょう。
単純な劣化が原因の場合は延命修理ができます。直れば儲けものです。
延命を正しくすれば、今までの寿命の0.5~1倍分さらに伸ばすことができます。
つまり、おおよその場合本体料金の半額分以上は稼げます
つまり、200Aみたいに口径がでかくなると、40万以上は経費削減になる訳です。


でわでわ、今日はここまで
また会える日を楽しみにしています。

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