2014年2月8日土曜日

自爆的開発の先のPC事業売却

なんか日本の組み込み市場を破壊したことで有名な社長のサイトから飛んできてる人が多いなぁ~と思ったら、この前眉唾じゃないのか?と言い放った、特定の商品名の検索で引っかかっているんですね。

ネット上で検索とは、昔に比べてずいぶん便利な世の中になったものです。
仕事も随分と早く片付くようになりましたし、データシートも速攻で検索できます。
サポートの良い企業か、悪い企業かどうかも、簡単に判断つくようになりましたしね…事前に失敗しにくい選定が行えるので本当にありがたいです。
しかしながら、その分考え抜く力が薄れ気味になっていることは否めない事実だと思います。

過去の市場向け製品群には魅力的な製品が多くありました。
それは紛れも無く、技術者や営業、経営、企画等の様々な部署の人たちが力を合わせ考え抜く事ができたからだと思います。

しかし昨今はどうでしょうか?おおよその企業が次のような流れで製品開発をしているように感じています。

1.皆が気に入りそうな夢と妄想だけの開発のプレゼンをする
2.企画は通るが、張ったりだから内容が伴わず、苦しい製品開発を余儀なくされる
3.張ったりや妄想だけでは製品開発がまともに進む訳が無いので、妥協が入り混じる
4.幾らか大元のコンセプトは異なるが、見てくれだけは同じようなものが製品化される
5.内容の伴わない製品なんて、客が離れるのは明白、そのうち客足が遠のく

あらあら、任天堂さんは既に1の段階を表向きにやり始めてますねぇ~今後楽しみです。
本当に、学歴だけでの採用と言うのは恐ろしいものです…。
とりあえず目先の製品開発目標は大切だとは思いますが、客足と言う観点では、目先よりも中長期視点、つまり、まともな製品を作れたかどうかが大きく左右します。

客足とは厄介なもので、増えるのはほんの少しずつですが、離れるのは一瞬です。

真面目な製品を作り続けることは、目に見えるような大きな収益を生みませんが、目に見えない収益を確りと着実に創出しています。
日本の消費は8割が国内です。つまり多くの製品の口コミに関して、言葉の壁はありません。
マスコミは信用されていません。しかし、ネット社会の口コミで広がりはじめたら、一気にその手のマニア・オタクには浸透します。

マニア・オタクに浸透すれば早いものです。
マニア・オタクは、次の製品購入に関して的確なアドバイスを周囲にもたらします。特にネット社会ではマニアやオタクに対して質問するハードルが低くなったので、一気に浸透します。
民生品の場合、特に彼らに対して有効な評価を得られるかどうかを視点に置いて、開発の方向性判断すべきであると私は考えています。
需要や、市場の創造をするためには特に使い込んでいる利用者側の視点がとても重要な要素になります。

自動車なんて最たる例ですよね。足が硬いだけのボディーフニャフニャ、エンジンスカスカの車をスポーツカーとか言い切るのは、頭の中おかしいんじゃないのか?と思います。

決して、見てくれだけの良く分からないスポーツアピールのエアロ装備をした日本の箱型市販車とか、日本のコンパクトカーをちょっとスポーツ風味にした奴とか、エンジンとリア周りがどうしようもなく残念な86・BRZとかを言っている訳ではないですよ。念のため、



ココで近年失敗している企業が多々あります。
いまPC事業売却で話題沸騰のSONYなんかが代表例ではないでしょうか。
信者と思われる宗教じみた愛好家は別として、ほかの客は壊れる製品と言うことでここ数年で一気に離れてしまいました。

保証期限で物が壊れる設計” でも書きましたが、結局のところ
真面目な設計能力が在るか無いかが最低限の品質保証であり、マニュアル・技術標準なんていうものはリコールなどで失敗しないための最低限のガイドライン
であることを確りと認識できていないとなりません。
そう、今のマニュアル化では日本人の思っているところの品質と言うものは何も保証できないのです。

日本人の多くは製品は壊れ難いもの=耐久消費財だと思っています。
冷蔵庫やテレビ自動車を保障の1年で買い換えますか?
壊れていないのに車検がきたと言う理由で3年で買い換える自動車はさておき、普通に正しく使っていれば5年以上持つ製品群です。

それが保障が切れた途端に買い換えが必要な企業であった場合、魅力的でなくとも他メーカーを選ぶと思います。
そこからさらに製品としての魅力がなくなってしまったら…結果は自明ですよね。

耐久消費財、壊れない製品開発は日本国家が認める大きな付加価値の創造です。
価格?そんなの多少なら上げてもいいに決まっているでしょ?
耐久消費財化するためのコストなんて、製品コストの1割増加にもなりません、消費税とほぼ一緒です。
営業が無理な値引き止めればそこで終わりですよ。いいものは黙っていてもそれなりに売れます。
ココの認識が某社の運命を決定付けてしまったのではないのでしょうか。

それ以上に赤字なのに責任の執り方も分からずに遊んで、毎年何億円ももらっている役員さんのほうが大問題ですけどね…。
少しは責任の執り方を絶賛実践中なトヨタの大ボス=豊田章男氏を見習って欲しいものです。

この企業の流れ、実際のところは他人事じゃありません。
他所の企業(日立・東芝・富士通等)でも実際に過去に起きて、失敗して方向性を変えざるを得なくなって今があります。
他の企業は業務関連・軍事関連で耐えていますが、単純な製品群しか持たない企業であった場合、致命的であったでしょうね。

皆様の所属される企業も、良い方向性を目指されることを願っています。

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

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